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約束のスピカ
エピローグ
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「……先生?」
「起きたか」
先生が心配そうな顔で僕をじっと見ているけど、今の状況に頭がついていけてない。
「おまえは今流行ってる噂の根源を調べてる途中で倒れたんだ」
「そうなの?」
体が重い。起きあがろうとしたら先生に止められた。
「もう少し寝てろ」
「……うん」
頭を撫でてくれる手は優しくて温かい。
微睡んだ意識はそのまま沈んでいった。
──あれから数年。あんまりおかげさんに会えなくなって寂しく思っていたところに、視える人間が現れて声をかけてくれた。
その人たちがきっかけで、先生とも再会してちゃんと話ができたんだ。
実は先生は人間じゃなくて人間の世界に溶けこんでいるだけの妖であること、だいぶ前にある人から引き継いだ未来予知日記を守り続けているから体の半分が怪異状態であること。
会ってなかった間の話を少しして、今ではいつも側にいる。
「ねえ、先生」
「どうした?」
「…手、繋いでてほしい」
思っていることを伝えるのはやっぱり難しいけど、できるだけ口に出して話すようにはしている。
困らせたらどうしよう…そう思っていたら優しく手を握られた。
「怪我してないか?」
「うん。どこも痛くないよ」
本当は腕がぴりぴりするけど黙っておこうと思った。
先生に迷惑をかけたくなくて、気づかれないように気をつけていた…のに。
「それじゃあ、この右腕はどう説明するんだ?」
「あ、い……!」
「やっぱり痛むんだろ。そのまま大人しくしとけ」
僕の手にはいつの間にか包帯が綺麗に巻かれていて、少し笑ってしまった。
先生は首を傾げたまま救急箱にガーゼを仕舞っている。
「ちょっとだけ、昔のことを思い出したんだ。いつもすごい速さで包帯が巻かれてたなって…」
「そんなこともあったな」
「僕、やっぱり先生がいてくれてよかったって思うんだ。今楽しいのも、色々なことを知れるのも、先生のおかげだよ」
「…そうか」
熱があってぼんやりするなか、先生の手を握って笑顔を作った。
「先生、ありがとう。…大好き」
「……!」
やっぱり先生は、僕にとっての一等星だよ。
ふにゃふにゃな笑顔でそんなことを言われてしまっては、何も言葉を返せない。
こんなに嬉しいと感じる日がくるとは思っていなかった。
消えてしまったと思っていた。
救えなかったと後悔した。
…今度はちゃんと向き合って、心が壊れてしまわないように護ってみせる。
「礼を言うのは俺の方なんだ、瞬」
いつからか呼ぶのが当たり前になっていた名前を口に出し、そのまま眠ってしまった瞬の頭を撫でる。
「俺の側にいてくれてありがとう」
本人に直接伝える勇気はないが、長い間生きてきて感じた孤独が少しずつ吹き飛んでいる。
それは間違いなく目の前のベッドで穏やかな寝息をたてている人物のおかげだ。
他の生徒とも関わりながら、これからも望んでくれる限り一緒にいよう。
俺にとって、たったひとりのスピカだ。
「起きたか」
先生が心配そうな顔で僕をじっと見ているけど、今の状況に頭がついていけてない。
「おまえは今流行ってる噂の根源を調べてる途中で倒れたんだ」
「そうなの?」
体が重い。起きあがろうとしたら先生に止められた。
「もう少し寝てろ」
「……うん」
頭を撫でてくれる手は優しくて温かい。
微睡んだ意識はそのまま沈んでいった。
──あれから数年。あんまりおかげさんに会えなくなって寂しく思っていたところに、視える人間が現れて声をかけてくれた。
その人たちがきっかけで、先生とも再会してちゃんと話ができたんだ。
実は先生は人間じゃなくて人間の世界に溶けこんでいるだけの妖であること、だいぶ前にある人から引き継いだ未来予知日記を守り続けているから体の半分が怪異状態であること。
会ってなかった間の話を少しして、今ではいつも側にいる。
「ねえ、先生」
「どうした?」
「…手、繋いでてほしい」
思っていることを伝えるのはやっぱり難しいけど、できるだけ口に出して話すようにはしている。
困らせたらどうしよう…そう思っていたら優しく手を握られた。
「怪我してないか?」
「うん。どこも痛くないよ」
本当は腕がぴりぴりするけど黙っておこうと思った。
先生に迷惑をかけたくなくて、気づかれないように気をつけていた…のに。
「それじゃあ、この右腕はどう説明するんだ?」
「あ、い……!」
「やっぱり痛むんだろ。そのまま大人しくしとけ」
僕の手にはいつの間にか包帯が綺麗に巻かれていて、少し笑ってしまった。
先生は首を傾げたまま救急箱にガーゼを仕舞っている。
「ちょっとだけ、昔のことを思い出したんだ。いつもすごい速さで包帯が巻かれてたなって…」
「そんなこともあったな」
「僕、やっぱり先生がいてくれてよかったって思うんだ。今楽しいのも、色々なことを知れるのも、先生のおかげだよ」
「…そうか」
熱があってぼんやりするなか、先生の手を握って笑顔を作った。
「先生、ありがとう。…大好き」
「……!」
やっぱり先生は、僕にとっての一等星だよ。
ふにゃふにゃな笑顔でそんなことを言われてしまっては、何も言葉を返せない。
こんなに嬉しいと感じる日がくるとは思っていなかった。
消えてしまったと思っていた。
救えなかったと後悔した。
…今度はちゃんと向き合って、心が壊れてしまわないように護ってみせる。
「礼を言うのは俺の方なんだ、瞬」
いつからか呼ぶのが当たり前になっていた名前を口に出し、そのまま眠ってしまった瞬の頭を撫でる。
「俺の側にいてくれてありがとう」
本人に直接伝える勇気はないが、長い間生きてきて感じた孤独が少しずつ吹き飛んでいる。
それは間違いなく目の前のベッドで穏やかな寝息をたてている人物のおかげだ。
他の生徒とも関わりながら、これからも望んでくれる限り一緒にいよう。
俺にとって、たったひとりのスピカだ。
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