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5章
二回戦と私の魔道武器
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「ええと……二回戦目は第一実技訓練用地でしたね」
次の試合も控えておりますので、多少急ぎつつ訓練用地の中心に向かいます。
妓の部門は淡々とした流れ作業の様でもあり、複数の訓練用地で次々と試合が消化されています。大勢の一般の方が各訓練用地を取り囲むように観戦しておりますけれど、見ていて楽しいかどうかは……少々疑問です。
試合はクラス別では無く抽選で行われますので、クラスCとクラスSの学生が当たる事も普通にあります。そういった場合は余りの力量差故に瞬時に決着がついてしまい、見ている側としては物足りないのでは……と思ったのですけれど。
「ねーちゃーんがんばれー負けるなー!!」
隣の第二訓練用地の観戦席から、元気な男の子の声が響いています。隣ではクラスAとクラスBの男女が戦っており、男の子はクラスBの女の子に向けて声援を送っている様です。その声援に応えるかの様に、劣勢だったクラスBの女の子がクラスAの男子学生を相手に押し返しました。
「やったーねーちゃが勝ったー!!」
第二実技訓練用地から大歓声があがりました。最初に疑問に思っていた私ですけれど、今なら解ります。こうして身内を応援したり、力量差を逆転したりする試合もあるからこそ、観客の皆様は楽しく観戦していらっしゃるのでしょう。昨日よりも観戦者が増えていますし、隣で行われた試合の様に、私も頑張らないといけません。
第一実技訓練用地の中心に着きますと、既に対戦相手の方が立っていらっしゃいます。隣の訓練用地を見ながら、嬉しそうに微笑んでいらっしゃるようでした。二回戦目のお相手はとても見知った方でしたので、私から声をかけます。
「こんにちは、ミアさん。お隣の試合を見ていらしたのですか?」
「あら、ミズキ様。ええ、お隣の試合を興味深く拝見しておりましたの。あのクラスBの子は、いずれクラスSに在籍する事となるでしょう。相当な資質を感じました」
「私もそう思います。人は成長しますものね」
「ええ、私も負けていられません。二回戦目のお相手がミズキ様でしたら、私の成長の為にはこれ以上ないお方ですわ」
審判役の先生の合図と同時に、私とミアさんが一礼をします。そして、ミアさんが魔道武器を構えました。
「休息時間の際に、クリスティア様からお聞きしたのですけれど、ミズキ様の魔道武器が完成したそうですわね」
「はい、お陰様で。とても貴重な武器を頂けて、大変嬉しく思っています」
「でしたら是非、その魔道武器をこの試合で振るって下さいませ。私も本気を持ってお相手させて頂きますわ」
言葉に偽りなし、と言わんばかりの魔力を魔道武器に反応させ始めたミアさん。この学院都市全体で五指に入ると言われるミアさんからは、もう少しで五姫に届きそうな程の大きな魔力を感じます。いえ、恐らくは五姫と同等かもしれません。
クラスCとの合同実技訓練の際、ミアさんは少量の魔力を魔道武器に反応させていました。己が実力を知っているからこそ、加減していたのでしょう。その時とは違い、今のミアさんは非常に大きな魔力を魔道武器に反応させています。
私としてもミアさんのような実力者がお相手ですと、大変助かります。むしろ私から本気を出してほしいとお願いしたいくらいですもの。
「解りました。私も学院一の実力を持つミアさんと試合が出来て、大変光栄に思います。どうぞ宜しくお願い致します」
「あ、ですがその……。水の龍は控えて頂けると大変助かりますわ……」
クラスSの実技訓練の際、開幕に水の龍を放った訳ですけれど。ミアさんにとっては、あの時の龍が相当恐怖だったようです。まぁ……白組の女性陣も怖がっていましたし、本来それが普通の反応なのかもしれません。
「大丈夫ですよ、正々堂々と魔道武器の力でお相手させて頂きます」
「それを聞いて安心しました。大変感謝致しますわ。それでは気を取り直して……参ります」
