異世界行っても怠惰を貫く。

産屋敷 九十九

文字の大きさ
12 / 52

警戒心ゼロは、やばいよな。

しおりを挟む
モグモグモグモグ、ごっくん。

モグモグモグモグ、ごっくん。

モグモグモグモグモグモグモグモグ‥‥‥

Sランクの音をならした後、また、ご飯をご馳走になっていた。

そこまでは、昨日と同じだった。

「あの、陛下、食べにくいんだが‥‥‥」

「気にせず食うがいい」

陛下が目の前にいることを除けば‥‥‥‥。

「陛下と呼ばれる、位の高い人が目の前にいたら、緊張して食事が喉を通らないだろうよ‥‥‥‥」

「食事は喉を通っているように見えるが?」

「例えですよ、例え。とにかく、このペースでは腹は満たされんのよ」

「腹を満たせるほどの食材はおまえが食い尽くせんくらいある。急がず好きなだけ食え」

いまさらだが、なんでこんなにもてなされてるんだろうか?

ハッ! さては‥‥‥‥

「豚のようになるまで私を太らせ、最終的に私が食材になるということはないよな?」

「‥‥‥だとしたら、どうする?」

口の端を不気味な程までつり上げてにやりと笑みを浮かべるその顔は、まさしく悪魔。 

あ、これアカンやつや。 

脳が危険を察知してNOと叫んでいる。 

脳だけにNO、なんちゃって。

危険を知らせるサイレンが身体中に張り巡らされた神経から細胞に響き渡り、身体を動かす。

脳は、身体は、『逃げろ』と言っている。




ガッシャーーーーーーーーーン!




防衛的反応とでもいうのだろうか。

無意識的反応とでもいうのだろうか。

性格的反応とでもいうのだろうか。

とにかく、ごく自然に身体が動き、食堂の窓硝子を突き破った。

からだがふわりと宙に浮く。

不思議と、 

焦りはない。

恐怖もない。

後悔はない。

凶器となった硝子の破片が、ちくりと肌を刺したが気にとめるほどの痛みではなかった。

死ぬかな。 

静かに悟った。

思ったよりも簡単に、すとんと受け入れられた。

死に方を勝手に決められるくらいなら、こっちで先に決めてやる。

自分がこんなにも無鉄砲だとは驚きだが‥‥‥‥。

「ぐえッ!」

このまま落ちて死ぬと思っていたら、首根っこをつかまれた。

「大丈夫ですか? お嬢様」 

顔を上に向ければ、メイドのリーナがそこにいた。

お嬢様? 私のことか?

「陛下、人間であるお嬢様に魔力覇気を浴びせて試そうなどとしてはいけませんよ。しかも食事中に‥‥‥‥」

「すまん、リーナ。相手を試すには、気が緩んでいるときこそが見極めやすいというものだ」

「‥‥‥‥左様でございますか」

「だが、これで安心できただろう? この人間が敵ではないということがな」



 
 
‥‥‥‥‥うむ。ちと周りを信用しすぎたかな?


これからは警戒するよう心がけるとしよう。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

忍者ですが何か?

藤城満定
ファンタジー
ダンジョンジョブ『忍者』を選んだ少年探索者が最強と呼ばれるまで。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

農民レベル99 天候と大地を操り世界最強

九頭七尾
ファンタジー
【農民】という天職を授かり、憧れていた戦士の夢を断念した少年ルイス。 仕方なく故郷の村で農業に従事し、十二年が経ったある日のこと、新しく就任したばかりの代官が訊ねてきて―― 「何だあの巨大な大根は? 一体どうやって収穫するのだ?」 「片手で抜けますけど? こんな感じで」 「200キロはありそうな大根を片手で……?」 「小麦の方も収穫しますね。えい」 「一帯の小麦が一瞬で刈り取られた!? 何をしたのだ!?」 「手刀で真空波を起こしただけですけど?」 その代官の勧めで、ルイスは冒険者になることに。 日々の農作業(?)を通し、最強の戦士に成長していた彼は、最年長ルーキーとして次々と規格外の戦果を挙げていくのだった。 「これは投擲用大根だ」 「「「投擲用大根???」」」

処理中です...