100 / 234
4章
調査の開始
しおりを挟む
昼食後、魔道船に乗って東側の城壁の外へとやって来た私とヤヨイさん。昨日とは違う場所に行きたいと言う私のお願いで、お城から二番目に近い東側方面へと行く事を二人で決めました。
東側は支配層が住むお屋敷が沢山建ち並ぶ区域ですので、城壁内外の警戒が特に厳しい方面でもあります。ラグナはとても広大な都市ですので、城壁内も兵士さんが常に巡回して治安維持に当たり、外側も小隊編成で見回りが常に行われているようです。
前もった説明もなく突然ヤヨイさんが来訪した為、結界内から外側の監視任務に就いている東方担当の兵士さん達がとても驚き、慌てて敬礼していました。
ヤヨイさんが慌てている兵士さん達に「普段通りで結構です」と緊張を解く様に言いますけれど、無理でしょう。見た目の幼さ等で幾分か楽にしやすいとは言え、魔道帝国・位階一位を前にして緊張しない訳がありませんもの。
例えるならば、国家指定級が魔力全開の威圧状態で「楽にして下さい」と仰っているような物です。無理です。
「皆様、お勤めご苦労様です」
「はっ!! あ、あの、今回の視察は南側へ行かれたと報告を受けておりますが……」
「ええ、先日の視察は南へと参りました。そこで重大な問題が発生しておりますので、ここへ来たのはそれに関する独自調査です」
「重大な問題ですか? 我々にはそのような情報は下りてきておりませんが」
「直、正式な通達がありますが、ヤヨイ自ら伝えておきます。南側への視察中、位階上位が二名戦死しました。戦死者は五位並びに八位となります」
「……な!?」
代表の兵士さんが驚きの声を上げますと、周囲の兵士さん達も一斉にどよめきます。
「バルク様とビッツ様が……ですか? そんな……バルク様は不落の将軍と謳われる歴代最長の位階であらせられる方で、ビッツ様も卓越した剣術を持った方なのに……」
「今はこれのみです。後は追って上官から報告があるでしょう」
一番辛いのはヤヨイさんでしょうに……。上に立つ者としての立場に努めていますが、その姿がとても無理をしているのは私でも解ります。兵士さん達も察しているらしく、それ以上の事は何も言いませんでした。
「ヤヨイ達は結界の外に出ますが、お供は必要ありません」
「は、いえ、そ、そんな訳には……」
「構いません、調査はヤヨイ達だけでなければなりませんから」
「わ、解りました。ですが、今は第十小隊が北側街道周辺を巡回している時間ですが宜しいでしょうか?」
「そうですか。ミズキ様、如何致しますか?」
「ふぇ!?」
急に質問をされた為、変な声を上げてしまいました……。兵士さんから訝し気に見られています。
「あの、ヤヨイ様。此方の方は……?」
当然の様に私の存在を不思議に思われています。暫くの間はこの様な形が沢山あると思いますと、少々気が重いのです……。
「この方はミズキ様です。陛下自らのご指名で位階百一位となった方です」
「へ、陛下自ら!? 陛下は余程の事が無い限り、特別な扱いはなされない方の筈ですが……」
「ええ、ですから余程の事なのです。ヤヨイもミズキ様の事は一目置いているのですよ」
「そ、それ程の方なのですか……? にしては魔力は余り高いようには……」
「陛下の取り決めに不服ですか?」
「し、失礼致しました!!」
慌てて敬礼をする兵士さんに少し哀れみを感じつつ。ヤヨイさんの質問に少し悩む私。結界の外を巡回している方達にも、ヤヨイさんがここに来ている事は解っている筈です。相当離れない限りは十分魔力を感じられるでしょうから。
結界の外に出れば間違いなく小隊は私達に向かって来る事でしょう。ヤヨイさんが来ているのですもの、当然ですよね。異例の魔物がもしその状況で現れれば彼らは戦いに参加するでしょうし、ヤヨイさんの命令があっても聞かないかもしれません。
「あの、小隊の皆さんは何時頃お戻りになるのですか?」
「そろそろ交代の時間ですので、間もなく戻る筈です。何れにしてもヤヨイ様がいらしている以上、直ぐに戻る物と思われます」
「解りました。それでは小隊の皆様が戻ってから結界の外に出ましょうか」
「ヤヨイはそれで問題ありません。ではそれまで待機と致しましょう」
私とヤヨイさんは城壁の外に設営されている仮設天幕へと案内され、会議用のテーブルでしばしの休憩を取ります。ヤヨイさんは直ぐに護衛の必要はありませんと兵士さんに伝え、遠のけました。
