88 / 234
4章
ラグナ上空戦
しおりを挟む
周囲の魔道船が帝国内へと急ぎ、或いは大きく旋回して引き返してゆきます。結界内に入れば安全ですから、他の船が逃げるまでの間、翼竜の群れを此方に引き付けるように水の龍に威嚇させます。
本当は私達が乗るこの船にも避難して頂きたい所ではあるのですが、逃げ切る前に翼竜の群れに囲まれてしまいますので、迎え撃つ為にも耐えて頂くしかありません。
「エイルさん、お願いがあるのですけれど」
「解っています。操舵士に慌てて逃げない様に言って置きましょう」
「有難うございます」
直ぐにエイルさんが操舵室に走って行くのを確認後、翼竜の群れへと視線を戻しますと、一定の位置で群れが止まりました。どうやら水の龍を警戒しているようです。この水の龍は私の魔力で作られていますから、同じ龍種でもその力は歴然です。親玉らしき大きな龍も水の龍と睨み合いを続けています。
「水龍、まだ他の魔道船の退避が終わっていませんので、もう少し我慢して下さい」
私の命令に対し頷くように咆哮を上げる水の龍。この子はとても好戦的な性格ですが、頼もしい龍です。
「ざっと見て、翼竜の数は百匹は下らぬな。一体何処から出てきよった?」
帝国の周囲には山岳地帯が広がっています。魔物からの襲撃を受けにくいように山に囲まれた平野に帝国を作り上げたのだと思われますが、流石に空を飛ぶ魔物はどうしようも無いという事でしょうか。
「突然過ぎて私にも解りませんね。こんなに近くに魔道帝国があるにも関わらず襲ってくるなんて……」
「獲物に結界が無ければ、その近くに何があろうと構わぬ節操無しなのであろう。下より、知能の無い雑魚はみなそういう物じゃ」
「ええ、同感です。龍と言えども雑魚は雑魚、ですね。群れるのが何より弱き者の証でしょう」
たまに私の中の私が表に出て来るのはご愛敬です。少々口が悪い所が悩みなのです……。今の所私達は別々で難しい面も多々ありますけれども、いずれきっと私達は一つになれる筈です。
「じゃが……幾ら雑魚共でも、あの数で船を狙われれば面倒な事になる。小娘の龍が撃ち漏らせば自ずと此方に寄って来るであろうしの」
こういった場合、空を飛ぶ魔物は魔道船の天敵という事になるのでしょうか。でしたら、翼竜がSランクと呼ばれる危険度に相当するのも頷ける事ですけれど。
「その際は私自身が相手をします。水晶から頂いた血はまだ残っていますから」
「ふむ、自立行動する水の魔法とは地味に便利じゃな」
周囲を再度確認しますと、周りから魔道船が居なくなったようです。非難が終了したようですね。では私達も無事に帝国に向かう為、この翼竜の群れにはご退場頂きましょう。
「さぁ水龍、存分に雑魚共を喰らいなさい。誰に牙を向けたのか、死を持って理解させて差し上げます」
水の龍が咆哮を上げ、胴をうねらせますと。凄まじい速度で翼竜の群れへと駆けてゆきます。先に仕掛けられた翼竜達は親玉の龍の命令無しでは動けないのでしょう、端から順に水の龍に食われていきました。
慌てて親玉の龍が更に上空に退避し、翼竜達を水の龍に食いつかせますが……無駄な事です。水で出来ている胴に牙を立てるなど、不可能だからです。
むしろ、水の龍の胴に牙を立てようとした翼竜の頭が消し飛んでいます。強大な魔力の塊に自ら頭を差し出す訳ですもの、そうなりますよね。どうやら本当に翼竜の知能は低いようです。水の龍は余りの翼竜の弱さに呆れ果て、目標を親玉の龍に変更しました。
その分、多少翼竜がこちらへと飛来して来ますが構いません。水の龍に自由にさせているのは私ですから。
「今頃この船に乗っている皆さんも怖がっているでしょうし、ささっと……」
そこで私の言葉が途切れます。
此方に向かって来ていた翼竜達が突然、真横から放たれた魔力の束に飲まれて一瞬で全滅したのです。
「何じゃ?」
「どうやら、あの魔道船から放たれたようです」
いつの間にか、帝国内から沢山の魔道船が此方に向けて飛来して来ていました。おおよそ二十隻前後はいるようです。その内の先頭の船から、今の魔力の束は放たれたようですね。
