異世界行っても怠惰を貫く。

産屋敷 九十九

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あの魔物って、ここでは何色? やっぱ緑が定番だよな!

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「ところでリーナ」

「はい、なんでしょう?」

「今、魔王って何処にいんの?」

「オーク村にいらっしゃいます。今日は視察ですね」

「へぇ~、オークの村か。オークって何色?緑?」

「……茶色ですよ。というか一体、何食べたら緑になるんですか?」


緑じゃないの⁉︎

リーナ、そんな「あり得ないでしょ」みたいな目をコッチに向けないでくれ!

いま私、すごいカルチャーショック受けてんだから!

でも、私はもう11歳で大人の階段を登りつつあるからね。
取り乱さず大人な対応してみせるさ。


「さぁ?」

「さぁって、見たことあるんじゃないんですか?」

「本は緑で描いてあったんだよ」

どうだ、これがクールな大人対応というやつだ。

結構サマになってるねワタシ。

と、思うと同時に心の内ではふんぞりかえって威張る私がいる。

心までは大人になれなかったようだ。



「……その本、もう読まない方がよろしいかと、間違ってるので。正しい情報が記載された本をまたお渡ししますね」

「別にいいよ。本のことならアレスに聞くし」

「……お嬢様? 先程、アレス様に何と言われたかお忘れですか?」

「明日以降に殺されるらしいな。じゃあ、今日なら大丈夫なんじゃないか?」

「……さすが、危険な魔大陸で呑気に大の字で寝ていただけのことはありますね」

「いや、好きでそこで寝てたわけじゃないから。できればもっと安全な土地で寝たかったから。私そこまで神経図太くないよ」

「またまたぁ~」

後方から茶々を入れてくる殺人未遂犯、マジでイラッとする。

「ちょっと、否定しないでくれるかな⁉︎」

私にだって危機感とやらは持ち合わせてるからね⁉︎

「てか、このままオーク村行って大丈夫? 私食べられたりしない?」

「……今、それ心配します? ガルシアも人間食べますよ?」

「アレはアレで、コレはコレだ」

アレは大丈夫なヤツだ。
だって、アイツのメンタル豆腐だからな。

リーナも思う所があったのか、
「あぁ、それもそうですね」
と言った。


***

一方その頃のガルシアは、城の警備をしていた。

「ブェワオクッション!」

「おいおい、大丈夫かよガルシア。風邪か?」

「風邪じゃねーな。誰かが俺のウワサしてるんだ」

「モテもしないやつが、何言ってんだか……」

やれやれと呆れまぎれに掌を上に向けて首を横に振る同僚。

「うるせーよ!ブェワオクッション!」

ガルシアは、遠吠えを交えながらのクシャミを披露していた。


***



「あっ、見えてきましたよ。あれがオーク村です」

「どれどれ、おぉっ!」





な、何アレ?
















オーク村ってより、オーク都市じゃね?










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