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え? ちょ、えぇ? 待っ……ハ? 嘘だよな?嘘だと言って⁉︎ お、おい、誰かあぁぁあぁーーーーー!
しおりを挟む「魔王様、いかがなさいましたか?」
この村の領主であるオークロード──ダグラスに使用許可を貰い、リーナと真白を客間に案内してもらい、余はアレスと二人で話すこととなった。
「ネクベト……」
「……な、ぜその名を⁉︎」
やはりな、それが真白に敵意を剥き出しにした原因か。
「今はまだ全てを話せる時期に達してはいない。しかし、これだけは頭に入れておけ。おまえたち夢魔の知る真実が全て偽りであるということをな」
「ど、ういうこと、ですか? 貴方様は夢魔のみしか知り得ぬ歴史をとうに知っているということですか?」
「今は話せぬと言ったはずだ。いずれ話す。だから真白を、あの人間の小娘を殺すのは止めろ」
「いつかは話して下さるのですよね?」
「あぁ……アレス、今ここで話したことは他の者には口外せぬようにな」
初代魔王を殺害した夢魔のレイルーンは未だ行方知らずだ。
寿命はとうに尽きているとは思うが、死体や骨などレイルーンの死亡を確認できるものがまだ出てきていない。
今ここで全てを話せばアレスに危害が及ぶかも知れん。
「ハッ、御心のままに……」
アレスが恭しく一礼した。
余とアレスは、リーナと真白が待機しているであろう客間に入った。
「真白はどうした?」
「先程、ダグラス様が"あとは任せろ!"と満面の笑みを浮かべながらお嬢様を担いで出て行かれましたが……」
余はイヤ~な予感がした。
背に汗が伝うような嫌な予感。
「あとは任せろと言ったのだな? 何を任せるのだ?」
「え? ……まさか⁉︎」
リーナが余の言いたいことがわかったようだ。
「おい、ダグラスはどこにいる⁉︎」
焦った口調で使用人に尋ね、その場所へ案内してもらった。
案内された場所は庭だった。
「え? ちょ、えぇ? 待っ……ハ? 嘘だよな?嘘だと言って⁉︎ お、おい、誰かあぁぁあぁーーーーー! ラウル! おまえも何か言えよ!」
そこには、ここまで真白たちを案内してくれたラウル、ダグラス、その他使用人、コックがいた。
真白は、手足を縛られた状態でパリパリハニーローストにされかけていた。
※薄力粉、砂糖、ベーキングパウダー、塩、卵、牛乳、ハチミツで作られた薄い生地を全裸の真白に巻いています。
※パリパリハニーローストとは、ホットケーキミックスと卵、牛乳、ハチミツを何かの肉に巻き、それを焼いたもの
つまり、人間の丸焼き。
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