一部の翼竜がその魔道船団に向かって飛んでいきますと、複数の魔道船の中から一斉に魔法のような魔力の塊を飛ばして、翼竜を撃退していきます。その中で先頭の魔道船だけが強大な魔力の束を放っています。
程無くして魔道船団が翼竜の群れに接敵し、殲滅戦が始まりました。約四十匹前後は水の龍が喰らっていますから、翼竜の数は残り約半分と言う所でしょうか。
「ふむ、帝国の魔術師の類かの」
「よく見えませんけれど高速で魔力の塊を飛ばしているようですから、詠唱が必要な魔法の類ではありませんね。魔道船に乗っている方達は恐らく、魔道炉の武器で攻撃しているのだと思います」
都市の近くに沢山の翼竜が飛んでいれば、当然討伐隊を編成しない訳にはいきませんものね。私一人で十分でしたので、援軍の事は考えもしませんでした。
魔道船団の戦闘区域よりも更に上空に視線を移しますと。
親玉の龍が逃げながら口から魔力の塊を撃ち出し、水の龍へと攻撃しています。それに対し水の龍は攻撃を避ける事も無く、親玉の龍を追い詰めています。要は親玉の龍の攻撃は、私の魔力で作られた水の龍には全然、全く効かないのです。
きっとこんな筈ではなかった、と親玉の龍は後悔している事でしょう。今までどれ程の魔道船を狩ってきたのかは解りませんけれど……運が悪かった様ですね。本来であれば、魔道船を一通り襲った後、地上に落ちた人間を食らう予定だったのかもしれませんが。
「もういいわ水龍、さっと終わらせなさい。雑魚が必死に抗う姿を見るのはもう飽きましたから」
私の中の私が水の龍に血を混ぜました。胴がみるみる内に赤く染まっていき、水の龍の魔力が大きく膨れ上がります。咆哮をひと際大きく上げた水の龍は口を開き、魔力を収束させます。危険を感じたのか、親玉の龍が逃げて行きますが遅いです。逃げるという行為が余りにも遅すぎるのです。
水の龍の口に収束した魔力が対象めがけ直線状に放たれますと、親玉の龍は魔力の束の中で溶ける様に消えていきました。
「翼竜共は空を飛ぶ事で優位に生きてきたのであろうが、相手が悪かったようじゃな」
「水龍、お疲れ様でした」
水の龍は咆哮を上げた後、パァンと水がはじけ飛ぶように消えました。どうやら駆けつけた魔道船団も翼竜の殲滅が終わったようです。殆どは先頭の魔道船が倒したようですけれど。
「どうやら片づいたようですね」
操舵室から戻って来たエイルさんが、一通り空を眺めながら戦況を確認しています。
「エイルさん、乗員さんやお客さん達はどうでしたか?」
「皆怯えていましたよ。舵を取っていた乗員だけはまともでしたが」
「乗っている者全ての命を預かっておるのじゃ、当然であろう。誰よりも冷静であらねば、舵取りなど出来はせぬよ」
人間を殺す事が目的だった筈の水晶とは思えない発言です。と、言いますより今の水晶はやはりただの女の子にしか見えません。
「水晶からそんな言葉が出るなんて、驚きです」
「む、い、いや人間なぞどうでもよいのだぞ? 我らが乗船しておる故、舵はしっかりして貰わねばならぬからの、うむ」
「まぁ、いいのですけれど……」
乗員とお客も危機を逃れた事を実感し始めたようで、歓声が船内から聞こえてきています。甲板上の乗員さんもそれぞれ生き残った事を喜んでいます。一部命を落としてしまったお客さんなどもいますから、個人的には手放しでは喜べませんけれどもね。
「魔道船が一隻近づいて来てますね」
エイルさんの言葉通り、魔道船団の中から一隻この船に近づいて来ています。
「ふむ、先頭で戦っておった船じゃな」
速度を落としつつ、程無くして隣接してきた魔道船の甲板上には、沢山の兵士さんらしき人々が乗っているのが見えました。その内の一人が何かの合図と思われる光を小刻みに斉射しています。すると、此方の船の搭乗口が開き、隣接した魔道船側から橋が架かりました。
甲板上から搭乗口を見下ろしていますと、何か黒い鎧を着た方と複数の兵らしき人達がこちらの船に移って来ています。
「船内の安否確認でしょうか」
「まぁ、大方そうであろう」
この船は一部横に穴が開いてたりもしてますし、遠めに見ればよく落ちずに済んでいたと思われてもおかしくありませんものね。
「おい皆!! 陛下がお越し下さったぞ!」
