41 / 150
本篇・1年目後期
折り紙に願いを。弥生side
「弥生」
「葉月...」
「どうかした?なんだかぼうっとしてるみたいに見えたけど...」
葉月はやっぱり鋭い。
けれど、何かがあったわけではない。
「何もないよ...?」
...強いて言うなら、少し目眩がするだけだ。
この程度のことならいつもあった。
誰に言っても意味がないから言うのをやめた。
ただそれだけなのだ。
「それより、ほら。授業はじまっちゃうよ」
「あ、本当だ!それじゃあ弥生、また後で」
「うん。...また後で」
私は葉月とは別の教室へと向かう。
「はい、それでは発達と保育、はじめていこうと思います。全員揃ってるかな?」
発達と保育...はじめは何をする授業か分からなかったけれど、どうやら科目名どおりらしい。
子どもの発達と保育...子どもがどうやって成長していくのか。
どんなおもちゃを使うのか。
どんなおやつを作れば食べられるのか。
...今日はおもちゃの実習だった。
「それでは、折り紙で二作品以上作ってください。それが終わったら今日はレポートとか他の教科のでもしてていいからね」
他の人たちは大喜びだった。
それはそうだ。
一日に何教科もやっている人たちからすると、今の発言は神に近い。
「...」
私はただ一心不乱に折った。
『何それ、だっさ!』
『今時あんなもんやるとかジジイかよ!』
過去の言葉を振り払いながら、ひたすら作りたいものを折る。
(どうしようかな...)
箱、風船、蛙、独楽...それらを画用紙に貼りつけながら、説明書きをくわえていく。
そのときあるものを思いつく。
(クリスマス、か)
リースなら折ることができる。
だから...残り時間を見ながら、それを折っていくことにした。
時間をかければ丁寧さが出る。
けれど、今回は急ぎで折るしかなさそうだ。
「ええ、すごい...!」
「...!」
先生が後ろまできていることに全く気づいていなかった。
それだけ集中していたのか、それとも...。
はじめは他の人のことだろうと思っていた。
けれど、先生は見ていたのだ。
...生徒たちがどんなものを折るのかを。
「え、やばっ」
「あれってどうやって折ってるんだろう...」
周りからはそんな声が聞こえる。
折り紙を折っても誰からも馬鹿にされない...そんな不思議な時間を過ごした。
「ね、さっきのすごかったね!」
先輩のそんな一言に、私はただ頭をさげた。
いい人たちだなと思いながら、ふらつく足で教室を目指す。
...嫌な体育も、さっきのことを思い出しながらならなんとか乗り越えられそうだと思った。
「葉月...」
「どうかした?なんだかぼうっとしてるみたいに見えたけど...」
葉月はやっぱり鋭い。
けれど、何かがあったわけではない。
「何もないよ...?」
...強いて言うなら、少し目眩がするだけだ。
この程度のことならいつもあった。
誰に言っても意味がないから言うのをやめた。
ただそれだけなのだ。
「それより、ほら。授業はじまっちゃうよ」
「あ、本当だ!それじゃあ弥生、また後で」
「うん。...また後で」
私は葉月とは別の教室へと向かう。
「はい、それでは発達と保育、はじめていこうと思います。全員揃ってるかな?」
発達と保育...はじめは何をする授業か分からなかったけれど、どうやら科目名どおりらしい。
子どもの発達と保育...子どもがどうやって成長していくのか。
どんなおもちゃを使うのか。
どんなおやつを作れば食べられるのか。
...今日はおもちゃの実習だった。
「それでは、折り紙で二作品以上作ってください。それが終わったら今日はレポートとか他の教科のでもしてていいからね」
他の人たちは大喜びだった。
それはそうだ。
一日に何教科もやっている人たちからすると、今の発言は神に近い。
「...」
私はただ一心不乱に折った。
『何それ、だっさ!』
『今時あんなもんやるとかジジイかよ!』
過去の言葉を振り払いながら、ひたすら作りたいものを折る。
(どうしようかな...)
箱、風船、蛙、独楽...それらを画用紙に貼りつけながら、説明書きをくわえていく。
そのときあるものを思いつく。
(クリスマス、か)
リースなら折ることができる。
だから...残り時間を見ながら、それを折っていくことにした。
時間をかければ丁寧さが出る。
けれど、今回は急ぎで折るしかなさそうだ。
「ええ、すごい...!」
「...!」
先生が後ろまできていることに全く気づいていなかった。
それだけ集中していたのか、それとも...。
はじめは他の人のことだろうと思っていた。
けれど、先生は見ていたのだ。
...生徒たちがどんなものを折るのかを。
「え、やばっ」
「あれってどうやって折ってるんだろう...」
周りからはそんな声が聞こえる。
折り紙を折っても誰からも馬鹿にされない...そんな不思議な時間を過ごした。
「ね、さっきのすごかったね!」
先輩のそんな一言に、私はただ頭をさげた。
いい人たちだなと思いながら、ふらつく足で教室を目指す。
...嫌な体育も、さっきのことを思い出しながらならなんとか乗り越えられそうだと思った。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。