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彼女と夜空を見上げるのは
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ガラッと窓を開けてベランダに出て夜空を見上げる。探すように左右を見渡すと、それはここよりもはるかに高い、左斜め遠くに見えるマンションのてっぺん付近にあることが分かった。薄雲に隠れているが、透かす光で「ここだよ」と囁きかけている。
五階から見下ろす地上から昇る光は夜空まで届き、星々の輝きを消し去っている。唯一存在することができるのはそれだけかのようだ。
右からの緩い夜風を受けながら、俺は振り返り確認した。
「なあ、本当に行くの?」
ソファーに座りカバンの中をごそごそしていた亜希が顔を上げた。その顔は何をいまさらと言いたそうだ。
顔はこちらに向けているが、返事を寄越さない亜希に、俺はもう一度確認する。
「本当に行くんだよね?」
しつこいとの言葉を省いたような、「行くよ」と短い返事がきた。
「そうだよね……」
俺のかぼそい返しなんて、数メートル先の亜希まで届いていないだろう。
緩いとはいえ春先の夜風は、まだ身を震わせる。
はあ、とため息一つついて俺は部屋に入り窓とカーテンを閉める。
ゆっくりと回れ右をして、ソファーに近づき、間を空けて亜希の右側に腰を下ろす。
ネイビーのジャケットからタバコを取りだし火をつけようとすると、亜希が俺を見て一言。
「もう行くよ」
俺は吸えなかったタバコをしまい、渋々頷いた。
部屋を出て先を進む亜希の後ろを黙ってついていく。
エレベーターを降りてマンションを出ると、見上げて確認する。目の前の大通りを挟んで建つマンションや商業ビルのせいで見つけることはできなかった。でも、夜空がさっきよりも明るく見えるような気がする。ひょっとしたら、隠れていた薄雲から出たのかもしれない。
予約をした店までは、ここから歩いて五分程度。それまで、どうか見えないようにと心の中で祈った。
五メートルくらい先で、立ち止まって俺を見ている亜希に気がついた。
もの言いたげな顔から何か出る前に、俺は亜希に向かって歩を進める。
追い付き右隣に並ぶと、俺達は肩を並べて歩き始めた。何を話すでもなく、無言で進む。
今の俺達は端から見たらどう見えるんだろう。そんなことを考えてしまうのも、このところの二人の関係性に揺らぎを感じているからだ。しっかりとしたものならば他者からの見え方など気になるはずもない。
きっとそれは亜希も感じているのだろう。今夜の店は亜希が予約した。それは合わせ鏡に映った俺の感情に不安を覚えたからに違いない。性格上、何かしなくちゃと考えたうえでのことだと思う。行動に移せない俺とは大違いだ。
亜希と付き合って六年。同棲を始めて五年が経つ。倦怠期と言われればそれまでだが、お互い三十を越えた今年。おのずとその先にも考えがおよぶ。
「ねえ、なんかすごく嫌そうな感じが滲み出てるんだけど」
突然ぶつけられた言葉が痛い。
「い、いや。そんなことはないよ」
亜希は前を向いたまま続ける。
「わたしと歩くの苦痛?」
俺は慌てて否定した。
「そ、それはない。違うんだ」
そう。違うんだ。亜希と歩くのが嫌なんじゃない。亜希と一緒に月を見るのが怖いだけなんだ。
あれは五年前。ゴールデンウィークに実家に帰省した際、親父と居酒屋に行った帰り道だった。
穏やかな夜風に吹かれながら、満天の星空に浮かんだでっかいまん丸の月に照らされていた。そんな光にあてられたわけでもないだろうが、古びた商店街を歩く親父の口は饒舌だった。
「いいか響一。隣に立ってる彼女より月の方が綺麗に見えたら、それは別れ時だ」
俺も酔っていたせいか、笑いながらその話に興味を持った。
