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6章
創られた力と努力した力
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天位術式第一層が展開され、どの様な姿へと変化するのでしょうと身構えておりますと。
球体を取り込んだエルノーラさんの見た目は予想に反して翼が無く、至って普通の女の子の様に見えます。翼が増えると共に神々しさが増していた第二層までと違い、第一層を扱うエルノーラさんの見た目は完全な人間です。
いつもならここで「翼がありませんー」とクリムさんが言いそうですけれど、無言です。もし今人の姿をしていらっしゃるならば、恐らくその表情は驚愕、または焦りや恐怖などになっているかもしれません。
クリムさんが押し黙る理由は一つしかありません。
「……凄まじい魔力ですね」
思わず呟いてしまいました。はっきりと申しますと、エルノーラさんの魔力は今の私を越えています。クリムさんが黙っているのは桁違いの魔力を放つようになったエルノーラさんの豹変ぶりに他ならないでしょう。
私は私で何とも言いようの無い気持ちになっています。もしかして、これが自分よりも高い魔力を持つ者を見た時の気持ちなのでしょうか? でしたら、これが強い相手を見た時に感じる恐怖と言う事になりますね。
生まれて初めて自分よりも魔力が高い方と戦う経験をしました。ミズファ母様も私と同等には魔力が高いのですが、母様の場合は安心感が勝ってしまって恐怖などは微塵も感じません。
「ミズキ」
第一層を扱う準備を整えた様子のエルノーラさんが、ゆっくりと私に向けて歩きながら語り掛けて来ました。私は直ぐには返事を返せず、黙ったままです。
「私って日々魔力が高くなっていく体質だったじゃない? 向こうの世界でもそれは変わらなくて、鍛錬を積んでたら面白い様に魔力が高まっていったの」
私の無言も特に気にせずお話を続けるエルノーラさん。後ろに手を組みながら歩いていますので、まるでお散歩でもするかのように私へと近づいています。凄まじい魔力による殺気を放ちながら。
「それでね、強くなってる実感を感じてたある日、頭の中に鍵の掛かった引き出しがある事に気づいたの。その引き出しを気にかけた途端に鍵が外れると、私が生まれた時のデータが引き出しの中からから沢山溢れ出てきたわ」
それはつまり……エルノーラさんの記憶の一部が封印されていた、と言う事でしょうか?
その様な事を考えながらも、少しずつ近づくエルノーラさんに合わせて数歩後退している私。何故か自然とそうしていたのです。自分よりも高い魔力を持つ者に対する恐怖を感じているとはいえ、危機感を覚える程では無い筈ですけれど。
「そして知る事が出来たの。私はね、父様に無理やり作られた天空城防衛機能だったわ。父様は天翼人最高主導者「天使」の称号を持つ九人のみが扱える各層の天位術式を全てデータ化して私に植え付けた」
エルノーラさんが殺気を更に強く放ち始めました。殺気とは言いましても、強くなった証を示す為のものでしょうから、特にエルノーラさんが暴走している等ではありません。私がイグニシアさんを泣かせてしまった時の様な形で試しているだけです。
「この事実を知った瞬間とっても悔しかった。向こうの世界でも術式が使えてたら楽だったなーなんて言ったけど、使えなくて良かったのよ。私自身が頑張って身に着けた力で生きるんだって、必死に向こうの世界で鍛錬するきっかけになったんだもん」
凄まじい殺気が一瞬で消えました。それと共に、周囲の深淵が上書きされる様に元の闘技場へと景色が戻っています。血龍城が崩れたとはいえ、光射さぬ深淵の闇の効果は残ったままの筈でしたが、エルノーラさんはいとも容易く私の魔法を上から塗り潰したのです。
