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本篇・1年目後期
お泊まり会に願いを。葉月side
「いいお湯でした」
「普通のお風呂なんだけどね...」
弥生はそう言うけれど、ちゃんと沸かしてくれていたことそれ自体が私にとっては嬉しかった。
(自分以外の人がお風呂を沸かしてくれたことなんてほとんどなかったし...)
ぼうっとしていると、弥生に見つめられていることに気づく。
「どうかした?」
「いや、寝巻きが可愛いなって思って...」
「え!?そうかな...?」
「私はそう思うよ」
それじゃあ、と言ってから弥生は浴室の方へ向かっていく。
テーブルを見ると、『なんでも、好きなように使ってくれていいから』と書かれた付箋が貼られていた。
(...片づけは完璧だし、レポートを終わらせておこうかな)
黙々と書いていると、いつの間にか弥生が出てきていた。
「真面目だね」
「弥生の部屋着、かっこいい!」
「そう?...あ、そこ間違ってるよ」
「嘘!?」
その後、弥生は丁寧に解説してくれた。
私が分からないところがあるといつもそうだ。
分かるまで、説明の仕方を少しずつ変えながら教えてくれる...。
「さて、勉強はここまで。一気にやっても頭が混乱するだけだから」
「いつもありがとう」
「葉月、私ね...一つだけやってみたいことがあるんだ」
弥生の後をついていくと、突然枕が飛んできた。
「枕投げしよう」
「もう...えいっ」
しばらく二人で投げあって、気づけば私は眠ってしまっていたようだった。
「ん...?弥生?」
側には誰もいなくて、途端に寂しくなる。
歩き回っていると、ベランダに一つの影を見つける。
「弥生」
「葉月...起きたんだね」
「ごめんなさい!いつの間にか寝ちゃってて...」
「ううん。気にしないで」
弥生は少しだけ寂しそうに景色を見つめている。
「...私、枕投げをしたことなかったんだ。だから、今日はつきあってくれて本当にありがとう」
「私もしたことなかったから、すごく楽しかった!」
「それならよかった」
二人並んで星を見つめる。
いつも木の下から見ているものと変わらないはずなのに、いつもよりも輝いているような気がした。
「弥生」
「ん?」
「また泊まりにきてもいい...?」
「葉月がいいなら、いつでもきて」
微笑みかけながら、私の肩をそっとたたく。
楽しいことをしたいと小さく呟いたのを聞いて、次は私の家に招待しようとこっそり決意した。
「...そろそろ布団に戻ろうか」
「うん!」
それから眠るまで二人でお喋りして、あっという間に朝がきて...また今夜と約束をして。
その一瞬一瞬がかけがえのない思い出になったのだった。
「普通のお風呂なんだけどね...」
弥生はそう言うけれど、ちゃんと沸かしてくれていたことそれ自体が私にとっては嬉しかった。
(自分以外の人がお風呂を沸かしてくれたことなんてほとんどなかったし...)
ぼうっとしていると、弥生に見つめられていることに気づく。
「どうかした?」
「いや、寝巻きが可愛いなって思って...」
「え!?そうかな...?」
「私はそう思うよ」
それじゃあ、と言ってから弥生は浴室の方へ向かっていく。
テーブルを見ると、『なんでも、好きなように使ってくれていいから』と書かれた付箋が貼られていた。
(...片づけは完璧だし、レポートを終わらせておこうかな)
黙々と書いていると、いつの間にか弥生が出てきていた。
「真面目だね」
「弥生の部屋着、かっこいい!」
「そう?...あ、そこ間違ってるよ」
「嘘!?」
その後、弥生は丁寧に解説してくれた。
私が分からないところがあるといつもそうだ。
分かるまで、説明の仕方を少しずつ変えながら教えてくれる...。
「さて、勉強はここまで。一気にやっても頭が混乱するだけだから」
「いつもありがとう」
「葉月、私ね...一つだけやってみたいことがあるんだ」
弥生の後をついていくと、突然枕が飛んできた。
「枕投げしよう」
「もう...えいっ」
しばらく二人で投げあって、気づけば私は眠ってしまっていたようだった。
「ん...?弥生?」
側には誰もいなくて、途端に寂しくなる。
歩き回っていると、ベランダに一つの影を見つける。
「弥生」
「葉月...起きたんだね」
「ごめんなさい!いつの間にか寝ちゃってて...」
「ううん。気にしないで」
弥生は少しだけ寂しそうに景色を見つめている。
「...私、枕投げをしたことなかったんだ。だから、今日はつきあってくれて本当にありがとう」
「私もしたことなかったから、すごく楽しかった!」
「それならよかった」
二人並んで星を見つめる。
いつも木の下から見ているものと変わらないはずなのに、いつもよりも輝いているような気がした。
「弥生」
「ん?」
「また泊まりにきてもいい...?」
「葉月がいいなら、いつでもきて」
微笑みかけながら、私の肩をそっとたたく。
楽しいことをしたいと小さく呟いたのを聞いて、次は私の家に招待しようとこっそり決意した。
「...そろそろ布団に戻ろうか」
「うん!」
それから眠るまで二人でお喋りして、あっという間に朝がきて...また今夜と約束をして。
その一瞬一瞬がかけがえのない思い出になったのだった。
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