乗員さんの一人がそう言いますと、慌てて船内に続く階段を下りていきました。他の乗員さん達も一斉に歓声をあげつつ後に続いています。
「今、陛下と言っておったか?」
「はい、確かに言ってました」
「では、先程の黒い鎧の方はこの国の王でしょうか?」
船内から響き渡る大歓声。船が助かった時よりもひと際大きい、喜びに満ちた声が聞こえてきています。
「やかましいのぅ……」
「聞こえてくる声援を聞く限り、やはり王で間違いないようですね」
歓声が次第に近づき、程無くして甲板にある階段から、黒い鎧の方が姿を現しました。
兵士さんとお客だった支配層の方々が黒い鎧の方の後ろに付いています。それぞれが甲板に出た後に敬礼し、黒い鎧の方が此方へと近づいて来ました。
「貴様か。翼竜の群れを瞬く間に半壊させた者は」
とても整った顔立ちの黒い髪の男の人。恐らく二十歳前後と思われるとても若い方です。その方が私に向け、そう問いかけました。
本当は私達が乗るこの船にも避難して頂きたい所ではあるのですが、逃げ切る前に翼竜の群れに囲まれてしまいますので、迎え撃つ為にも耐えて頂くしかありません。
「エイルさん、お願いがあるのですけれど」
「解っています。操舵士に慌てて逃げない様に言って置きましょう」
「有難うございます」
直ぐにエイルさんが操舵室に走って行くのを確認後、翼竜の群れへと視線を戻しますと、一定の位置で群れが止まりました。どうやら水の龍を警戒しているようです。この水の龍は私の魔力で作られていますから、同じ龍種でもその力は歴然です。親玉らしき大きな龍も水の龍と睨み合いを続けています。
「水龍、まだ他の魔道船の退避が終わっていませんので、もう少し我慢して下さい」
私の命令に対し頷くように咆哮を上げる水の龍。この子はとても好戦的な性格ですが、頼もしい龍です。
「ざっと見て、翼竜の数は百匹は下らぬな。一体何処から出てきよった?」
帝国の周囲には山岳地帯が広がっています。魔物からの襲撃を受けにくいように山に囲まれた平野に帝国を作り上げたのだと思われますが、流石に空を飛ぶ魔物はどうしようも無いという事でしょうか。
「突然過ぎて私にも解りませんね。こんなに近くに魔道帝国があるにも関わらず襲ってくるなんて……」
「獲物に結界が無ければ、その近くに何があろうと構わぬ節操無しなのであろう。下より、知能の無い雑魚はみなそういう物じゃ」
「ええ、同感です。龍と言えども雑魚は雑魚、ですね。群れるのが何より弱き者の証でしょう」
たまに私の中の私が表に出て来るのはご愛敬です。少々口が悪い所が悩みなのです……。今の所私達は別々で難しい面も多々ありますけれども、いずれきっと私達は一つになれる筈です。
「じゃが……幾ら雑魚共でも、あの数で船を狙われれば面倒な事になる。小娘の龍が撃ち漏らせば自ずと此方に寄って来るであろうしの」
こういった場合、空を飛ぶ魔物は魔道船の天敵という事になるのでしょうか。でしたら、翼竜がSランクと呼ばれる危険度に相当するのも頷ける事ですけれど。
「その際は私自身が相手をします。水晶から頂いた血はまだ残っていますから」
「ふむ、自立行動する水の魔法とは地味に便利じゃな」
周囲を再度確認しますと、周りから魔道船が居なくなったようです。非難が終了したようですね。では私達も無事に帝国に向かう為、この翼竜の群れにはご退場頂きましょう。
「さぁ水龍、存分に雑魚共を喰らいなさい。誰に牙を向けたのか、死を持って理解させて差し上げます」
水の龍が咆哮を上げ、胴をうねらせますと。凄まじい速度で翼竜の群れへと駆けてゆきます。先に仕掛けられた翼竜達は親玉の龍の命令無しでは動けないのでしょう、端から順に水の龍に食われていきました。
慌てて親玉の龍が更に上空に退避し、翼竜達を水の龍に食いつかせますが……無駄な事です。水で出来ている胴に牙を立てるなど、不可能だからです。
むしろ、水の龍の胴に牙を立てようとした翼竜の頭が消し飛んでいます。強大な魔力の塊に自ら頭を差し出す訳ですもの、そうなりますよね。どうやら本当に翼竜の知能は低いようです。水の龍は余りの翼竜の弱さに呆れ果て、目標を親玉の龍に変更しました。
