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中間試験編

18話 ネイビーのレースですが脈ありでしょうか?

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 結局寝れなかった。
 目を閉じるたびに、濡れた紫陽花の姿がフラッシュバックしてしまう。
 ちょっと気分転換にお茶でも飲もうと、薄めに目を開くと目の前に紫陽花の顔があってびっくりしたし、全く眠れなかった。
 目を覚ますと、窓のカーテンの隙間から朝日が差し込む。隣を見ると、汗だくの紫陽花が布団で寝ていた。握った手も汗で濡れている。
 紫陽花のパジャマが着崩れていた。布団もひっくり返っている。布団を直そうと近づくと、俺は気付いた。
 紫陽花のパジャマのズボンが、ズレているのに。
 ズボンのズレた箇所から、汗で薄ら濡れている肌にバイオレットの布と可愛らしい蝶々結びの帯が出ている。
 これが、噂に聞く紐パンというやつか!でもなんでそんなエロい下着着てるんだ?って俺が渡したやつやん!こんなエロいやつ渡したんか俺!グッジョブ!
 って違う違う!
 とりあえず、見なかったことにしよう。俺は、何も見なかったんだ!
 そっと、布団をかけ直した。

 俺は、さっきの償いに朝ご飯を作ることにした。
 簡単な目玉焼きと焼きハムだけどね。
 ご飯をよそっていると、紫陽花が起きた。

「おはよう」

「はぁ~おはようっ」

「……パジャマ着崩れてんぞ」

「ふぇ?……これはこれはお恥ずかしい姿をお見せしまひた」

「呂律回ってないぞ、ほら朝ご飯作ったから」

「わーい、ありがとう」

 俺達は、朝ご飯を食べた後、身支度を済ませる。

「蓮華」

 学校に行く前に、俺の耳元に紫陽花が近づく。

「今日は……ネイビーのレースだよ」

 俺は、静かに親指を立てる。
 その後、紫陽花にぶん殴られた。


 学校に着き、席につく。
 担任の原が教室に入り、教壇に立つ。

「HRを始めまーす、とその前に転校生を紹介するわね、入ってきて~」

 ガラガラと教室の引き戸が開く。
 そこには、金髪の縦ロールのツインでいかにもお嬢様のような見た目の女の子が入ってきた。
 つーか、まじもんのお嬢様だ。

「今日からこのクラスメイトになる、文月 向日葵さんです」

「文月 向日葵です、よろしくお願いしますわ」

 拍手が、教室に鳴り響く。
 俺は、固唾を飲んで彼女を見る。

「好きな人は、卯月 蓮華様です!」

 やりやがった。
 俺の平穏な学校生活は、終わりを告げる。
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