「二人でなければお話し出来ない事が多いですからね」
「有難うございます、ヤヨイさん」
「早速ですがミズキ様。まだヤヨイは異例調査をどの様な形で行うのか詳細をお聞きしていません」
「あ、そう言えばそうでした」
すっかり話したつもりになっていました。異例の魔物が人為的だと仮定した場合、誰を狙っているのかをまだ話していませんでしたね。
「あの、異例の魔物は大分前から現れているようなのですが、翼竜と鎌の魔物については……私を狙って現れたのではないかと思っています」
「ミズキ様を、ですか?」
「はい、今は魔力を抑えていますので、私が狙われる様な点は無いとは思うのですけれども」
「では、どうしてミズキ様は狙われていると考えたのですか?」
それは四位の方の考えと同じですね。位階上位者の皆様は私と出会うより以前から異例の魔物に襲われていてもおかしくないからです。
「先日の鎌の魔物ですが……あの魔物は位階上位者を襲う機会は幾らでもあった筈です。上位者さん達は普段それぞれ別々の所に居るのですから、襲うのであれば皆さんが離れている時を狙った方が良いと思うのです」
「成程……確かにヤヨイは鎌の魔物に襲われた事はありませんし、他の方も無い筈です。そもそも鎌の魔物との遭遇自体が初めての事でしたから」
「ですので……残る私が狙われている対象なのではないかと。それを確認する為に結界の外へ行こうと思っていました。特に作戦がある訳でも無く、漠然とした事で申し訳ないのですけれど」
いつ何処で異例の魔物と遭遇するか、そもそも本当に私を狙っているのかも判りませんので手探りの状態なのです。他にこれと言って良い案がある訳でも無く、他の方に相談しても百一位である私のお話はろくに聞いては貰えないでしょう。
「そういう事でしたか。でしたら、ますますヤヨイはミズキ様の手助けをせねばなりません。真っ直ぐ向かって切る。こんなに簡単な調査方法は他にありません」
「……」
いえ、まぁ確かにそう……なのでしょうか。私はここですよ、と自分を餌に異例の魔物を誘き寄せて、出て来た所を叩く訳ですからね……。簡単なお仕事の様な気もしてきました。けれど……。
「それはバルクさんとビッツさんの犠牲の上に成り立つ方法です。今後、魔物は最大限の警戒を持って当るべきです」
「はい、ヤヨイ……絶対に許しません。異例の魔物の発生源を必ず突き止めてぶっ潰しますから」
ヤヨイさんの言葉が荒むと同時に凄まじい殺気を感じました。仇を討つと決めた事で、抑えていた怒りが溢れ出た様です。
そんな折に、ヤヨイさんが席を立ち天幕の外の様子を伺いますと。
「小隊の帰りが遅い気がします」
「言われてみますと……戻っていてもおかしくない程度には時間が経っている気がします」
結界の外を見据えても、兵士さんが戻ってくる様子はありません。遠くにいる兵士さん達も何やら結界の境に集まっているようです。
「どうしたんでしょう?」
「妙ですね、ヤヨイ達も行ってみましょう」
「解りました」
微妙に嫌な予感がします。私はまだ結界から外に出ていませんから、他の方に被害は無いと思うのですが……。
東側は支配層が住むお屋敷が沢山建ち並ぶ区域ですので、城壁内外の警戒が特に厳しい方面でもあります。ラグナはとても広大な都市ですので、城壁内も兵士さんが常に巡回して治安維持に当たり、外側も小隊編成で見回りが常に行われているようです。
前もった説明もなく突然ヤヨイさんが来訪した為、結界内から外側の監視任務に就いている東方担当の兵士さん達がとても驚き、慌てて敬礼していました。
ヤヨイさんが慌てている兵士さん達に「普段通りで結構です」と緊張を解く様に言いますけれど、無理でしょう。見た目の幼さ等で幾分か楽にしやすいとは言え、魔道帝国・位階一位を前にして緊張しない訳がありませんもの。
例えるならば、国家指定級が魔力全開の威圧状態で「楽にして下さい」と仰っているような物です。無理です。
「皆様、お勤めご苦労様です」
「はっ!! あ、あの、今回の視察は南側へ行かれたと報告を受けておりますが……」
「ええ、先日の視察は南へと参りました。そこで重大な問題が発生しておりますので、ここへ来たのはそれに関する独自調査です」
