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【ガルシア視点】ダチの条件
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「チッ。察しのいいやつだな」
そう舌打ちしながらも、俺は、少しだけ楽しくもあった────
「いや~それほどでも」
人間は、えへへーと後頭部をかく。
「褒めてねーよ!」
種族差別さえなければ、こんな風に他の人間と話したり、からかったりできたのだろうか────。
「えっ! そうなの⁉︎ 喜んでショッキング」
今度は、両手で両頬の肉を下へ引っ張り、口をへの字に曲げ、オーバーリアクションする。
大人しくしていれば、それなりに可愛く……いや、そこらの人間に比べりゃ美人だったりする。
性格と仕草さえもっと可愛らしけりゃ完璧なんだがな……まぁ、所詮、いいのは顔だけだというわけだ。
「いちいち癪にさわる奴だな」
「あっそれ、よく言われる!」
人間は、ウインクしながら両手で銃の形を作ってコッチに向けてきた。
「………もういいや」
そう吐き捨てれば、人間はわかりやすく勝ち誇ったようにニヤニヤする。
その顔、スッゲー腹立つ。
だが、その苛立ちさえも悪くないと思ってしまっているのは、俺の勘違いじゃねーだろうな。
ここでまた言い返せば、のらりくらりとかわされ、からかうような笑みを向けられて終わるのが目に見えている。
口では勝てないのがわかった今、ここは言い返したいという気持ちを堪えるべきだろう。
話しが全く進まねーしな。
「で、おまえリーナ探してんのか?」
俺は言い返すこともなく、話しを進めた。
リーナを探してたみてぇだったから、メシの買い出しに行ったと伝えれば、人間は不思議そうに首を傾げていた。
『食材は食べきれないくらい沢山ある』と陛下から聞いたそうだ。
ありえない話だが、その食材を食い尽くしたのがおまえだろうよ。
あのメシの量は、ドラゴンでも食いきれねーと思う。
それを伝えれば、『そんなのありえない』というような表情で首を振っていた。
だが、俺が嘘をついていないのだと悟るとまたもやオーバーリアクションで驚いていた。
コイツのオーバーリアクションが演技なのか素なのかいまいちわからねぇ………。
「そりゃ悪いことをしたな。で、おまえ誰?」
い、今更それ聞くか?
……まぁいい。
「リーナの代わりにおまえの世話と護衛を任されたガルシアだ」
首根っこを掴んでる理由もなくなったので、とりあえず人間をゆっくり床に立たせた。
特に人間は首根っこを掴まれていたことを気にすることもなく、話しを続けた。
「あ、だからドアの前にいたのか。まあ、よろしく。私は真白だ」
と、目の前に小さな手が伸ばされる。
「お、おう……」
人間から握手を求められるとは思わず、戸惑いを隠せなかった。
人間の手はあまりにも小さく、握手に応じたとしても俺の指一本を握ることしかできないくらいだ。
俺はうっかり潰さないように慎重にその小さな手を包み挟むような形で握手に応じた。
正直、オークや上位悪魔との戦闘よりも緊張した。
マジで潰しちまうかと思ったぜ………。
俺は内心、ほっと胸を撫で下ろした。
それはそうと、コイツ、『真白』って名乗ってなかったっけ?
陛下や他の連中からコイツの名前は聞いたことがねぇ。
皆、口を揃えて『人間』と呼んでいる。
種族差別であえて名前呼びを避けているのか?
まあいい。
だが────
自己紹介も握手もした。
これで、俺たちは『ダチ』だよな?
俺は喜びのあまり、顔がにやけて、しまわないよう必死に真顔を保ったのだった。
ガルシアは、ポジティブで思い込みの激しいワーウルフであった。
そう舌打ちしながらも、俺は、少しだけ楽しくもあった────
「いや~それほどでも」
人間は、えへへーと後頭部をかく。
「褒めてねーよ!」
種族差別さえなければ、こんな風に他の人間と話したり、からかったりできたのだろうか────。
「えっ! そうなの⁉︎ 喜んでショッキング」
今度は、両手で両頬の肉を下へ引っ張り、口をへの字に曲げ、オーバーリアクションする。
大人しくしていれば、それなりに可愛く……いや、そこらの人間に比べりゃ美人だったりする。
性格と仕草さえもっと可愛らしけりゃ完璧なんだがな……まぁ、所詮、いいのは顔だけだというわけだ。
「いちいち癪にさわる奴だな」
「あっそれ、よく言われる!」
人間は、ウインクしながら両手で銃の形を作ってコッチに向けてきた。
「………もういいや」
そう吐き捨てれば、人間はわかりやすく勝ち誇ったようにニヤニヤする。
その顔、スッゲー腹立つ。
だが、その苛立ちさえも悪くないと思ってしまっているのは、俺の勘違いじゃねーだろうな。
ここでまた言い返せば、のらりくらりとかわされ、からかうような笑みを向けられて終わるのが目に見えている。
口では勝てないのがわかった今、ここは言い返したいという気持ちを堪えるべきだろう。
話しが全く進まねーしな。
「で、おまえリーナ探してんのか?」
俺は言い返すこともなく、話しを進めた。
リーナを探してたみてぇだったから、メシの買い出しに行ったと伝えれば、人間は不思議そうに首を傾げていた。
『食材は食べきれないくらい沢山ある』と陛下から聞いたそうだ。
ありえない話だが、その食材を食い尽くしたのがおまえだろうよ。
あのメシの量は、ドラゴンでも食いきれねーと思う。
それを伝えれば、『そんなのありえない』というような表情で首を振っていた。
だが、俺が嘘をついていないのだと悟るとまたもやオーバーリアクションで驚いていた。
コイツのオーバーリアクションが演技なのか素なのかいまいちわからねぇ………。
「そりゃ悪いことをしたな。で、おまえ誰?」
い、今更それ聞くか?
……まぁいい。
「リーナの代わりにおまえの世話と護衛を任されたガルシアだ」
首根っこを掴んでる理由もなくなったので、とりあえず人間をゆっくり床に立たせた。
特に人間は首根っこを掴まれていたことを気にすることもなく、話しを続けた。
「あ、だからドアの前にいたのか。まあ、よろしく。私は真白だ」
と、目の前に小さな手が伸ばされる。
「お、おう……」
人間から握手を求められるとは思わず、戸惑いを隠せなかった。
人間の手はあまりにも小さく、握手に応じたとしても俺の指一本を握ることしかできないくらいだ。
俺はうっかり潰さないように慎重にその小さな手を包み挟むような形で握手に応じた。
正直、オークや上位悪魔との戦闘よりも緊張した。
マジで潰しちまうかと思ったぜ………。
俺は内心、ほっと胸を撫で下ろした。
それはそうと、コイツ、『真白』って名乗ってなかったっけ?
陛下や他の連中からコイツの名前は聞いたことがねぇ。
皆、口を揃えて『人間』と呼んでいる。
種族差別であえて名前呼びを避けているのか?
まあいい。
だが────
自己紹介も握手もした。
これで、俺たちは『ダチ』だよな?
俺は喜びのあまり、顔がにやけて、しまわないよう必死に真顔を保ったのだった。
ガルシアは、ポジティブで思い込みの激しいワーウルフであった。
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