その分、多少翼竜がこちらへと飛来して来ますが構いません。水の龍に自由にさせているのは私ですから。
「今頃この船に乗っている皆さんも怖がっているでしょうし、ささっと……」
そこで私の言葉が途切れます。
此方に向かって来ていた翼竜達が突然、真横から放たれた魔力の束に飲まれて一瞬で全滅したのです。
「何じゃ?」
「どうやら、あの魔道船から放たれたようです」
いつの間にか、帝国内から沢山の魔道船が此方に向けて飛来して来ていました。おおよそ二十隻前後はいるようです。その内の先頭の船から、今の魔力の束は放たれたようですね。
一部の翼竜がその魔道船団に向かって飛んでいきますと、複数の魔道船の中から一斉に魔法のような魔力の塊を飛ばして、翼竜を撃退していきます。その中で先頭の魔道船だけが強大な魔力の束を放っています。
程無くして魔道船団が翼竜の群れに接敵し、殲滅戦が始まりました。約四十匹前後は水の龍が喰らっていますから、翼竜の数は残り約半分と言う所でしょうか。
「ふむ、帝国の魔術師の類かの」
「よく見えませんけれど高速で魔力の塊を飛ばしているようですから、詠唱が必要な魔法の類ではありませんね。魔道船に乗っている方達は恐らく、魔道炉の武器で攻撃しているのだと思います」
都市の近くに沢山の翼竜が飛んでいれば、当然討伐隊を編成しない訳にはいきませんものね。私一人で十分でしたので、援軍の事は考えもしませんでした。
魔道船団の戦闘区域よりも更に上空に視線を移しますと。
親玉の龍が逃げながら口から魔力の塊を撃ち出し、水の龍へと攻撃しています。それに対し水の龍は攻撃を避ける事も無く、親玉の龍を追い詰めています。要は親玉の龍の攻撃は、私の魔力で作られた水の龍には全然、全く効かないのです。
きっとこんな筈ではなかった、と親玉の龍は後悔している事でしょう。今までどれ程の魔道船を狩ってきたのかは解りませんけれど……運が悪かった様ですね。本来であれば、魔道船を一通り襲った後、地上に落ちた人間を食らう予定だったのかもしれませんが。
「もういいわ水龍、さっと終わらせなさい。雑魚が必死に抗う姿を見るのはもう飽きましたから」
私の中の私が水の龍に血を混ぜました。胴がみるみる内に赤く染まっていき、水の龍の魔力が大きく膨れ上がります。咆哮をひと際大きく上げた水の龍は口を開き、魔力を収束させます。危険を感じたのか、親玉の龍が逃げて行きますが遅いです。逃げるという行為が余りにも遅すぎるのです。
水の龍の口に収束した魔力が対象めがけ直線状に放たれますと、親玉の龍は魔力の束の中で溶ける様に消えていきました。
「翼竜共は空を飛ぶ事で優位に生きてきたのであろうが、相手が悪かったようじゃな」
「水龍、お疲れ様でした」
水の龍は咆哮を上げた後、パァンと水がはじけ飛ぶように消えました。どうやら駆けつけた魔道船団も翼竜の殲滅が終わったようです。殆どは先頭の魔道船が倒したようですけれど。
「どうやら片づいたようですね」
操舵室から戻って来たエイルさんが、一通り空を眺めながら戦況を確認しています。
「エイルさん、乗員さんやお客さん達はどうでしたか?」
「皆怯えていましたよ。舵を取っていた乗員だけはまともでしたが」
「乗っている者全ての命を預かっておるのじゃ、当然であろう。誰よりも冷静であらねば、舵取りなど出来はせぬよ」
人間を殺す事が目的だった筈の水晶とは思えない発言です。と、言いますより今の水晶はやはりただの女の子にしか見えません。
「水晶からそんな言葉が出るなんて、驚きです」
「む、い、いや人間なぞどうでもよいのだぞ? 我らが乗船しておる故、舵はしっかりして貰わねばならぬからの、うむ」
「まぁ、いいのですけれど……」
乗員とお客も危機を逃れた事を実感し始めたようで、歓声が船内から聞こえてきています。甲板上の乗員さんもそれぞれ生き残った事を喜んでいます。一部命を落としてしまったお客さんなどもいますから、個人的には手放しでは喜べませんけれどもね。
「魔道船が一隻近づいて来てますね」
エイルさんの言葉通り、魔道船団の中から一隻この船に近づいて来ています。
「ふむ、先頭で戦っておった船じゃな」
