満天の星空に願いを。

黒蝶

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本篇・1年目後期

テストに願いを。第1週葉月side

そんなこんなしているうちに、いよいよ迎えたテスト当日。
「なんだか緊張してきた...」
「大丈夫。やれることはやったんだし、きっと大丈夫だよ」
あれから何度か弥生に会って、数学や英語を教えてもらって...。
何度か付け焼き刃ができあがった。
(そうだよね、あれだけ教えてもらったんだし...頑張ろう)
「いってらっしゃい」
「うん、行ってきます!」
数学の教室へ向かうと、そこにはあまり見たことがない人もいた。
(そっか、テストは原則日曜日にしか受けられないから...)
インフルエンザ等の病欠の場合は診断書と欠席届が、病欠以外の場合は先週までに欠席届が必要だったはずで...。
つまりここには、水曜日に授業にきている人たちも勢揃いしているということだ。
(はじめから予備日にきてる人って、結構いるんだ...)
周りの人たちは、先生問題簡単にして、と訴えている。
「大丈夫、そこまで難しくないはず。...授業にほぼ全出席してたならね」
なんだか少しだけ怖い。
「はい、それじゃあ私語はやめて。机の周りは何もないようにしてください...そろそろはじめますよ」
ついにきた。きてしまった。
心臓が脈打つ音が聞こえる。
(やるしかない...!)
私はシャーペンを手にとった。
「それでは、はじめてください」
『まずは問題をとおしで見て、解けそうだと思った場所からやる。数学の場合はだいたい最初の方が解きやすいとは思うけど、葉月の得意分野なら真ん中の方にあるかも』
弥生の予想は的中していた。
(取り敢えず一問目からだ...)
着実に仕上げていくなか、こんなことは久しぶりだなんて考えてしまう。
小学生の頃、同じ教室でテストを受けていたのは低学年の頃だけだった。
中学生になると、最後の方は学校そのものにさえ行けていなかった。
『葉月なら大丈夫』
ひたすらシャーペンを走らせる。
そして、なんとか全問埋めることができた。
(弥生、おじいちゃん...できたよ)
同じ事を言っていた二人に、そっと心で伝える。
「お疲れ様」
「弥生、私...できたよ」
「そっか...よかった。二時間目もその調子でやっていこう」
「うん!」
弥生の目は安心したような色をしていて、沢山心配をさせてしまったのだと気づく。
「弥生」
「...?」
「ありがとう。私のこと沢山考えてくれて、」
そのとき、弥生に手を差し出された。
「私はできることをしただけだから。...ハイタッチしよう」
「うん!」
二人で手を合わせて、別々の教室へ向かう。
この後の教科も頑張れそうだと思った。
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