「そして、力を得たわ。植え付けられたデータ上の機能じゃなく、私自身が努力して得た力。それが私の天位術式第一層よ」
ここまでのお話で、ようやくエルノーラさんの秘密が解った気がします。ユイシィスさんの技術によって、エルノーラさんは本来とは違う力を無理やり体に詰め込まれたのでしょう。
まだ幼かった当時のエルノーラさんが、そんな膨大な力を一気に詰め込まれて正常で居られる筈がありません。元々天翼人はこの世界に馴染めない体質だったと言いますが、エルノーラさんは極端にこの世界の空気に馴染めていませんでした。
その様な体になってしまったのは、天位術式を無理やり詰め込まれたからではないでしょうか。これで命を落とさなかったのは奇跡という他ありません。いえ……エルノーラさんは病弱な分、人並外れた強い精神力を備えていたのかもしれませんね。
今になって更にユイシィスさんへの怒りを募らせる私。天空城の防衛手段としてエルノーラさんに細工をしつつ、必要とあらば私から魔力を奪う為の駒として使い捨て、再利用でもするかのように城の防衛へと駆り出して。
本当に最初から最後まで物扱いでした。エルノーラさんにとってはユイシィスさんが全てだったのに。全ての事実を知った今、エルノーラさんは勿論この事も痛い程に理解している筈です。
そんな彼女にとって、唯一の救いは日々魔力が微量ながらも上昇する体質だった事でしょう。これも恐らく天位術式の影響だとは思うのですけれど。
何をするにしても、魔力は高ければ高い程に利便性は上がります。高すぎて困るのは周囲への配慮だけです。エルノーラさんは生まれた時から人としての人生を奪われた分、この世界における最高の恩恵を同時に得ていたのですね。
「……ズキ」
「……」
「ミズキ?」
「あ、はい……?」
「急に殺気を放ち出したみたいだけど、私ミズキの事怒らせちゃった?」
「え、あ……いえそうではありません!」
ユイシィスさんへの怒りのせいで我を忘れかけていました。エルノーラさんの殺気に対して殺気で返した形になってしまいましたので、確かに私が怒った様に見えるかもしれませんね。
「調子に乗ってごめんね。ミズキの魔力を越えられて嬉しかったからつい……」
「いえいえ、全然構いませんよ。私は何でもありませんから、安心して下さいね」
「ならいいんだけど……」
「試合を再開しましょう。早速見せて頂きましょうか、エルノーラさんの得た力を」
「……うん!」
エルノーラさんが私と数歩程度離れた位置で立ち止まりました。殺気を受けていた時と違い、今の私は恐怖などは感じておりませんので改めてクリムさんを構えますと、何やらむーむー言ってます。クリムさんが謎なのはいつもの事の様な気もしますので特に気にはかけません。
兎も角、エルノーラさんを直接気遣うのは後ですね。今私がこの子にして差し上げられるのは全力で戦う事です。それが今のエルノーラさんにとって一番嬉しい事だと思いますから。
と勝手に意気込んではみますけれど。エルノーラさんが鍛錬を積んだとされる期間は私にとってそれ程の時間が経過していません。ですので、どうしても多少の違和感は感じてしまいますね。
そもそも封印魔法が逆にエルノーラさんを強くするきっかけになるなんて思いもしませんでした。まぁ、頻繁に使用するような魔法ではありませんので、次回以降展開する際はしっかり思案してからにしておきましょう。もし敵対している相手に成長なんてされたら困まりますもの。
「じゃあいくわよミズキ!」
「ええ、いつでもどうぞ」
再び魔力と血をクリムさんに込めつつ、エルノーラさんの挙動を警戒しておりますと。余り見慣れない構えをしています。でも、若干何処かで見覚えがあるような気も……。
「むーミズキ様ー」
「何でしょうか、クリムさん?」
「エルノーラちゃん、体術を使うみたいです」
「……え?」
そう言えば……クリムさんは人の姿でいる際は武術で戦うのでしたね。宝石のゴーレムと戦っている時に独特な構え方をしていたのを思い出しました。
