異世界行っても怠惰を貫く。

産屋敷 九十九

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確実に全人類ブサイクになるわ。

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両肩に目をやれば、ドラゴンはでかい爪で挟むように摘んでいた。





全然痛くない。

血の一滴もでないとは、器用だな。

ドラゴンともあれば、私をすぐにでも握り潰せるのに。

なぜ潰さない?

なぜ喰わない?

このドラゴンの目的は、なんだ?

さては子供に喰わせる気なのか?

っていうか、この状況で冷静に考えられる私、スゲェ。

だれか褒めろ!





そんなこと考えている間にも、ドラゴンの飛行速度は加速していく。

身体に受ける強い風は、全身の皮膚を後方へ押し上げていく。





まともに目ぇ開けられねぇ。




と目を閉じるが、

風が瞼を押し上げていく。






目ぇ痛って。






目をつぶっていても目が痛い。

風のせいで強制的に目を開けさせられ、白目になる。






鏡、見なくても今、私スゲェ不細工だってわかるわ。

てか、全人類これやったらみんなブスだわ。

ウケる。






グオォォオォオオ。







ドラゴンが再び鳴いた。





うおっ、強風と鳴き声のダブルパンチはキツイわ。

だって、強風で手を耳まで持っていけねーし。






直後、飛行速度が緩み目を開けることができた。

目を開ければ、木々の中に一つ大きな城が建っていた。

世界遺産に指定されそうなくらい、とにかく大きくて美しい城だ。

ドラゴンは私を城の正面にある扉の前にゆっくり下ろし立たせると、今度は私の背中の服を加えて持ち上げた。




親に運ばれる子猫の気持ちに近い気もしないでもない。




露わになった肌にドラゴンの息遣いを感じぞわりとした。





いや、全然子猫の気持ちになれねーわ。





ドラゴンはそのまま慣れたようにどしりどしりと音を立てながら、中へ入って行く。

数多の部屋の扉を通り過ぎ、一際目立つ大きな扉の前にドラゴンが立ち止まれば、自動で扉が開いた。

入ればステンドガラスを背に椅子に深く腰掛け、頬杖をつく若い青年がそこにいた。
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