【ライト版】元死にたがりは、異世界で奴隷達と自由気ままに生きていきます。

産屋敷 九十九

文字の大きさ
60 / 103
第3章 奴隷と暮らすまで

第16話

しおりを挟む
「ほいっ! ガキンチョ、普通の魔銃二丁とオーダーメイドの魔銃二丁。それから、魔石と火、水、土、雷、風、無属性の魔結石が六〇個ずつ……だな!」

 あれから私たちは、またカウンターへ戻ってきた。リンジーはカウンターテーブルに四丁の魔銃を置いて、魔石と魔結石を引き出しから取り出してきた。

「はい、有難うございます」とテーブルに置かれた物を確認して、代金を支払いながらリンジーに聞く。

「それと、リンジーさん、彼らに合った武器を選ぶの、手伝って頂けませんか?」

 リンジーは「おう! いいぜ!」と真っ白な歯を見せて快く引き受けてくれた。武器が必要なのは狼人と鬼人だけで、他の三人はどちらかというと魔法重視なので要らないようだ。


***


 暫く彼らの武器選びを見ていると、魔道具屋のカウンターからウルジーに呼ばれた。

「あんちゃん! 調整出来たぜ!」

「有難うございます」  

 ウルジーによって、カウンターに置かれた六つのアイテムボックスを確認し、代金を支払う。

「あと、これはオマケだぜ!」

「有難うございます、って……これは?」

 カウンター下からぽんっとテーブル上にウルジーが置いたそれは、どう見ても三つの無属性の魔結石だった。何故オマケをこれにしたのか。

「魔力少ねぇと、魔道具使いづれぇだろ?」

「……どういうことですか?」

 私はウルジーの言っている意味が分からず首を傾げる。

「ああ、そうか。あんちゃんは田舎にいたから、知らないんだったな!」

 ウルジーは、「あちゃー忘れてた」といった様子で、額に手のひらをぱちんと一度当て、続けて話す。

「特に日常生活用の魔道具、例えば部屋の灯りとかだな。そういう魔道具には大抵魔石が埋め込まれている。それを使用するためには、魔力をそこに注ぐ必要がある。だが、魔力の少ない人は魔道具に注ぐ量が少ないから魔道具が発動しないんだ。だから、魔結石を使って魔道具を使うんだよ」

(ってことは、シャワーにも使えるってことか)

 不安が一つ消え、ほっと安堵する。

「だが、この場合、魔結石は無属性と決まっている」

「何故ですか?」

「火、水、土、雷、風には利点となる属性があり、また弱点となり得る属性もある。だが、無属性にはそれがない。つまり、他のどの属性に対しても、五〇パーセントのダメージしか与えられないということだ。
 魔結石はイメージするだけで、魔法が使えるから加減がとても難しい。
 例えば、火属性の魔結石でシャワーを浴びるための魔道具に力を注げば、その魔道具が熱によって溶けてしまうことだってある。だが、無属性なら多少加減を間違えても、そんなことはあまり起こらないんだ」




───────────────────

        ~おさらい~

【魔力と属性の話】
 この世界の人間の体内には、魔力が存在します。魔法を使用する際、体内の魔力を変換させて、属性を決定し体外へ魔法を放出します。

 魔結石は、体内の魔力を変換させて、属性を決定した時の人間の状態と似ている。

 魔石は、人間の身体でいうところの、属性を決定する前の体内の魔力と似ている。

【魔石と魔結石】
 魔石とは、少量の魔力を魔石に流すことで倍の力を発揮して魔法を放出するもの。魔力が必要であり、魔石に魔力を注がないと使えない。

 魔結石とは、特定の魔力を秘めている石のこと。これに必要なのはイメージのみで魔力を必要としない。

 


しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

底無しポーターは端倪すべからざる

さいわ りゅう
ファンタジー
運び屋(ポーター)のルカ・ブライオンは、冒険者パーティーを追放された。ーーが、正直痛くも痒くもなかった。何故なら仕方なく同行していただけだから。 ルカの魔法適正は、運び屋(ポーター)に適した収納系魔法のみ。 攻撃系魔法の適正は皆無だけれど、なんなら独りで魔窟(ダンジョン)にだって潜れる、ちょっと底無しで少し底知れない運び屋(ポーター)。 そんなルカの日常と、ときどき魔窟(ダンジョン)と周囲の人達のお話。 ※タグの「恋愛要素あり」は年の差恋愛です。 ※ごくまれに残酷描写を含みます。 ※【小説家になろう】様にも掲載しています。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...