速度を落としつつ、程無くして隣接してきた魔道船の甲板上には、沢山の兵士さんらしき人々が乗っているのが見えました。その内の一人が何かの合図と思われる光を小刻みに斉射しています。すると、此方の船の搭乗口が開き、隣接した魔道船側から橋が架かりました。
甲板上から搭乗口を見下ろしていますと、何か黒い鎧を着た方と複数の兵らしき人達がこちらの船に移って来ています。
「船内の安否確認でしょうか」
「まぁ、大方そうであろう」
この船は一部横に穴が開いてたりもしてますし、遠めに見ればよく落ちずに済んでいたと思われてもおかしくありませんものね。
「おい皆!! 陛下がお越し下さったぞ!」
乗員さんの一人がそう言いますと、慌てて船内に続く階段を下りていきました。他の乗員さん達も一斉に歓声をあげつつ後に続いています。
「今、陛下と言っておったか?」
「はい、確かに言ってました」
「では、先程の黒い鎧の方はこの国の王でしょうか?」
船内から響き渡る大歓声。船が助かった時よりもひと際大きい、喜びに満ちた声が聞こえてきています。
「やかましいのぅ……」
「聞こえてくる声援を聞く限り、やはり王で間違いないようですね」
歓声が次第に近づき、程無くして甲板にある階段から、黒い鎧の方が姿を現しました。
兵士さんとお客だった支配層の方々が黒い鎧の方の後ろに付いています。それぞれが甲板に出た後に敬礼し、黒い鎧の方が此方へと近づいて来ました。
「貴様か。翼竜の群れを瞬く間に半壊させた者は」
とても整った顔立ちの黒い髪の男の人。恐らく二十歳前後と思われるとても若い方です。その方が私に向け、そう問いかけました。
0
あなたにおすすめの小説
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
縫剣のセネカ
藤花スイ
ファンタジー
「ぬいけんのせねか」と読みます。
--
コルドバ村のセネカは英雄に憧れるお転婆娘だ。
幼馴染のルキウスと共に穏やかな日々を過ごしていた。
ある日、セネカとルキウスの両親は村を守るために戦いに向かった。
訳も分からず見送ったその後、二人は孤児となった。
その経験から、大切なものを守るためには強さが必要だとセネカは思い知った。
二人は力をつけて英雄になるのだと誓った。
しかし、セネカが十歳の時に授かったのは【縫う】という非戦闘系のスキルだった。
一方、ルキウスは破格のスキル【神聖魔法】を得て、王都の教会へと旅立ってゆく。
二人の道は分かれてしまった。
残されたセネカは、ルキウスとの約束を胸に問い続ける。
どうやって戦っていくのか。希望はどこにあるのか⋯⋯。
セネカは剣士で、膨大な魔力を持っている。
でも【縫う】と剣をどう合わせたら良いのか分からなかった。
答えは簡単に出ないけれど、セネカは諦めなかった。
創意を続ければいつしか全ての力が繋がる時が来ると信じていた。
セネカは誰よりも早く冒険者の道を駆け上がる。
天才剣士のルキウスに置いていかれないようにとひた向きに力を磨いていく。
遠い地でルキウスもまた自分の道を歩み始めた。
セネカとの大切な約束を守るために。
そして二人は巻き込まれていく。
あの日、月が瞬いた理由を知ることもなく⋯⋯。
これは、一人の少女が針と糸を使って世界と繋がる物語
(旧題:スキル【縫う】で無双します! 〜ハズレスキルと言われたけれど、努力で当たりにしてみます〜)
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?
しゃーりん
恋愛
婚約者を妹に取られる。
そんな小説みたいなことが本当に起こった。
婚約者が姉から妹に代わるだけ?しかし私はそれを許さず、慰謝料を請求した。
婚約破棄と共に跡継ぎでもなくなったから。
仕事だけをさせようと思っていた父に失望し、伯父のいる辺境に行くことにする。
これからは辺境で仕事に生きよう。そう決めて王都を旅立った。
辺境で新たな出会いがあり、付き合い始めたけど?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる