満天の星空に願いを。

黒蝶

文字の大きさ
130 / 150
本篇・2年目後期

久しぶりの予備日、なんだか緊張した。

「はい、それでは授業をはじめていきたいと思います」
水曜日、私は学校にきていた。
できるだけ単位を多くとるには、これしかない。
半分は不安だったけれど、残りの半分の楽しみさで乗り切ろうと思った。
...体育は見学したけれど。
他の教科は人数が少なかったけれど、特に情報処理がかなりいなかったのが印象的だった。
私を含めて三人の為だけの授業、普段は残りの二人の為に授業がおこなわれているのだろうか。
...ただ、今回の授業で弥生の『はじめは二十人くらいいたけどだんだん減ってきた』の意味を更に理解したような気がする。
「こうでこうなので、このように...」
(ならないな...どうしよう)
いつもなら弥生が教えてくれるところを、今日は全部自分だけでやらなければならない。
頼れるのは教科書とレポート、それに弥生から教えてもらったことが書いてあるノートだけだ。
「ここを、こう...?」
クリックした場所が間違っていて、もう少しでデータを全て吹き飛ばしてしまうところだった。
(駄目だ、全然分からない...)
焦りばかりが大きくなって、どうすればいいのかますます分からなくなる。
「せ、先生...」
なんとか教えてもらいながらやってみるけれど、出来栄えはいつもよりずっと悪い。
「お?おはよう。水曜日なの珍しいね」
「日曜日こられなかったので...」
「そかそか、今日は人数少ないだろうし、ゴルフにしようか」
体育館ではそんな話をする。
...本当に『少ない』。
(いや、もうこれは少ないではなく全然いないなんじゃ...)
体育なのに、五人しかいない。
これでは試合があるものだとほぼ全出場しないといけなくなる。
(だからゴルフなんだ...)
個人で、しかも練習だけ。
確かにこれなら人数が少なくてもできる。
...そんなことがありながら授業を受けきった夜、私はいつもの場所にカツサンドを持っていった。
「弥生」
「葉月...!もう体調は大丈夫?」
ここ数日、用心の為に出掛けるのをやめていた。
もし予備日に体調を崩してはいけないからと、できるだけ外に出なかった。
「もう全然平気だよ。心配かけっぱなしでごめんね...」
「大丈夫ならそれでいい。本当によかった...今日の授業はどうだった?」
こうして弥生と話せるのはすごく楽しい。
...もっとこの時間が続けばいいのにと思いながら、弥生からもらったいちご大福を一口ほおばったのだった。
「今日はね、全体的に人数が本当に少なくて...」
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

レオナルド先生創世記

山本一義
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!