「なんだよそれ。おもしろい話だね。親父の持論?」
バカにするなという顔を俺に向けて力説し始めた。
「そうだ。俺の持論だ。文句あるか? 考えてみろ。月は確かに綺麗だ。今夜の月なんて特にな。あれ? スーパームーンか? でっけえなあ」
筋がそれそうだっので、俺は先を促した。
「そうそう。だからな、月が綺麗なのは当たり前。でもな、好いた女ならそれ以上に綺麗なはずだろ? 月に負けるわけないんだよ」
親父は赤ら顔で自信満々だ。
「そりゃあ、波もあるさ。微妙な時だってあるだろう。でもな、負けてなきゃ大丈夫。まだ続けらる余地はある。もちろん努力は必要だけどな」
分かってんのかお前はと、俺の頭を小突きながらも、さらに話に熱が入った。
「だからな、そんな時がきたら、すっぱりと別れろ。無理に続けたってお互いにつらいだけだ。もしそんなんで結婚してみろ? すぐに離婚だぞ」
「じゃあ、結婚した後だったらどうすんだよ?」
俺の問いに、親父は難しい顔をした。
「まあな。結婚ってさあ、そんな感情だけじゃ成り立たないわけよ。してしまったら、いろんなしがらみやなんかもあるだろ? 子供もいりゃあ、なおさら二人だけの問題でもないしな」
そりゃそうだとの俺の返事を聞いて、親父も頷いた。
「母さんはどうだったの?」
俺の言葉に親父は照れたような顔をした。
「母さんはいつも綺麗だったよ。もちろん結婚してからもな」
母さんは俺を産んですぐに死んでしまった。だから俺には記憶なんてものはなく、親父の隣で優しく微笑んでいる写真でのイメージしかない。でも、その母さんの顔は嘘偽りなく幸せそうだった。
「親父はさあ、月より綺麗じゃない母さん見なくて、ある意味幸せだったんだよ」
ちゃかした俺の物言いが勘にさわったのか、少し強めに頭を叩かれた。
「バカやろう。母さんはな、今でも綺麗だったはずだ。例えどんな月持ってきても負けねえよ」
「そんなオノロケいらないよ」
なにおうとヘッドロックをかまされた。
それが俺と親父の最後の会話だった。
そんな親父との記憶がよみがえったのはここ最近のことだ。
お互いにそれなりのポジションにもつき、仕事は順調そのもの。だからこそ、忙しさに伴いすれ違いの日々が続いていた。会話も減っていき、一緒に出かけるなんてこともなくなっていた。休日は疲れを取るためだけのものだった。
「いいか響一。隣に立ってる彼女より月の方が綺麗に見えたら、それは別れ時だ」
思い出される親父の言葉。そのせいで、俺は最近月恐怖症だ。まったく。なんて遺言だよと愚痴も言いたくなる。
あと少しで店に着こうとした、その時。亜希の言葉は突然だった。
「響一、ちょっと見て! ほら、月がとっても綺麗!」
大通りのはるか頭上を指さしている亜希を見て、俺は震えた。なんでこのタイミングだ? せっかく下向いて歩いてたのに……。
「ほら、見てってば! なに? もしかしてスーパームーン?」
そのどっかで聞いたセリフはやめてくれ。
見たくはない。早く消えてくれ。でも、これからのことを考えるなら。
「ほら、ほら!」
亜希からの催促で、俺は覚悟を決めて顔を上げた。
亜希の指の先には、青みがかった銀色に輝く、まん丸のでっかい月があった。星も見えない夜空にある唯一無二の存在。
俺は圧倒された。それと同時に恐怖もつのる。
固まっている俺に、亜希の声が届いた。
「綺麗よね」
聞き慣れた声のはずなのに、なぜかドキッとしてしまい、俺は亜希の顔を見てしまった。
俺の側には、月より綺麗な亜希がいた。
「死んでもいい」
自然と出た俺の言葉に亜希は大笑いした。
「ちょっと、なにそれ? お前はどっかの文豪か! しかもセリフ逆じゃない?」
親父。どうやら俺の彼女はこんなに綺麗な月よりも綺麗みたいだ。
俺は亜希の右手を握った。手を繋ぐなんてどれくらいぶりだろうか。亜希もびっくりしている。