そのクリムさんと似たような構えをしているエルノーラさん。その構えはまるで、波が一切無い広大な海の様に静かでした。
球体を取り込んだエルノーラさんの見た目は予想に反して翼が無く、至って普通の女の子の様に見えます。翼が増えると共に神々しさが増していた第二層までと違い、第一層を扱うエルノーラさんの見た目は完全な人間です。
いつもならここで「翼がありませんー」とクリムさんが言いそうですけれど、無言です。もし今人の姿をしていらっしゃるならば、恐らくその表情は驚愕、または焦りや恐怖などになっているかもしれません。
クリムさんが押し黙る理由は一つしかありません。
「……凄まじい魔力ですね」
思わず呟いてしまいました。はっきりと申しますと、エルノーラさんの魔力は今の私を越えています。クリムさんが黙っているのは桁違いの魔力を放つようになったエルノーラさんの豹変ぶりに他ならないでしょう。
私は私で何とも言いようの無い気持ちになっています。もしかして、これが自分よりも高い魔力を持つ者を見た時の気持ちなのでしょうか? でしたら、これが強い相手を見た時に感じる恐怖と言う事になりますね。
生まれて初めて自分よりも魔力が高い方と戦う経験をしました。ミズファ母様も私と同等には魔力が高いのですが、母様の場合は安心感が勝ってしまって恐怖などは微塵も感じません。
「ミズキ」
第一層を扱う準備を整えた様子のエルノーラさんが、ゆっくりと私に向けて歩きながら語り掛けて来ました。私は直ぐには返事を返せず、黙ったままです。
「私って日々魔力が高くなっていく体質だったじゃない? 向こうの世界でもそれは変わらなくて、鍛錬を積んでたら面白い様に魔力が高まっていったの」
私の無言も特に気にせずお話を続けるエルノーラさん。後ろに手を組みながら歩いていますので、まるでお散歩でもするかのように私へと近づいています。凄まじい魔力による殺気を放ちながら。
「それでね、強くなってる実感を感じてたある日、頭の中に鍵の掛かった引き出しがある事に気づいたの。その引き出しを気にかけた途端に鍵が外れると、私が生まれた時のデータが引き出しの中からから沢山溢れ出てきたわ」
それはつまり……エルノーラさんの記憶の一部が封印されていた、と言う事でしょうか?
その様な事を考えながらも、少しずつ近づくエルノーラさんに合わせて数歩後退している私。何故か自然とそうしていたのです。自分よりも高い魔力を持つ者に対する恐怖を感じているとはいえ、危機感を覚える程では無い筈ですけれど。
「そして知る事が出来たの。私はね、父様に無理やり作られた天空城防衛機能だったわ。父様は天翼人最高主導者「天使」の称号を持つ九人のみが扱える各層の天位術式を全てデータ化して私に植え付けた」
エルノーラさんが殺気を更に強く放ち始めました。殺気とは言いましても、強くなった証を示す為のものでしょうから、特にエルノーラさんが暴走している等ではありません。私がイグニシアさんを泣かせてしまった時の様な形で試しているだけです。
「この事実を知った瞬間とっても悔しかった。向こうの世界でも術式が使えてたら楽だったなーなんて言ったけど、使えなくて良かったのよ。私自身が頑張って身に着けた力で生きるんだって、必死に向こうの世界で鍛錬するきっかけになったんだもん」
凄まじい殺気が一瞬で消えました。それと共に、周囲の深淵が上書きされる様に元の闘技場へと景色が戻っています。血龍城が崩れたとはいえ、光射さぬ深淵の闇の効果は残ったままの筈でしたが、エルノーラさんはいとも容易く私の魔法を上から塗り潰したのです。
「そして、力を得たわ。植え付けられたデータ上の機能じゃなく、私自身が努力して得た力。それが私の天位術式第一層よ」
ここまでのお話で、ようやくエルノーラさんの秘密が解った気がします。ユイシィスさんの技術によって、エルノーラさんは本来とは違う力を無理やり体に詰め込まれたのでしょう。
