【ライト版】元死にたがりは、異世界で奴隷達と自由気ままに生きていきます。

産屋敷 九十九

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第3章 奴隷と暮らすまで

第12話

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 人混みをかき分けながら道行くところの様々な看板見ながら通り過ぎる。

(全然読めねぇな……)

 それでも、"神の慈悲"とやらで会話はできるからマシか、と思う。辞典を開いた時に見た文字もあったので、勉強すれば大丈夫だろう。そのために知識の豊富な者を買った雇ったのだ。

「家具屋を見つけたら教えてくれ。人が多いので、うっかり見逃すかもしれん」

 私の背が低く、人が多いのをいいことに、上手いことを言って文字が読めないことを隠す。

「ご主人様、あちらに家具屋があります」

「あそこか、有難う」

 暫く歩いていると、エルフが指差す先に家具の置いてある店があった。

 その家具屋に入った。家具屋は二階建てになっており、全体で見てみると、一階がリビング、二階が寝室で使うような物とに分かれている。

 家具屋なので、テーブルや椅子、寝具など様々あるわけだが、何故この家具屋にこんなものがあるのか、疑問だ。

「何だこれ、菓子か?」

 そう言って私は籠に入った複数のキューブボックスからひとつを手に取って、くるくる手のひらで転がしながら見る。何故だかひとつの家具につきこのキューブボックスの入った籠がひとつ側に置かれているのだ。

「違う。これはこの寝具を圧縮したものだ。この真ん中のへこんだところを押せば、それと同じ大きさになる」

「へぇ~」

 籠の側に置かれた寝具と私の手のひらのキューブボックスを交互に指差しながら鬼人が説明してくれる。キューブボックスのサイズは縦横五センチメートルくらいで、一箇所の面だけにへこみと、この世界の文字が書かれていた。

(これなら、家まで届けてもらわなくても大丈夫だな)

 一日で大体は揃いそうだと安堵する。特に龍人は寝具にこだわってたしな。

 家具屋の出入り口にある買い物籠を彼らに持たせて、自室に必要な物を自由に選びに行かせた。私がいると選びづらいだろう。

 徐々に私がこういう人間だと割り切りつつあるのか、初日に服を選びに行かせた時より戸惑いなどは見られない。

(いい兆候だ)

 勿論、私も選ぶために買い物籠を持った。家具屋の全体として、アンティーク調の物が多いが、ここまで多く一般的かのように置かれていると、アンティークというものがただの古いだけの物に見えてならない。アンティーク調の家具は、彫られている独特なデザインのせいか、他の家具に比べて多少価格が高くなっている。

 日本では良いと思えていたものが時代が違うとこうも見え方が違ってくるのかと内心驚く。ここが中世ヨーロッパに近いといえど、全く別世界ではあるが。

 家具に対してそこまでこだわりはないが、屋敷に馴染むようなもので、かつ普段使いしやすいものがいいと考え、明るいシャンパンのカントリー家具に揃えることにした。寝具はキングサイズにした。日本では敷布団だったため、ベッドで寝た経験がない。落ちたら嫌なので、大きなサイズを選んだのだ。

 あとは、狐人が使う医学書用の本棚と娯楽と勉強用に使う本棚、正餐室食事場所のテーブルと椅子、ソファ、食器、フライパン、鍋、保存容器、包丁、ゴミ箱、エプロンなどを籠に入れていった。皆んなで使う物も含まれているので、多めに入れておいた。

(部屋数も多いし、あまったらそっちにまわせばいいか……)

 金持ち思考になりつつある自分に、いかんいかんと頭を振って冷静になる。

 暫くして、彼らが私の元へ戻ってきたので支払いを済ませて家具屋を後にした。

「龍人、寝具はあったのか?」

「うむ、キングキングサイズにしたぞ」

「キングの更に上があったのか⁉︎」

 帰ってから彼らの部屋がどんなデザインになるのか楽しみだ、思う隼人であった。


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