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断暮篇(たちぐらしへん)
日々の恐怖
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僕は人間に危害をくわえるつもりなんてない。
それでも、どうしても学生時代のことが頭を過ってしまう。
「どうしてそんなに我慢してたの...?」
「クレールがなかなか手に入らないのに、ラッシュさんにもらうわけにはいかない。
でももし、七海のことを強く咬んでしまったらどうなるか...」
それを想像しただけで体が震える。
僕には何か力が秘められていて、多分それが暴走しないかを確認する為に母やラッシュさんから定期的に連絡がくるのだろう。
「こんなことを言うのは変かもしれないけど、私は木葉になら咬まれてもいい...」
「お願い、そんなこと言わないで」
今の僕はどんな表情をしているだろう。
怒りか不安か、それとも悲しみか...心がどんどんぐちゃぐちゃになっていくのを感じる。
七海に肩を弱々しく押されて顔をあげると、そこには今にも泣き出しそうな姿があった。
「...過去の話を聞いたから、きっと怖いって思っているんだろうなって想像することはできる。
でも、ちゃんと話してくれないと分からないよ」
弱い部分はできるだけ見せないようにと、いつからか心がけていた。
僕は一体何をやっているのだろう。
それで七海にこんな表情をさせてしまっては意味がない。
僕はずっと、彼女に笑顔でいてほしいのに...それを奪うことになるとは思わなかった。
「...僕は」
震える声でなんとか目の前の恋人に伝える。
「僕は、自分の特異性が怖い。いつか理性か吹き飛んで、七海のことを壊しちゃったら...もしもあのときみたいに力が暴走したらって不安なんだ」
七海はただ黙って話を聞いてくれた。
そんなのくだらないと笑い飛ばされてもおかしくないのに彼女はそうしない。
話し終わった瞬間、勢いよく抱きしめられる。
あまりに突然のことをバランスを崩し、彼女の体を支える形で後ろに倒れこんだ。
「ごめんね。...なんだか抱きしめたくなっちゃった」
あまりに綺麗な笑顔でそんなことを言われるものだから、見とれてしまって動くことさえできない。
「私は、人の不安をなんとなく感じることはできる。木葉がどんなことを考えているのか、もっと早く聞くべきだった」
「それは違うよ。僕が臆病で、何も話さなかったから...」
「私が気にしないように、話さないでいてくれたんでしょ?」
...本当に七海にはなんでもお見通しのようだ。
しばらくそのままの体勢で静寂が続く。
絶え間なく襲いくる感覚を押しこめていると、七海はシャツのボタンをふたつ外した。
「お願い、我慢しないで。木葉がひとりで苦しんでいるのを見る方が嫌」
それでも、どうしても学生時代のことが頭を過ってしまう。
「どうしてそんなに我慢してたの...?」
「クレールがなかなか手に入らないのに、ラッシュさんにもらうわけにはいかない。
でももし、七海のことを強く咬んでしまったらどうなるか...」
それを想像しただけで体が震える。
僕には何か力が秘められていて、多分それが暴走しないかを確認する為に母やラッシュさんから定期的に連絡がくるのだろう。
「こんなことを言うのは変かもしれないけど、私は木葉になら咬まれてもいい...」
「お願い、そんなこと言わないで」
今の僕はどんな表情をしているだろう。
怒りか不安か、それとも悲しみか...心がどんどんぐちゃぐちゃになっていくのを感じる。
七海に肩を弱々しく押されて顔をあげると、そこには今にも泣き出しそうな姿があった。
「...過去の話を聞いたから、きっと怖いって思っているんだろうなって想像することはできる。
でも、ちゃんと話してくれないと分からないよ」
弱い部分はできるだけ見せないようにと、いつからか心がけていた。
僕は一体何をやっているのだろう。
それで七海にこんな表情をさせてしまっては意味がない。
僕はずっと、彼女に笑顔でいてほしいのに...それを奪うことになるとは思わなかった。
「...僕は」
震える声でなんとか目の前の恋人に伝える。
「僕は、自分の特異性が怖い。いつか理性か吹き飛んで、七海のことを壊しちゃったら...もしもあのときみたいに力が暴走したらって不安なんだ」
七海はただ黙って話を聞いてくれた。
そんなのくだらないと笑い飛ばされてもおかしくないのに彼女はそうしない。
話し終わった瞬間、勢いよく抱きしめられる。
あまりに突然のことをバランスを崩し、彼女の体を支える形で後ろに倒れこんだ。
「ごめんね。...なんだか抱きしめたくなっちゃった」
あまりに綺麗な笑顔でそんなことを言われるものだから、見とれてしまって動くことさえできない。
「私は、人の不安をなんとなく感じることはできる。木葉がどんなことを考えているのか、もっと早く聞くべきだった」
「それは違うよ。僕が臆病で、何も話さなかったから...」
「私が気にしないように、話さないでいてくれたんでしょ?」
...本当に七海にはなんでもお見通しのようだ。
しばらくそのままの体勢で静寂が続く。
絶え間なく襲いくる感覚を押しこめていると、七海はシャツのボタンをふたつ外した。
「お願い、我慢しないで。木葉がひとりで苦しんでいるのを見る方が嫌」
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