先生が試合の開始を宣言しました。魔道武器の剣を正面に構えたミアさんが、すり足で少しずつ間合いを詰めています。その動きには無駄がなく、隙もありません。
では、早速使わせて頂きましょう。出番ですよ、私の魔道武器。
「来て下さい、私の魔道武器よ」
右手を前に差し出しますと、血術空間に収められていた魔道武器が少しずつ手のひらの上に現れます。完全に姿を現した所で手に取り、斜めに軽く素振りをしますと、小気味よい風切り音がしました。
観客の皆様には、一見すると武器を召喚しているかの様に見えたかもしれません。私の魔道武器を見た周囲の観客から、どよめきや驚きの声が聞こえてきています。
「ミ、ミズキ様? その魔道武器……今、何処から取り出したのですか? いえ、そもそも……。何ですの、そのとてつもない大きさの魔道炉は……」
ミアさんも同じ様に驚いた様子です。やはり、この大陸でも収納能力は不可解に見えるのですね……。何方かと言えば、魔道炉の大きさに対して驚いているのだと思いますけれど。
「ええと……説明すると長くなりますので、詳しくは試合後に」
「わ、解りました。ミズキ様は本当に不思議なお力をお持ちですわね」
「実感は無いのですけれども……」
「ご謙遜を。……では、私からいきますわよ!」
すり足から一気に踏み込みに切り替えたミアさんが正面に構えていた魔道武器を振り上げました。刀身が赤く輝き出し、凝縮した魔力が剣全体を包んでいます。ミアさんの剣は今、硬い宝石すらも容易く両断出来てしまいそうな程に、斬撃能力に特化した状態にあるようです。
仮に相手が私でなく一般の学生だった場合、この時点で降参していてもおかしくありません。例え同じクラスSの学生であっても、今ミアさんの魔道武器を受けますと、受けた側の武器が一瞬で真っ二つです。
この学院都市には五指と呼ばれる実力者があと四人いる訳ですけれど、その方々ならミアさんの攻撃は防げる筈ですよね。ミアさんはその方々と同じ様に私が攻撃を防ぐと判断したのでしょう。
その判断は大変正しいです。
「さぁ、私の魔道武器、その力を見せて下さい」
右手に持つ魔道武器に魔力を反応させます。相手がミアさんであれば、多少反応させる魔力を上げても平気でしょう。むしろ、こちらもしっかり魔力で刀身を守らなければ、ミアさんと斬り結ぶ事は出来ませんものね。
魔力を込めますと、魔道武器がまた嬉しそうにしている感覚があります。魔道武器を使うのは初めてですので、嬉しそうにしていると感じるこの感覚が普通の事なのかどうか、まだ解りませんけれど。
「私の魔力に耐えられるその力、試させて下さいね」
私の魔力を受けた魔道武器の刀身が虹色に輝きだし、剣その物からも絶え間なく虹色の波動が溢れ出ています。
「先ずはこの一撃、受けて頂きますわよ」
間合いを詰めて来たミアさんが上段から真っ直ぐに剣を振り下ろしました。その斬撃を手に持つ魔道武器の剣で受け止めます。受け止めた瞬間、虹色の波動が大きく広がります。
「……驚きましたわ。片手で私の斬撃を受け止めているなんて。やはり、その魔道炉の大きさは本物ですわね」
「まだ防いだだけですけれどね」
水の魔法や古代血術の様に、展開可能な攻撃方法か頭の中に浮かんでくる訳ではありませんので、ミアさんの攻撃を受け止めた状態で何が出来るのかを考えます。
一番無難な方法として、ミアさんの様に先ずは刀身に魔力を集中させてみましょうか。と、そう思い立ったところで、何やら魔道武器が沢山の魔力を要求しているように感じました。
シャウラ母様の注意が一瞬脳裏を過りますが、それ程危険な感じはしません。魔道武器が要求する魔力を剣に込めますと、虹色の波動がさらに膨れ上がり、ミアさんがとっさに私から離れて間合いを取りました。
「何かするつもりの様ですね。ミズキ様が持つ魔道武器の能力、見させて頂きますわ」
武器に魔力が収束し、輝きが増した瞬間。周囲に虹色の閃光が広がり、持っていた筈の魔道武器が突然、手から無くなりました。
「あ、あれ……?」
虹色の閃光で辺りが見えない中、突然無くなった魔道武器の行方を探しますと。いつの間にか私の前に誰かが立っていました。
ミアさんが隙をついて攻撃に転じたのかと思いましたけれど、その考えは直ぐに間違いであると解ります。
