89 / 150
本篇・1年目前期
授業に願いを。葉月side
しおりを挟む
「弥生、やっぱり教科書少ないね」
「体育と情報処理だけだから...」
どれだけ弥生が頑張ってきたのか、それだけで分かる。
「半分持つよ」
「ありがとう」
軽々と持ちあげてしまう弥生に感激しながら、私がやらなければならないことって沢山あるんだなと痛感した。
(先生、優しい人だといいな...)
「はい、それじゃあ席について。ホームルームをはじめましょう」
全然怖くなくて、少し安心する。
入学式が終わった後に対面式があって、その次からは授業だ。
「教室で自由にしててください」
こういうとき、個性が出ると思う。
楽しそうに話している人、本を読んでいる人、レポートを終わらせている人...。
弥生も私も、レポート終わらせるのに必死だった。
(弥生、早いな...)
もう両方終わらせたのか、弥生は何か書きはじめた。
恐らくだけど、小説だ。
『できあがったら読んでほしい』、その言葉に嘘はない。
「葉月、よかったらまた読んでほしい」
「勿論だよ!」
取り敢えず、今日必要な分は書き終わった。
二人で少し話していると、対面式をすると声をかけられた。
(早く行かないと)
全部で三十人ほどだろうか、『新入生』はそこにいた。
それからすぐ終わって、きっともうほとんど関わりがないんだろうなと思いつつ、授業へ向かう。
「葉月、また体育で」
「うん!」
ここから先は、私一人で授業を受けなければならない。
今回は体育も二つとっているので、そのうちの一つは一人...。
(なんとかなる、よね?)
自分にそう言い聞かせて、授業がある教室へ向かう。
「...一番後ろだ」
席順表を見て、少しだけ安心した。
今回の履修科目は、前期にしかないものが多い。
そのことに気づいたとき、はっとした。
(それじゃあ、さっきの一年生がほとんど同じものをとってるってことなんじゃ...)
予想は的中してしまった。
がやがやとなる教室。
見たことない顔ばかりの教室。
(駄目だ、足がすくむ)
それでも奮い立たせて、なんとか授業を受けきった。
午後からは弥生も一緒の体育と情報処理、それだけを楽しみにしていようと思う。
「困ったことがあったらいつでも言って。担任じゃなくなったからと言って、全く知りませんなんてことには絶対ならないから」
入学したときのクラスの担任の先生がそう言ってくれて、そのことに少しだけほっとした。
(早く弥生に会いたいな...)
「体育と情報処理だけだから...」
どれだけ弥生が頑張ってきたのか、それだけで分かる。
「半分持つよ」
「ありがとう」
軽々と持ちあげてしまう弥生に感激しながら、私がやらなければならないことって沢山あるんだなと痛感した。
(先生、優しい人だといいな...)
「はい、それじゃあ席について。ホームルームをはじめましょう」
全然怖くなくて、少し安心する。
入学式が終わった後に対面式があって、その次からは授業だ。
「教室で自由にしててください」
こういうとき、個性が出ると思う。
楽しそうに話している人、本を読んでいる人、レポートを終わらせている人...。
弥生も私も、レポート終わらせるのに必死だった。
(弥生、早いな...)
もう両方終わらせたのか、弥生は何か書きはじめた。
恐らくだけど、小説だ。
『できあがったら読んでほしい』、その言葉に嘘はない。
「葉月、よかったらまた読んでほしい」
「勿論だよ!」
取り敢えず、今日必要な分は書き終わった。
二人で少し話していると、対面式をすると声をかけられた。
(早く行かないと)
全部で三十人ほどだろうか、『新入生』はそこにいた。
それからすぐ終わって、きっともうほとんど関わりがないんだろうなと思いつつ、授業へ向かう。
「葉月、また体育で」
「うん!」
ここから先は、私一人で授業を受けなければならない。
今回は体育も二つとっているので、そのうちの一つは一人...。
(なんとかなる、よね?)
自分にそう言い聞かせて、授業がある教室へ向かう。
「...一番後ろだ」
席順表を見て、少しだけ安心した。
今回の履修科目は、前期にしかないものが多い。
そのことに気づいたとき、はっとした。
(それじゃあ、さっきの一年生がほとんど同じものをとってるってことなんじゃ...)
予想は的中してしまった。
がやがやとなる教室。
見たことない顔ばかりの教室。
(駄目だ、足がすくむ)
それでも奮い立たせて、なんとか授業を受けきった。
午後からは弥生も一緒の体育と情報処理、それだけを楽しみにしていようと思う。
「困ったことがあったらいつでも言って。担任じゃなくなったからと言って、全く知りませんなんてことには絶対ならないから」
入学したときのクラスの担任の先生がそう言ってくれて、そのことに少しだけほっとした。
(早く弥生に会いたいな...)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
マグカップ
高本 顕杜
大衆娯楽
マグカップが割れた――それは、亡くなった妻からのプレゼントだった 。
龍造は、マグカップを床に落として割ってしまった。そのマグカップは、病気で亡くなった妻の倫子が、いつかのプレゼントでくれた物だった。しかし、伸ばされた手は破片に触れることなく止まった。
――いや、もういいか……捨てよう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる