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本篇・1年目前期
大木に願いを。葉月side
「なんだか疲れた...」
「そうだね」
体育も終わり、帰り支度をしていたところにある人物が現れる。
「何か困ったことがあったら言ってね」
「...ありがとうございます」
弥生が警戒しながら答えたのは、今年の担任の先生だった。
「さようなら」
一応、ちゃんと挨拶をしてから教室を後にする。
ただ、弥生のことが気にかかっていた。
...そして夜。
「今日は葉月の方が早かったんだね」
「弥生...!」
いつもだと弥生の方が早くきているのに、やっぱり少し様子がおかしいような気がした。
「...弥生」
「どうしたの?」
「あのね、その...」
私が言葉を絞り出すのを待ってくれている。
そう思うと、なんとか形にしたくなって一息に告げた。
「あの先生、苦手なの...?」
「苦手というか、変な感じがする」
弥生は少しだけ戸惑った様子で教えてくれた。
「変って?」
「...教室にはりついていたわりに、生徒から声をかけられてない」
確かに言われてみればそうだった。
昨年度の場合だと、先生が部活か何かを持っていたこともあって、朝のホームルームの後すぐ他の生徒が側にいっていた。
(だけどそれって、新任の先生だからなんじゃ...)
「勿論、なれない先生だからというのもあるとは思う。だけど、どうして私と葉月にだけ絞って話しかけてきたのかなって...生徒と仲良くなりたいなら、その場にいたみんなに声をかければいいのに」
言われてみれば、確かに変なところだらけだ。
なんだか少し怖くなっていると、そっと手を握られる。
「ごめん、一度考えたらどんどん怪しく見えてきて...私の悪い癖だね」
「そんなことないよ、すごくためになったし...。他にはどんなことを考えていたの?」
もっともっと弥生の話が聞きたくて、前のめりになってしまう。
「そうだな...多分、臨機応変に対応できないタイプ。マニュアルにあることなら対処できるけど、そうじゃない場合だと動くことすらできない」
どうして弥生がそう思ったのかは分からない。
けれど、弥生を信じたいと思った。
「相談なら、前の担任の先生を頼るのがいいと思う」
「そうだね...」
私も、よく分からない先生と話すのは不安だ。
(これから上手くやっていけるかな...)
ますます不安になってしまいそうになるけれど、心を奮い立たせる。
「何かあったら、葉月は私が護る」
「それじゃあ、私は弥生を護る!」
二人でただ笑いあう。
こんな穏やかな時間が続くようにと、ただ大木に祈ることしかできなかった。
「そうだね」
体育も終わり、帰り支度をしていたところにある人物が現れる。
「何か困ったことがあったら言ってね」
「...ありがとうございます」
弥生が警戒しながら答えたのは、今年の担任の先生だった。
「さようなら」
一応、ちゃんと挨拶をしてから教室を後にする。
ただ、弥生のことが気にかかっていた。
...そして夜。
「今日は葉月の方が早かったんだね」
「弥生...!」
いつもだと弥生の方が早くきているのに、やっぱり少し様子がおかしいような気がした。
「...弥生」
「どうしたの?」
「あのね、その...」
私が言葉を絞り出すのを待ってくれている。
そう思うと、なんとか形にしたくなって一息に告げた。
「あの先生、苦手なの...?」
「苦手というか、変な感じがする」
弥生は少しだけ戸惑った様子で教えてくれた。
「変って?」
「...教室にはりついていたわりに、生徒から声をかけられてない」
確かに言われてみればそうだった。
昨年度の場合だと、先生が部活か何かを持っていたこともあって、朝のホームルームの後すぐ他の生徒が側にいっていた。
(だけどそれって、新任の先生だからなんじゃ...)
「勿論、なれない先生だからというのもあるとは思う。だけど、どうして私と葉月にだけ絞って話しかけてきたのかなって...生徒と仲良くなりたいなら、その場にいたみんなに声をかければいいのに」
言われてみれば、確かに変なところだらけだ。
なんだか少し怖くなっていると、そっと手を握られる。
「ごめん、一度考えたらどんどん怪しく見えてきて...私の悪い癖だね」
「そんなことないよ、すごくためになったし...。他にはどんなことを考えていたの?」
もっともっと弥生の話が聞きたくて、前のめりになってしまう。
「そうだな...多分、臨機応変に対応できないタイプ。マニュアルにあることなら対処できるけど、そうじゃない場合だと動くことすらできない」
どうして弥生がそう思ったのかは分からない。
けれど、弥生を信じたいと思った。
「相談なら、前の担任の先生を頼るのがいいと思う」
「そうだね...」
私も、よく分からない先生と話すのは不安だ。
(これから上手くやっていけるかな...)
ますます不安になってしまいそうになるけれど、心を奮い立たせる。
「何かあったら、葉月は私が護る」
「それじゃあ、私は弥生を護る!」
二人でただ笑いあう。
こんな穏やかな時間が続くようにと、ただ大木に祈ることしかできなかった。
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