「え……?」
虹色の閃光も波動も消え、辺りが見えるようになった時。私の前に、見慣れない女の子が立っていました。
次の試合も控えておりますので、多少急ぎつつ訓練用地の中心に向かいます。
妓の部門は淡々とした流れ作業の様でもあり、複数の訓練用地で次々と試合が消化されています。大勢の一般の方が各訓練用地を取り囲むように観戦しておりますけれど、見ていて楽しいかどうかは……少々疑問です。
試合はクラス別では無く抽選で行われますので、クラスCとクラスSの学生が当たる事も普通にあります。そういった場合は余りの力量差故に瞬時に決着がついてしまい、見ている側としては物足りないのでは……と思ったのですけれど。
「ねーちゃーんがんばれー負けるなー!!」
隣の第二訓練用地の観戦席から、元気な男の子の声が響いています。隣ではクラスAとクラスBの男女が戦っており、男の子はクラスBの女の子に向けて声援を送っている様です。その声援に応えるかの様に、劣勢だったクラスBの女の子がクラスAの男子学生を相手に押し返しました。
「やったーねーちゃが勝ったー!!」
第二実技訓練用地から大歓声があがりました。最初に疑問に思っていた私ですけれど、今なら解ります。こうして身内を応援したり、力量差を逆転したりする試合もあるからこそ、観客の皆様は楽しく観戦していらっしゃるのでしょう。昨日よりも観戦者が増えていますし、隣で行われた試合の様に、私も頑張らないといけません。
第一実技訓練用地の中心に着きますと、既に対戦相手の方が立っていらっしゃいます。隣の訓練用地を見ながら、嬉しそうに微笑んでいらっしゃるようでした。二回戦目のお相手はとても見知った方でしたので、私から声をかけます。
「こんにちは、ミアさん。お隣の試合を見ていらしたのですか?」
「あら、ミズキ様。ええ、お隣の試合を興味深く拝見しておりましたの。あのクラスBの子は、いずれクラスSに在籍する事となるでしょう。相当な資質を感じました」
「私もそう思います。人は成長しますものね」
「ええ、私も負けていられません。二回戦目のお相手がミズキ様でしたら、私の成長の為にはこれ以上ないお方ですわ」
審判役の先生の合図と同時に、私とミアさんが一礼をします。そして、ミアさんが魔道武器を構えました。
「休息時間の際に、クリスティア様からお聞きしたのですけれど、ミズキ様の魔道武器が完成したそうですわね」
「はい、お陰様で。とても貴重な武器を頂けて、大変嬉しく思っています」
「でしたら是非、その魔道武器をこの試合で振るって下さいませ。私も本気を持ってお相手させて頂きますわ」
言葉に偽りなし、と言わんばかりの魔力を魔道武器に反応させ始めたミアさん。この学院都市全体で五指に入ると言われるミアさんからは、もう少しで五姫に届きそうな程の大きな魔力を感じます。いえ、恐らくは五姫と同等かもしれません。
クラスCとの合同実技訓練の際、ミアさんは少量の魔力を魔道武器に反応させていました。己が実力を知っているからこそ、加減していたのでしょう。その時とは違い、今のミアさんは非常に大きな魔力を魔道武器に反応させています。
私としてもミアさんのような実力者がお相手ですと、大変助かります。むしろ私から本気を出してほしいとお願いしたいくらいですもの。
「解りました。私も学院一の実力を持つミアさんと試合が出来て、大変光栄に思います。どうぞ宜しくお願い致します」
「あ、ですがその……。水の龍は控えて頂けると大変助かりますわ……」
クラスSの実技訓練の際、開幕に水の龍を放った訳ですけれど。ミアさんにとっては、あの時の龍が相当恐怖だったようです。まぁ……白組の女性陣も怖がっていましたし、本来それが普通の反応なのかもしれません。
「大丈夫ですよ、正々堂々と魔道武器の力でお相手させて頂きます」
「それを聞いて安心しました。大変感謝致しますわ。それでは気を取り直して……参ります」
先生が試合の開始を宣言しました。魔道武器の剣を正面に構えたミアさんが、すり足で少しずつ間合いを詰めています。その動きには無駄がなく、隙もありません。
では、早速使わせて頂きましょう。出番ですよ、私の魔道武器。
