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始まりの軍師

軍師、レベルアップする

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「な、なんだ!?」
「い、一体どこから!?」

あれ?あいつら気づいていないのか?高台からぶん投げた岩石は予想外だったのか、陣形が崩れる。
一撃で1000人は屠ったけど、まだまだいる。あの人数、多分後3000人くらいは居そうだ。

そう言えば、さっき敵を倒した時に身体が妙に熱かった。
何が起きたんだ?咄嗟にステータスを確認する。

名前:カイン
Lv7→45 JOB:軍師 SideJOB:作成者(クリエイター) HP:99/99→470/470 MP:90/99→90/350
器用:99→240 敏捷:80→180 筋力:95→300
生命:99→470 精神:99→350 知力:32→320
指揮:0 炎魔法Lv:10 MAX 水魔法Lv:10 MAX
土魔法Lv:10 MAX 風魔法Lv:9 回復魔法Lv:10 MAX 
闇魔法Lv:8 光魔法Lv:6

うおっ!?めっちゃステータスが上昇してる!
熱いのはこれが原因か!全てのステータスが3桁に到達して化け物クラスじゃねぇか!
コレが取得経験値600倍の性能か…やべぇな。

これなら3000人相手できなくても撤退まで持っていけそうだ。

「だが、前に出てくるのは自殺行為だよな」

無双ゲームなら堂々と出てきて武器を振り回して多くの敵を倒してきてるけど、これは現実だ。そんなご都合主義がまかり通る訳がない。
よく考えて行動しないと、今度はこっちが狙われかねない。

「いや、待てよ?」

ど派手な魔法をぶっ放したら引いてくれるという可能性にかけてみよう。
まぁ魔法を感知する人間がいたら、潔く逃げるか。うんそうしよう、物は試しだ。

「なら此奴の実験もいいかもしれないな。【クリエイト・ウィンド】」

魔力を込め、周りの風を操作する。次第に風が渦巻き始め次第に竜巻が出来上がり始める。

「よし、いいぞ。後は……」

魔力と風を操作し、竜巻を巨大化させる。前世では見たことある竜巻を生成するのは危ないが、魔法なら別だ。
大きくなった竜巻をジュピトリア帝国軍の部隊にぶつける。

「喰らえ!【超大竜巻《ビッグトルネイド》】!」

巨大な竜巻が敵を襲い、吹き飛ばす。見た感じ災害以上にヤバい事になった。
よく見ると魔物も巻き込んでおり、結果、周囲を巻き込まれた挙句、ジュピトリア帝国軍の部隊は壊滅状態に陥った。
こりゃあ酷い。いくら不意打ちをしたとは言え、よく俺は巻き込まれなかったと思う。
正直、やり過ぎた。

「さすがに敵さんは撤退だろうな……まぁ引いてくれればいいし、これでいいだろう」

ははは、とドン引きしながら笑い、ステータスを確認した。

名前:カイン
Lv45→70 JOB:軍師 SideJOB:作成者(クリエイター) HP:470/470→500/500 MP:70/350→70/500
器用:240→300 敏捷:180→280 筋力:300→380
生命:470→500 精神:350→500 知力:320→341
指揮:0 炎魔法Lv:10 MAX 水魔法Lv:10 MAX
土魔法Lv:10 MAX 風魔法Lv:9 回復魔法Lv:10 MAX 
闇魔法Lv:8 光魔法Lv:6

げぇ!?めちゃレベルあがってる!?
これなら前線に出ても問題ないんじゃないか?軍師でこのステータスは普通に強いぞ!
っていうかこの世界のレベルの限界値ってあるんだろうか?このままいくとレベル100も夢じゃない。
まさに俺TEEEE!ができる状態だ。
こういう時に限って落とし穴というものがある。より警戒しなきゃな。

高台を降りて大惨事があった戦場跡地を見る。

「俺はここから高いところで岩をぶん投げて人を殺したのか……」

主人公なら吐く一方だろうが、不思議と罪悪感や嘔吐とかはしない。
役職関連の影響なのだろうか?職業というものは恐ろしいな。

「……落ちてる武器は回収しようか。もう必要のないものだからな」

そうゲスっぽい言い方を吐き捨てながら落ちてる武器を回収する。武器の材質は良く、ミスリルが使われてるのがわかる。
でもミスリルって銀製のもので人狼とかの魔物向けの武器だよな?何で使ってるんだ?

考えながら回収してると、背後から話しかけられた。

「動くな」
「……手はあげれない。手枷がついているからな」
「ならいい。お前は何者だ?何故人間が魔王軍である我々を助ける?」

なんとなくって言ったらやられるよな。だが、嘘を言えば跳ねられるのは目に見えてる。ここは怒らせないように言ってみるか?

「じ、実は仕官する先に困っててな。どこもかしこも俺を登用してくれなかったんだ。その憂さ晴らしに助けたって言ったら怒るか?」
「……」

冷たい視線が俺の背筋を凍らせる。殺意が高いのは分かってる。
俺でもそうするぞ。

「そうか、仕官が目的で助け、この地に来たのか」
「そ、そうだ!それ以外の理由はない!」
「……いいだろう。ならついてこい、魔王城に案内する」

た、助かったぁ……正直死んだかと思ったぞ…。
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