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クロス×ストーリー(通常運転のイベントもの多め)
みんなの年越し-詩音side-
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夜、優翔から連絡が入る。
「テレビ電話...」
私は独り、いつもどおりに過ごしていた。
歌詞を考えて、つけられそうなものには曲をつけて...。
特別なことをするわけではない私は、ふたつ返事でやろうと返した。
けれど、久遠はどうだろう。
彼女はきっと一般的な家庭で、あの優しいお母さんと過ごしているはずだ。
それを邪魔してしまうのではないか...そう思う。
『詩音、返信早かったね。勢いでかけちゃったけど大丈夫だった?』
「何もしてなかったから...。優翔たちは何をしているの?」
『年越し蕎麦作り』
後ろから大翔君が呼ぶ声もして、ふたりの仲のよさが伝わってきた。
「いいなあ...」
『今何か言った?』
「ううん、何も言ってないよ」
兄弟の時間を邪魔してしまってもいいのかと考えていると、大翔君に遠慮なんか要らないと声をかけられる。
『俺たちはいつもこうやって過ごしてるから、別に邪魔とか思わないし...詩音さんの邪魔にならないならこのままでいい』
『そうだよ、遠慮なんかしないで』
「あ、ありがとう...」
その瞬間、メッセージが飛びこんでくる。
「...久遠、年のぎりぎりになったらかけてくるって」
『あいつには母親との時間が必要だろうからな』
「そうだね」
本当に独りなのは私だけ...。
慣れているはずなのに、何故か哀しくなってくる。
『...兄貴』
『どうかしたの?』
『買い忘れがあったからちょっと出てくる』
大翔君が気を遣ってくれたことはすぐに分かった。
けれど、私にできることなんて何もないのだ。...情けないことに。
「大翔君に悪いことしちゃった」
『あいつはそんなこと考えないと思うよ。でも、僕からも後で感謝を伝えておく』
「...うん」
『今まで踏みこんで訊かなかったけど...詩音って1人で暮らしてるの?』
「どうしてそれを...」
そこまで言ってはっとしたけれどもう遅い。
秘密にしておくつもりだったのに、どこでバレてしまったのだろう。
『いつも寂しそうにしてるから、もしかしたらって思ったんだ。
金銭的な面は遺族年金とかあるから、それで暮らしてるのかなって...』
「...そうだよ。だから、毎年年越しは独りだった。寂しいけど、誰かに話して困らせたくなかった」
涙で滲んで画面が見えなくなってくる。
「新しい人たちのことは全然知らないし、私はこの家を護りたい」
こんなことを話せば嫌われてしまう、そう思うのに言葉は止まってくれない。
「...嫌いになった?」
『そんなことない。今までちゃんと聞かなくてごめん。詳しい話はまた来年になっちゃうんだろうけど、来年も一緒に過ごそう。
それから...僕にもっと甘えて、困らせて。もっと欲張っていいんだよ』
「優翔...」
涙が零れて止まらない。
そんな様子を、優翔は何も言わずにただじっと見つめていた。
その温かさが今はとてもありがたい。
『大翔が帰ってくる前に言わせて。...愛してる』
「うん、私も...」
──愛してる、その一言でこんなにも幸せな気持ちになれるなんて思っていなかった。
いつまでもふたりで歩いていく為に、きちんと私の話をしよう。
1年の終わりが迫るなか、来年の目標が自然と決まったのだった。
「テレビ電話...」
私は独り、いつもどおりに過ごしていた。
歌詞を考えて、つけられそうなものには曲をつけて...。
特別なことをするわけではない私は、ふたつ返事でやろうと返した。
けれど、久遠はどうだろう。
彼女はきっと一般的な家庭で、あの優しいお母さんと過ごしているはずだ。
それを邪魔してしまうのではないか...そう思う。
『詩音、返信早かったね。勢いでかけちゃったけど大丈夫だった?』
「何もしてなかったから...。優翔たちは何をしているの?」
『年越し蕎麦作り』
後ろから大翔君が呼ぶ声もして、ふたりの仲のよさが伝わってきた。
「いいなあ...」
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「ううん、何も言ってないよ」
兄弟の時間を邪魔してしまってもいいのかと考えていると、大翔君に遠慮なんか要らないと声をかけられる。
『俺たちはいつもこうやって過ごしてるから、別に邪魔とか思わないし...詩音さんの邪魔にならないならこのままでいい』
『そうだよ、遠慮なんかしないで』
「あ、ありがとう...」
その瞬間、メッセージが飛びこんでくる。
「...久遠、年のぎりぎりになったらかけてくるって」
『あいつには母親との時間が必要だろうからな』
「そうだね」
本当に独りなのは私だけ...。
慣れているはずなのに、何故か哀しくなってくる。
『...兄貴』
『どうかしたの?』
『買い忘れがあったからちょっと出てくる』
大翔君が気を遣ってくれたことはすぐに分かった。
けれど、私にできることなんて何もないのだ。...情けないことに。
「大翔君に悪いことしちゃった」
『あいつはそんなこと考えないと思うよ。でも、僕からも後で感謝を伝えておく』
「...うん」
『今まで踏みこんで訊かなかったけど...詩音って1人で暮らしてるの?』
「どうしてそれを...」
そこまで言ってはっとしたけれどもう遅い。
秘密にしておくつもりだったのに、どこでバレてしまったのだろう。
『いつも寂しそうにしてるから、もしかしたらって思ったんだ。
金銭的な面は遺族年金とかあるから、それで暮らしてるのかなって...』
「...そうだよ。だから、毎年年越しは独りだった。寂しいけど、誰かに話して困らせたくなかった」
涙で滲んで画面が見えなくなってくる。
「新しい人たちのことは全然知らないし、私はこの家を護りたい」
こんなことを話せば嫌われてしまう、そう思うのに言葉は止まってくれない。
「...嫌いになった?」
『そんなことない。今までちゃんと聞かなくてごめん。詳しい話はまた来年になっちゃうんだろうけど、来年も一緒に過ごそう。
それから...僕にもっと甘えて、困らせて。もっと欲張っていいんだよ』
「優翔...」
涙が零れて止まらない。
そんな様子を、優翔は何も言わずにただじっと見つめていた。
その温かさが今はとてもありがたい。
『大翔が帰ってくる前に言わせて。...愛してる』
「うん、私も...」
──愛してる、その一言でこんなにも幸せな気持ちになれるなんて思っていなかった。
いつまでもふたりで歩いていく為に、きちんと私の話をしよう。
1年の終わりが迫るなか、来年の目標が自然と決まったのだった。
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