「重大な問題ですか? 我々にはそのような情報は下りてきておりませんが」
「直、正式な通達がありますが、ヤヨイ自ら伝えておきます。南側への視察中、位階上位が二名戦死しました。戦死者は五位並びに八位となります」
「……な!?」
代表の兵士さんが驚きの声を上げますと、周囲の兵士さん達も一斉にどよめきます。
「バルク様とビッツ様が……ですか? そんな……バルク様は不落の将軍と謳われる歴代最長の位階であらせられる方で、ビッツ様も卓越した剣術を持った方なのに……」
「今はこれのみです。後は追って上官から報告があるでしょう」
一番辛いのはヤヨイさんでしょうに……。上に立つ者としての立場に努めていますが、その姿がとても無理をしているのは私でも解ります。兵士さん達も察しているらしく、それ以上の事は何も言いませんでした。
「ヤヨイ達は結界の外に出ますが、お供は必要ありません」
「は、いえ、そ、そんな訳には……」
「構いません、調査はヤヨイ達だけでなければなりませんから」
「わ、解りました。ですが、今は第十小隊が北側街道周辺を巡回している時間ですが宜しいでしょうか?」
「そうですか。ミズキ様、如何致しますか?」
「ふぇ!?」
急に質問をされた為、変な声を上げてしまいました……。兵士さんから訝し気に見られています。
「あの、ヤヨイ様。此方の方は……?」
当然の様に私の存在を不思議に思われています。暫くの間はこの様な形が沢山あると思いますと、少々気が重いのです……。
「この方はミズキ様です。陛下自らのご指名で位階百一位となった方です」
「へ、陛下自ら!? 陛下は余程の事が無い限り、特別な扱いはなされない方の筈ですが……」
「ええ、ですから余程の事なのです。ヤヨイもミズキ様の事は一目置いているのですよ」
「そ、それ程の方なのですか……? にしては魔力は余り高いようには……」
「陛下の取り決めに不服ですか?」
「し、失礼致しました!!」
慌てて敬礼をする兵士さんに少し哀れみを感じつつ。ヤヨイさんの質問に少し悩む私。結界の外を巡回している方達にも、ヤヨイさんがここに来ている事は解っている筈です。相当離れない限りは十分魔力を感じられるでしょうから。
結界の外に出れば間違いなく小隊は私達に向かって来る事でしょう。ヤヨイさんが来ているのですもの、当然ですよね。異例の魔物がもしその状況で現れれば彼らは戦いに参加するでしょうし、ヤヨイさんの命令があっても聞かないかもしれません。
「あの、小隊の皆さんは何時頃お戻りになるのですか?」
「そろそろ交代の時間ですので、間もなく戻る筈です。何れにしてもヤヨイ様がいらしている以上、直ぐに戻る物と思われます」
「解りました。それでは小隊の皆様が戻ってから結界の外に出ましょうか」
「ヤヨイはそれで問題ありません。ではそれまで待機と致しましょう」
私とヤヨイさんは城壁の外に設営されている仮設天幕へと案内され、会議用のテーブルでしばしの休憩を取ります。ヤヨイさんは直ぐに護衛の必要はありませんと兵士さんに伝え、遠のけました。
「二人でなければお話し出来ない事が多いですからね」
「有難うございます、ヤヨイさん」
「早速ですがミズキ様。まだヤヨイは異例調査をどの様な形で行うのか詳細をお聞きしていません」
「あ、そう言えばそうでした」
すっかり話したつもりになっていました。異例の魔物が人為的だと仮定した場合、誰を狙っているのかをまだ話していませんでしたね。
「あの、異例の魔物は大分前から現れているようなのですが、翼竜と鎌の魔物については……私を狙って現れたのではないかと思っています」
「ミズキ様を、ですか?」
「はい、今は魔力を抑えていますので、私が狙われる様な点は無いとは思うのですけれども」
「では、どうしてミズキ様は狙われていると考えたのですか?」
それは四位の方の考えと同じですね。位階上位者の皆様は私と出会うより以前から異例の魔物に襲われていてもおかしくないからです。
「先日の鎌の魔物ですが……あの魔物は位階上位者を襲う機会は幾らでもあった筈です。上位者さん達は普段それぞれ別々の所に居るのですから、襲うのであれば皆さんが離れている時を狙った方が良いと思うのです」
「成程……確かにヤヨイは鎌の魔物に襲われた事はありませんし、他の方も無い筈です。そもそも鎌の魔物との遭遇自体が初めての事でしたから」