「来て下さい、私の魔道武器よ」
右手を前に差し出しますと、血術空間に収められていた魔道武器が少しずつ手のひらの上に現れます。完全に姿を現した所で手に取り、斜めに軽く素振りをしますと、小気味よい風切り音がしました。
観客の皆様には、一見すると武器を召喚しているかの様に見えたかもしれません。私の魔道武器を見た周囲の観客から、どよめきや驚きの声が聞こえてきています。
「ミ、ミズキ様? その魔道武器……今、何処から取り出したのですか? いえ、そもそも……。何ですの、そのとてつもない大きさの魔道炉は……」
ミアさんも同じ様に驚いた様子です。やはり、この大陸でも収納能力は不可解に見えるのですね……。何方かと言えば、魔道炉の大きさに対して驚いているのだと思いますけれど。
「ええと……説明すると長くなりますので、詳しくは試合後に」
「わ、解りました。ミズキ様は本当に不思議なお力をお持ちですわね」
「実感は無いのですけれども……」
「ご謙遜を。……では、私からいきますわよ!」
すり足から一気に踏み込みに切り替えたミアさんが正面に構えていた魔道武器を振り上げました。刀身が赤く輝き出し、凝縮した魔力が剣全体を包んでいます。ミアさんの剣は今、硬い宝石すらも容易く両断出来てしまいそうな程に、斬撃能力に特化した状態にあるようです。
仮に相手が私でなく一般の学生だった場合、この時点で降参していてもおかしくありません。例え同じクラスSの学生であっても、今ミアさんの魔道武器を受けますと、受けた側の武器が一瞬で真っ二つです。
この学院都市には五指と呼ばれる実力者があと四人いる訳ですけれど、その方々ならミアさんの攻撃は防げる筈ですよね。ミアさんはその方々と同じ様に私が攻撃を防ぐと判断したのでしょう。
その判断は大変正しいです。
「さぁ、私の魔道武器、その力を見せて下さい」
右手に持つ魔道武器に魔力を反応させます。相手がミアさんであれば、多少反応させる魔力を上げても平気でしょう。むしろ、こちらもしっかり魔力で刀身を守らなければ、ミアさんと斬り結ぶ事は出来ませんものね。
魔力を込めますと、魔道武器がまた嬉しそうにしている感覚があります。魔道武器を使うのは初めてですので、嬉しそうにしていると感じるこの感覚が普通の事なのかどうか、まだ解りませんけれど。
「私の魔力に耐えられるその力、試させて下さいね」
私の魔力を受けた魔道武器の刀身が虹色に輝きだし、剣その物からも絶え間なく虹色の波動が溢れ出ています。
「先ずはこの一撃、受けて頂きますわよ」
間合いを詰めて来たミアさんが上段から真っ直ぐに剣を振り下ろしました。その斬撃を手に持つ魔道武器の剣で受け止めます。受け止めた瞬間、虹色の波動が大きく広がります。
「……驚きましたわ。片手で私の斬撃を受け止めているなんて。やはり、その魔道炉の大きさは本物ですわね」
「まだ防いだだけですけれどね」
水の魔法や古代血術の様に、展開可能な攻撃方法か頭の中に浮かんでくる訳ではありませんので、ミアさんの攻撃を受け止めた状態で何が出来るのかを考えます。
一番無難な方法として、ミアさんの様に先ずは刀身に魔力を集中させてみましょうか。と、そう思い立ったところで、何やら魔道武器が沢山の魔力を要求しているように感じました。
シャウラ母様の注意が一瞬脳裏を過りますが、それ程危険な感じはしません。魔道武器が要求する魔力を剣に込めますと、虹色の波動がさらに膨れ上がり、ミアさんがとっさに私から離れて間合いを取りました。
「何かするつもりの様ですね。ミズキ様が持つ魔道武器の能力、見させて頂きますわ」
武器に魔力が収束し、輝きが増した瞬間。周囲に虹色の閃光が広がり、持っていた筈の魔道武器が突然、手から無くなりました。
「あ、あれ……?」
虹色の閃光で辺りが見えない中、突然無くなった魔道武器の行方を探しますと。いつの間にか私の前に誰かが立っていました。
ミアさんが隙をついて攻撃に転じたのかと思いましたけれど、その考えは直ぐに間違いであると解ります。
「え……?」
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