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本篇・1年目前期
久しぶりのまともな大人、今回はまだ間に合うかもしれない。
記録
『結局、今日も学校を休んでしまった。
ちゃんと行かないと単位がとれなくなるのに、私は何をやってるんだろう。
だけど、どうしても行きたくないの。
学校に行かなくなってから、弥生への返信もしなくなった。
...あの場所にも行かなくなった。
弥生、どうしてるかな...』
「...失礼します」
職員室に入ってみると、そこには三人の教員がいた。
一人は、元・担任。
一人は、教頭先生。
一人は、生活指導の先生。
「すみません、着替えるのに手間取ってしまって...」
「いや、別に気にせんでいいよ。ちょっと場所変えようか」
そう言ってくれたのは、教頭先生だ。
運動するのにふさわしい服装と見学用紙、これがあれば見学しても減点されることはない。
移動先は、職員室の隣の教室。
「それで、用事ってもしかして...」
私から話を切り出す。
...ただのお喋りではないことくらい分かっている。
それならわざわざ、こんなふうに呼び出す必要もない。
それに...昼間部の担当だってあってやることが沢山あるのに、雑談なんてできる時間はないはずだ。
「実は、葉月さんのことなんだけど...」
元・担任がそこで口ごもる。
私の出方を待っているような、嫌な感じではない。
(...私を気遣ってくれてる?)
「最近連絡とったりしてる?」
そう質問してきた生活指導の先生の目は、真っ直ぐだった。
わざわざ場所まで両方にとってフェアと言える、他の生徒も教員もいない教室に移動までしている。
真面目になんとかしようとしている、そう直感した。
(仕草に警戒も嘘もない...)
今回は、正直に話しても大丈夫そうだ。
「...返信がこないんです。学校にこなくなってから、ずっと...。休むという連絡を最後に、音信不通で...」
「そうか...。学校について何か言ってなかったか?先生に何か言われたとか、他の生徒と何かあったとか」
この質問がくるということは、この先生たちはあの初老教師について少し疑問視している部分があるのかもしれない。
(教員同士は基本的に味方なのに、教員の不手際の可能性も視野に入れてる...)
周りに、こんなにもまともな大人が揃っているとは思っていなかった。
「...馴染めない授業があって、不安だと言っていました。あとは、その...」
「今の担任?」
その言葉に、ただただ頷いた。
「話してくれてありがとう。ごめんな、時間とらせて」
「いえ、大丈夫です」
一礼して、その場を後にする。
「そうか、やっぱりか...」
「これから対策せんとね」
「そうですね...」
後ろから聞こえてくる言葉に、少しだけほっとした。
『結局、今日も学校を休んでしまった。
ちゃんと行かないと単位がとれなくなるのに、私は何をやってるんだろう。
だけど、どうしても行きたくないの。
学校に行かなくなってから、弥生への返信もしなくなった。
...あの場所にも行かなくなった。
弥生、どうしてるかな...』
「...失礼します」
職員室に入ってみると、そこには三人の教員がいた。
一人は、元・担任。
一人は、教頭先生。
一人は、生活指導の先生。
「すみません、着替えるのに手間取ってしまって...」
「いや、別に気にせんでいいよ。ちょっと場所変えようか」
そう言ってくれたのは、教頭先生だ。
運動するのにふさわしい服装と見学用紙、これがあれば見学しても減点されることはない。
移動先は、職員室の隣の教室。
「それで、用事ってもしかして...」
私から話を切り出す。
...ただのお喋りではないことくらい分かっている。
それならわざわざ、こんなふうに呼び出す必要もない。
それに...昼間部の担当だってあってやることが沢山あるのに、雑談なんてできる時間はないはずだ。
「実は、葉月さんのことなんだけど...」
元・担任がそこで口ごもる。
私の出方を待っているような、嫌な感じではない。
(...私を気遣ってくれてる?)
「最近連絡とったりしてる?」
そう質問してきた生活指導の先生の目は、真っ直ぐだった。
わざわざ場所まで両方にとってフェアと言える、他の生徒も教員もいない教室に移動までしている。
真面目になんとかしようとしている、そう直感した。
(仕草に警戒も嘘もない...)
今回は、正直に話しても大丈夫そうだ。
「...返信がこないんです。学校にこなくなってから、ずっと...。休むという連絡を最後に、音信不通で...」
「そうか...。学校について何か言ってなかったか?先生に何か言われたとか、他の生徒と何かあったとか」
この質問がくるということは、この先生たちはあの初老教師について少し疑問視している部分があるのかもしれない。
(教員同士は基本的に味方なのに、教員の不手際の可能性も視野に入れてる...)
周りに、こんなにもまともな大人が揃っているとは思っていなかった。
「...馴染めない授業があって、不安だと言っていました。あとは、その...」
「今の担任?」
その言葉に、ただただ頷いた。
「話してくれてありがとう。ごめんな、時間とらせて」
「いえ、大丈夫です」
一礼して、その場を後にする。
「そうか、やっぱりか...」
「これから対策せんとね」
「そうですね...」
後ろから聞こえてくる言葉に、少しだけほっとした。
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