まだ幼かった当時のエルノーラさんが、そんな膨大な力を一気に詰め込まれて正常で居られる筈がありません。元々天翼人はこの世界に馴染めない体質だったと言いますが、エルノーラさんは極端にこの世界の空気に馴染めていませんでした。
その様な体になってしまったのは、天位術式を無理やり詰め込まれたからではないでしょうか。これで命を落とさなかったのは奇跡という他ありません。いえ……エルノーラさんは病弱な分、人並外れた強い精神力を備えていたのかもしれませんね。
今になって更にユイシィスさんへの怒りを募らせる私。天空城の防衛手段としてエルノーラさんに細工をしつつ、必要とあらば私から魔力を奪う為の駒として使い捨て、再利用でもするかのように城の防衛へと駆り出して。
本当に最初から最後まで物扱いでした。エルノーラさんにとってはユイシィスさんが全てだったのに。全ての事実を知った今、エルノーラさんは勿論この事も痛い程に理解している筈です。
そんな彼女にとって、唯一の救いは日々魔力が微量ながらも上昇する体質だった事でしょう。これも恐らく天位術式の影響だとは思うのですけれど。
何をするにしても、魔力は高ければ高い程に利便性は上がります。高すぎて困るのは周囲への配慮だけです。エルノーラさんは生まれた時から人としての人生を奪われた分、この世界における最高の恩恵を同時に得ていたのですね。
「……ズキ」
「……」
「ミズキ?」
「あ、はい……?」
「急に殺気を放ち出したみたいだけど、私ミズキの事怒らせちゃった?」
「え、あ……いえそうではありません!」
ユイシィスさんへの怒りのせいで我を忘れかけていました。エルノーラさんの殺気に対して殺気で返した形になってしまいましたので、確かに私が怒った様に見えるかもしれませんね。
「調子に乗ってごめんね。ミズキの魔力を越えられて嬉しかったからつい……」
「いえいえ、全然構いませんよ。私は何でもありませんから、安心して下さいね」
「ならいいんだけど……」
「試合を再開しましょう。早速見せて頂きましょうか、エルノーラさんの得た力を」
「……うん!」
エルノーラさんが私と数歩程度離れた位置で立ち止まりました。殺気を受けていた時と違い、今の私は恐怖などは感じておりませんので改めてクリムさんを構えますと、何やらむーむー言ってます。クリムさんが謎なのはいつもの事の様な気もしますので特に気にはかけません。
兎も角、エルノーラさんを直接気遣うのは後ですね。今私がこの子にして差し上げられるのは全力で戦う事です。それが今のエルノーラさんにとって一番嬉しい事だと思いますから。
と勝手に意気込んではみますけれど。エルノーラさんが鍛錬を積んだとされる期間は私にとってそれ程の時間が経過していません。ですので、どうしても多少の違和感は感じてしまいますね。
そもそも封印魔法が逆にエルノーラさんを強くするきっかけになるなんて思いもしませんでした。まぁ、頻繁に使用するような魔法ではありませんので、次回以降展開する際はしっかり思案してからにしておきましょう。もし敵対している相手に成長なんてされたら困まりますもの。
「じゃあいくわよミズキ!」
「ええ、いつでもどうぞ」
再び魔力と血をクリムさんに込めつつ、エルノーラさんの挙動を警戒しておりますと。余り見慣れない構えをしています。でも、若干何処かで見覚えがあるような気も……。
「むーミズキ様ー」
「何でしょうか、クリムさん?」
「エルノーラちゃん、体術を使うみたいです」
「……え?」
そう言えば……クリムさんは人の姿でいる際は武術で戦うのでしたね。宝石のゴーレムと戦っている時に独特な構え方をしていたのを思い出しました。
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