「行くぞ!」
急に元気になった俺を訝しながらも、歩みを俺に合わせてくれた。
握り返される手の感触を感じて、俺は確信した。別れる日なんてこないはずだと。
了
五階から見下ろす地上から昇る光は夜空まで届き、星々の輝きを消し去っている。唯一存在することができるのはそれだけかのようだ。
右からの緩い夜風を受けながら、俺は振り返り確認した。
「なあ、本当に行くの?」
ソファーに座りカバンの中をごそごそしていた亜希が顔を上げた。その顔は何をいまさらと言いたそうだ。
顔はこちらに向けているが、返事を寄越さない亜希に、俺はもう一度確認する。
「本当に行くんだよね?」
しつこいとの言葉を省いたような、「行くよ」と短い返事がきた。
「そうだよね……」
俺のかぼそい返しなんて、数メートル先の亜希まで届いていないだろう。
緩いとはいえ春先の夜風は、まだ身を震わせる。
はあ、とため息一つついて俺は部屋に入り窓とカーテンを閉める。
ゆっくりと回れ右をして、ソファーに近づき、間を空けて亜希の右側に腰を下ろす。
ネイビーのジャケットからタバコを取りだし火をつけようとすると、亜希が俺を見て一言。
「もう行くよ」
俺は吸えなかったタバコをしまい、渋々頷いた。
部屋を出て先を進む亜希の後ろを黙ってついていく。
エレベーターを降りてマンションを出ると、見上げて確認する。目の前の大通りを挟んで建つマンションや商業ビルのせいで見つけることはできなかった。でも、夜空がさっきよりも明るく見えるような気がする。ひょっとしたら、隠れていた薄雲から出たのかもしれない。
予約をした店までは、ここから歩いて五分程度。それまで、どうか見えないようにと心の中で祈った。
五メートルくらい先で、立ち止まって俺を見ている亜希に気がついた。
もの言いたげな顔から何か出る前に、俺は亜希に向かって歩を進める。
追い付き右隣に並ぶと、俺達は肩を並べて歩き始めた。何を話すでもなく、無言で進む。
今の俺達は端から見たらどう見えるんだろう。そんなことを考えてしまうのも、このところの二人の関係性に揺らぎを感じているからだ。しっかりとしたものならば他者からの見え方など気になるはずもない。
きっとそれは亜希も感じているのだろう。今夜の店は亜希が予約した。それは合わせ鏡に映った俺の感情に不安を覚えたからに違いない。性格上、何かしなくちゃと考えたうえでのことだと思う。行動に移せない俺とは大違いだ。
亜希と付き合って六年。同棲を始めて五年が経つ。倦怠期と言われればそれまでだが、お互い三十を越えた今年。おのずとその先にも考えがおよぶ。
「ねえ、なんかすごく嫌そうな感じが滲み出てるんだけど」
突然ぶつけられた言葉が痛い。
「い、いや。そんなことはないよ」
亜希は前を向いたまま続ける。
「わたしと歩くの苦痛?」
俺は慌てて否定した。
「そ、それはない。違うんだ」
そう。違うんだ。亜希と歩くのが嫌なんじゃない。亜希と一緒に月を見るのが怖いだけなんだ。
あれは五年前。ゴールデンウィークに実家に帰省した際、親父と居酒屋に行った帰り道だった。
穏やかな夜風に吹かれながら、満天の星空に浮かんだでっかいまん丸の月に照らされていた。そんな光にあてられたわけでもないだろうが、古びた商店街を歩く親父の口は饒舌だった。
「いいか響一。隣に立ってる彼女より月の方が綺麗に見えたら、それは別れ時だ」
俺も酔っていたせいか、笑いながらその話に興味を持った。
「なんだよそれ。おもしろい話だね。親父の持論?」
バカにするなという顔を俺に向けて力説し始めた。
「そうだ。俺の持論だ。文句あるか? 考えてみろ。月は確かに綺麗だ。今夜の月なんて特にな。あれ? スーパームーンか? でっけえなあ」
筋がそれそうだっので、俺は先を促した。
