【ライト版】元死にたがりは、異世界で奴隷達と自由気ままに生きていきます。

産屋敷 九十九

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第3章 奴隷と暮らすまで

第22話

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 その後、鬼人とエルフ以外の奴らはどんなのを選んでいるのだろうと、忍ぶようにそっと斜め後方から遠目でちらりと覗いてみれば、龍人はバスローブ、狼人と狐人は前回と変わらずカッターシャツを見ていた。

 龍人の手に持つバスローブを見ていると、バスローブを身に纏う龍人が、ワイン片手に晩酌している姿が目に浮かんだ。

(……似合うな)

 奴隷堕ちする前の彼は、かなり位の高いところの家だったのだろうか? 常に落ち着いた話し方や堂々とした態度が変わらないところからも、それが窺える。

 狼人の籠に入っているのは、白いカッターシャツばかりだ。あとは、寝巻きらしきものが籠の隙間から見える。彼は護衛で、護衛といえば、冒険者のイメージが強く、話し方がぶっきらぼうな印象があった。だが、敬語は使えるようだし教養はあるように思える。

 この世界の教養レベルは把握出来ていないが、ラノベの設定からすれば貴族といった位の高いところでないと敬語が使い熟せないのでは、と思った。カッターシャツも職業に関係している……? どんな家で育ったんだろうか。一体、どんな職についていたんだろう。

 狐人は、まぁ医師だし、カッターシャツは職業柄か? 

 そんなことを考えながら狐人の背中を見ていると、彼の頭頂に付いたぴんと立ったふたつの耳がぴくぴくと動いて首がぐるんと回り顔をこちらへ向けて、その視界に私を捉えた。

「つっ………⁉︎」

 瞬間、覗き見によって無意識にも彼らを深く知ろうとしてしまったという罪悪感と、まるで犯罪でも犯してしまったかのような感情抱いた。しかし、前方にいる狐人といえば、そんな私の心情など知るはずもなく、胸の前で腕をクロスさせてくねくねし始めた。背後の尻尾が優雅に揺れている。

 これは……アレだ。「いやん、エッチ」のポーズだ。

(なんか……腹立つなぁ)

 少し沈んでしまった気持ちが苛立ちによって、すっかり塗りつぶされてしまった。

 奴隷は元より皆んな訳ありだ。彼らの過去は気になるところではあるが、深く詮索するのはよそう、そして、いつか話してくれるその日まで、気長に待とうと心に決めた隼人であった。


***


 無事に服を揃えて、男性専門店を出た隼人たちが次に向かう先は────

「アイテムボックスは、食い物入れても腐らないんだっけ?」

 顔を前方へ向けたまま背後にいる彼らに聞けば、「何を言っている。腐るに決まっておるだろう……」と呆れたような龍人の声が聞こえてきた。

(腐るのか……ここはラノベと違うな)

 じゃあ、食べ物は最後にした方が良さそうだな、他に何を買おうか、そんなことを考えていると別の声が飛んでくる。
 
「ご主人様、生活魔道具はお持ちでしょうか?」とエルフが聞いてきた。聞き慣れない単語に足を止めて振り返り、「なんだ、それは」と問う。

「料理や洗濯などをするための魔道具のことです」

(家電製品みたいなもんか……)

 そういえば、ウルジーも魔道具の話の時に、ちらっと言ってたな。

"特に日常生活用の魔道具、例えば部屋の灯りとかだな"

「じゃあ、それを買いに行こうか」

 そして、隼人たちは生活魔道具を買いに向かったのだった。


 
 
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