「ですので……残る私が狙われている対象なのではないかと。それを確認する為に結界の外へ行こうと思っていました。特に作戦がある訳でも無く、漠然とした事で申し訳ないのですけれど」
いつ何処で異例の魔物と遭遇するか、そもそも本当に私を狙っているのかも判りませんので手探りの状態なのです。他にこれと言って良い案がある訳でも無く、他の方に相談しても百一位である私のお話はろくに聞いては貰えないでしょう。
「そういう事でしたか。でしたら、ますますヤヨイはミズキ様の手助けをせねばなりません。真っ直ぐ向かって切る。こんなに簡単な調査方法は他にありません」
「……」
いえ、まぁ確かにそう……なのでしょうか。私はここですよ、と自分を餌に異例の魔物を誘き寄せて、出て来た所を叩く訳ですからね……。簡単なお仕事の様な気もしてきました。けれど……。
「それはバルクさんとビッツさんの犠牲の上に成り立つ方法です。今後、魔物は最大限の警戒を持って当るべきです」
「はい、ヤヨイ……絶対に許しません。異例の魔物の発生源を必ず突き止めてぶっ潰しますから」
ヤヨイさんの言葉が荒むと同時に凄まじい殺気を感じました。仇を討つと決めた事で、抑えていた怒りが溢れ出た様です。
そんな折に、ヤヨイさんが席を立ち天幕の外の様子を伺いますと。
「小隊の帰りが遅い気がします」
「言われてみますと……戻っていてもおかしくない程度には時間が経っている気がします」
結界の外を見据えても、兵士さんが戻ってくる様子はありません。遠くにいる兵士さん達も何やら結界の境に集まっているようです。
「どうしたんでしょう?」
「妙ですね、ヤヨイ達も行ってみましょう」
「解りました」
微妙に嫌な予感がします。私はまだ結界から外に出ていませんから、他の方に被害は無いと思うのですが……。
0
あなたにおすすめの小説
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
縫剣のセネカ
藤花スイ
ファンタジー
「ぬいけんのせねか」と読みます。
--
コルドバ村のセネカは英雄に憧れるお転婆娘だ。
幼馴染のルキウスと共に穏やかな日々を過ごしていた。
ある日、セネカとルキウスの両親は村を守るために戦いに向かった。
訳も分からず見送ったその後、二人は孤児となった。
その経験から、大切なものを守るためには強さが必要だとセネカは思い知った。
二人は力をつけて英雄になるのだと誓った。
しかし、セネカが十歳の時に授かったのは【縫う】という非戦闘系のスキルだった。
一方、ルキウスは破格のスキル【神聖魔法】を得て、王都の教会へと旅立ってゆく。
二人の道は分かれてしまった。
残されたセネカは、ルキウスとの約束を胸に問い続ける。
どうやって戦っていくのか。希望はどこにあるのか⋯⋯。
セネカは剣士で、膨大な魔力を持っている。
でも【縫う】と剣をどう合わせたら良いのか分からなかった。
答えは簡単に出ないけれど、セネカは諦めなかった。
創意を続ければいつしか全ての力が繋がる時が来ると信じていた。
セネカは誰よりも早く冒険者の道を駆け上がる。
天才剣士のルキウスに置いていかれないようにとひた向きに力を磨いていく。
遠い地でルキウスもまた自分の道を歩み始めた。
セネカとの大切な約束を守るために。
そして二人は巻き込まれていく。
あの日、月が瞬いた理由を知ることもなく⋯⋯。
これは、一人の少女が針と糸を使って世界と繋がる物語
(旧題:スキル【縫う】で無双します! 〜ハズレスキルと言われたけれど、努力で当たりにしてみます〜)
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?
しゃーりん
恋愛
婚約者を妹に取られる。
そんな小説みたいなことが本当に起こった。
婚約者が姉から妹に代わるだけ?しかし私はそれを許さず、慰謝料を請求した。
婚約破棄と共に跡継ぎでもなくなったから。
仕事だけをさせようと思っていた父に失望し、伯父のいる辺境に行くことにする。
これからは辺境で仕事に生きよう。そう決めて王都を旅立った。
辺境で新たな出会いがあり、付き合い始めたけど?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる