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泣かないver.
入学式
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「久遠、本当についていかなくて大丈夫?」
「...うん。心配かけてごめんね、お母さん」
お母さんは私を女手ひとつで育ててくれた。
小さい頃にお父さんはある事件に巻きこまれて死んでしまったから...それから毎日働いてくれた。
「おはようございます」
「あら、大翔君。おはよう」
大翔とはお母さん公認の仲だ。
こっそり付き合っていたのが、ある拍子にバレてしまったから。
「それじゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい。大翔君、久遠のことをよろしくお願いします」
「勿論です。任せてください」
そうしてふたりで駅へと急ぐ。
電車で10分ほど、そこから徒歩5分圏内にある場所はすぐ分かった。
そうして学校にはきてみたけれど、だんだん頭が痛くなってくる。
「久遠?」
「ごめんなさい、大丈夫。大翔、これからどこに行ったらいいんだっけ...」
「こっちだよ。もし具合が悪くなったらすぐ言って」
「うん...」
多分このとき、大翔には見破られていた。
それでも黙っていてくれたのはどうしてだろう。
「おはようございます」
「...!お、おはようございます」
「これからよろしく」
「は、はい...」
先生と話すのでさえ緊張してしまう。
どうしても怖くなって身構えてしまうのだ。
『それでは、後期入学式を始めます』
なんだか頭痛が酷くなったような気がするけど、耐えるしかない。
『生徒会挨拶。生徒会長、小野大翔』
「...はい」
大翔が、生徒会長?...初めて知った。
どうして教えてくれなかったのだろう。
だんだん息苦しくなってきて、このままでは倒れるというところまできた。
「保健室行こうか」
「ご、ごめんなさい...」
先生が連れ出してくれて、そのおかげでなんとかなった。
保健室のベッドで反省していると、誰かが入ってくる音がした。
「大丈夫?」
「大翔...」
「無理せず寝てていいから」
「先生に言ってくれたの、大翔でしょ?...ありがとう」
「具合が悪くなったらすぐ言えって言ったのに...」
迷惑をかけたくなかったのに、結局迷惑になってしまった。
...何をどうすればよかったのだろう。
「今は何も考えなくていいから、取り敢えず寝た方がいい。
また今度、学校案内してあげるから」
「ごめん...」
目を閉じると、少しずつ意識が落ちていく。
大翔がいてくれるおかげで、いつもよりずっと熟睡できた。
「生徒会の仕事が終わるまで待ってもらってごめん」
「ううん、気にしないで」
ふたりで歩く帰り道はとにかく新鮮で、楽しくて仕方ない。
駅に着くと、大翔とは雰囲気が正反対の男性が待っていた。
「大翔、おか...あれ?邪魔だった?」
「なんでここにいるの、兄貴」
「え、お兄さん...?」
いつも元気っぽい大翔と大人の雰囲気を持ったその人は、確かに顔が似ていた。
「ごめんごめん。先に帰ってるから、きたかったらおいで。
...今日もマンションの方だから」
「分かった。悪い、後で連絡するから」
「...よかったの?」
「うん。...兄貴はすごいいい人だから」
大翔は目をきらきらさせながらそう告げる。
きっとそれが、憧れというものなのだろう。
「...うん。心配かけてごめんね、お母さん」
お母さんは私を女手ひとつで育ててくれた。
小さい頃にお父さんはある事件に巻きこまれて死んでしまったから...それから毎日働いてくれた。
「おはようございます」
「あら、大翔君。おはよう」
大翔とはお母さん公認の仲だ。
こっそり付き合っていたのが、ある拍子にバレてしまったから。
「それじゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい。大翔君、久遠のことをよろしくお願いします」
「勿論です。任せてください」
そうしてふたりで駅へと急ぐ。
電車で10分ほど、そこから徒歩5分圏内にある場所はすぐ分かった。
そうして学校にはきてみたけれど、だんだん頭が痛くなってくる。
「久遠?」
「ごめんなさい、大丈夫。大翔、これからどこに行ったらいいんだっけ...」
「こっちだよ。もし具合が悪くなったらすぐ言って」
「うん...」
多分このとき、大翔には見破られていた。
それでも黙っていてくれたのはどうしてだろう。
「おはようございます」
「...!お、おはようございます」
「これからよろしく」
「は、はい...」
先生と話すのでさえ緊張してしまう。
どうしても怖くなって身構えてしまうのだ。
『それでは、後期入学式を始めます』
なんだか頭痛が酷くなったような気がするけど、耐えるしかない。
『生徒会挨拶。生徒会長、小野大翔』
「...はい」
大翔が、生徒会長?...初めて知った。
どうして教えてくれなかったのだろう。
だんだん息苦しくなってきて、このままでは倒れるというところまできた。
「保健室行こうか」
「ご、ごめんなさい...」
先生が連れ出してくれて、そのおかげでなんとかなった。
保健室のベッドで反省していると、誰かが入ってくる音がした。
「大丈夫?」
「大翔...」
「無理せず寝てていいから」
「先生に言ってくれたの、大翔でしょ?...ありがとう」
「具合が悪くなったらすぐ言えって言ったのに...」
迷惑をかけたくなかったのに、結局迷惑になってしまった。
...何をどうすればよかったのだろう。
「今は何も考えなくていいから、取り敢えず寝た方がいい。
また今度、学校案内してあげるから」
「ごめん...」
目を閉じると、少しずつ意識が落ちていく。
大翔がいてくれるおかげで、いつもよりずっと熟睡できた。
「生徒会の仕事が終わるまで待ってもらってごめん」
「ううん、気にしないで」
ふたりで歩く帰り道はとにかく新鮮で、楽しくて仕方ない。
駅に着くと、大翔とは雰囲気が正反対の男性が待っていた。
「大翔、おか...あれ?邪魔だった?」
「なんでここにいるの、兄貴」
「え、お兄さん...?」
いつも元気っぽい大翔と大人の雰囲気を持ったその人は、確かに顔が似ていた。
「ごめんごめん。先に帰ってるから、きたかったらおいで。
...今日もマンションの方だから」
「分かった。悪い、後で連絡するから」
「...よかったの?」
「うん。...兄貴はすごいいい人だから」
大翔は目をきらきらさせながらそう告げる。
きっとそれが、憧れというものなのだろう。
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