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本篇・春休み
ひたすら願いを。葉月side
「弥生、ごめん。先にお風呂まで入らせてもらっちゃって...」
「気にしないで。困ったときはお互い様、でしょ?」
弥生は大人っぽい笑みを浮かべて、望遠鏡を準備していた。
「これでよし。...嫌じゃなければこれ見てて」
「...ありがとう」
髪を乾かしてじっと望遠鏡の先を見つめていると、ちか、と一瞬だけ光ったものがあった。
「流れ星...?」
流星群でもないはずなのに、何度も何度も往き来している。
(お願い、あの人たちから解放されたい...!)
もう自由になりたい、弥生に迷惑をかけたくない、そんな願いをひたすら心に描き続ける。
「葉月、そんなに強く手を握りしめたら血が...」
「え?...っ、痛...」
気づいたときには爪が食いこんでいて、少しだけ驚いてしまった。
「絆創膏ならたしかここにあったはずなんだけど...ちょっと待ってて」
すると、弥生は沢山のサイズの絆創膏を持ってきてくれた。
「これかこれかこれだと思うけど...」
そんな弥生の姿に、少しだけ笑ってしまった。
「葉月?もしかして痛いのを我慢してるとか...」
「そういうのじゃないよ。ただ、サイズがいっぱいあるなって思っただけ」
「...よく怪我をするから、つい沢山持っちゃうんだ」
間を少し置いて、私は思ったとおりのことを話す。
「ちょっと意外かも」
「怪我しなさそうって?」
頷いてみせると、弥生は少し切なそうな瞳で呟いた。
「そんなことないよ」
「しっかり者のイメージが強いよ?」
「結構ドジだよ。はい、手当て終わり」
「ありがとう!」
私は一度お部屋に戻る。
(やっぱり弥生は優しいな...)
心が温かくなって、すごくぽかぽかする。
人の気持ちを汲み取れる弥生は、やっぱり私にとって憧れだ。
あそこに戻りたくない...それでも明日はやってきてしまう。
(ずっと今日のままでいいのにな)
薄暗い部屋で一人、絆創膏を片づけながら呟く姿がある。
「私はのろまだよ。...まあ、昔はそれ以外の理由でも怪我をしてたけどね」
ーー弥生のそんな呟きは、全く耳に届いていなかった。
「気にしないで。困ったときはお互い様、でしょ?」
弥生は大人っぽい笑みを浮かべて、望遠鏡を準備していた。
「これでよし。...嫌じゃなければこれ見てて」
「...ありがとう」
髪を乾かしてじっと望遠鏡の先を見つめていると、ちか、と一瞬だけ光ったものがあった。
「流れ星...?」
流星群でもないはずなのに、何度も何度も往き来している。
(お願い、あの人たちから解放されたい...!)
もう自由になりたい、弥生に迷惑をかけたくない、そんな願いをひたすら心に描き続ける。
「葉月、そんなに強く手を握りしめたら血が...」
「え?...っ、痛...」
気づいたときには爪が食いこんでいて、少しだけ驚いてしまった。
「絆創膏ならたしかここにあったはずなんだけど...ちょっと待ってて」
すると、弥生は沢山のサイズの絆創膏を持ってきてくれた。
「これかこれかこれだと思うけど...」
そんな弥生の姿に、少しだけ笑ってしまった。
「葉月?もしかして痛いのを我慢してるとか...」
「そういうのじゃないよ。ただ、サイズがいっぱいあるなって思っただけ」
「...よく怪我をするから、つい沢山持っちゃうんだ」
間を少し置いて、私は思ったとおりのことを話す。
「ちょっと意外かも」
「怪我しなさそうって?」
頷いてみせると、弥生は少し切なそうな瞳で呟いた。
「そんなことないよ」
「しっかり者のイメージが強いよ?」
「結構ドジだよ。はい、手当て終わり」
「ありがとう!」
私は一度お部屋に戻る。
(やっぱり弥生は優しいな...)
心が温かくなって、すごくぽかぽかする。
人の気持ちを汲み取れる弥生は、やっぱり私にとって憧れだ。
あそこに戻りたくない...それでも明日はやってきてしまう。
(ずっと今日のままでいいのにな)
薄暗い部屋で一人、絆創膏を片づけながら呟く姿がある。
「私はのろまだよ。...まあ、昔はそれ以外の理由でも怪我をしてたけどね」
ーー弥生のそんな呟きは、全く耳に届いていなかった。
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