「そうそう。だからな、月が綺麗なのは当たり前。でもな、好いた女ならそれ以上に綺麗なはずだろ? 月に負けるわけないんだよ」
親父は赤ら顔で自信満々だ。
「そりゃあ、波もあるさ。微妙な時だってあるだろう。でもな、負けてなきゃ大丈夫。まだ続けらる余地はある。もちろん努力は必要だけどな」
分かってんのかお前はと、俺の頭を小突きながらも、さらに話に熱が入った。
「だからな、そんな時がきたら、すっぱりと別れろ。無理に続けたってお互いにつらいだけだ。もしそんなんで結婚してみろ? すぐに離婚だぞ」
「じゃあ、結婚した後だったらどうすんだよ?」
俺の問いに、親父は難しい顔をした。
「まあな。結婚ってさあ、そんな感情だけじゃ成り立たないわけよ。してしまったら、いろんなしがらみやなんかもあるだろ? 子供もいりゃあ、なおさら二人だけの問題でもないしな」
そりゃそうだとの俺の返事を聞いて、親父も頷いた。
「母さんはどうだったの?」
俺の言葉に親父は照れたような顔をした。
「母さんはいつも綺麗だったよ。もちろん結婚してからもな」
母さんは俺を産んですぐに死んでしまった。だから俺には記憶なんてものはなく、親父の隣で優しく微笑んでいる写真でのイメージしかない。でも、その母さんの顔は嘘偽りなく幸せそうだった。
「親父はさあ、月より綺麗じゃない母さん見なくて、ある意味幸せだったんだよ」
ちゃかした俺の物言いが勘にさわったのか、少し強めに頭を叩かれた。
「バカやろう。母さんはな、今でも綺麗だったはずだ。例えどんな月持ってきても負けねえよ」
「そんなオノロケいらないよ」
なにおうとヘッドロックをかまされた。
それが俺と親父の最後の会話だった。
そんな親父との記憶がよみがえったのはここ最近のことだ。
お互いにそれなりのポジションにもつき、仕事は順調そのもの。だからこそ、忙しさに伴いすれ違いの日々が続いていた。会話も減っていき、一緒に出かけるなんてこともなくなっていた。休日は疲れを取るためだけのものだった。
「いいか響一。隣に立ってる彼女より月の方が綺麗に見えたら、それは別れ時だ」
思い出される親父の言葉。そのせいで、俺は最近月恐怖症だ。まったく。なんて遺言だよと愚痴も言いたくなる。
あと少しで店に着こうとした、その時。亜希の言葉は突然だった。
「響一、ちょっと見て! ほら、月がとっても綺麗!」
大通りのはるか頭上を指さしている亜希を見て、俺は震えた。なんでこのタイミングだ? せっかく下向いて歩いてたのに……。
「ほら、見てってば! なに? もしかしてスーパームーン?」
そのどっかで聞いたセリフはやめてくれ。
見たくはない。早く消えてくれ。でも、これからのことを考えるなら。
「ほら、ほら!」
亜希からの催促で、俺は覚悟を決めて顔を上げた。
亜希の指の先には、青みがかった銀色に輝く、まん丸のでっかい月があった。星も見えない夜空にある唯一無二の存在。
俺は圧倒された。それと同時に恐怖もつのる。
固まっている俺に、亜希の声が届いた。
「綺麗よね」
聞き慣れた声のはずなのに、なぜかドキッとしてしまい、俺は亜希の顔を見てしまった。
俺の側には、月より綺麗な亜希がいた。
「死んでもいい」
自然と出た俺の言葉に亜希は大笑いした。
「ちょっと、なにそれ? お前はどっかの文豪か! しかもセリフ逆じゃない?」
親父。どうやら俺の彼女はこんなに綺麗な月よりも綺麗みたいだ。
俺は亜希の右手を握った。手を繋ぐなんてどれくらいぶりだろうか。亜希もびっくりしている。
「行くぞ!」
急に元気になった俺を訝しながらも、歩みを俺に合わせてくれた。
握り返される手の感触を感じて、俺は確信した。別れる日なんてこないはずだと。
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