富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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真剣 大おヒラメ会 Ⅴ

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 仕方なく、「おヒラメ様」を喰うことにしたが、流石にどうやっても俺たちで喰い切れるサイズじゃねぇ。
 エイダンたちはクジラ解体用のでかい大包丁を持って来ており、俺は「紅六花」たちに連絡して冷蔵車の手配を頼んだ。
 後で関係各所に分けて行くつもりだ。
 先ほどまでは海水を満たしていたので「おヒラメ様」は生きていたが、もう死んでいるので腐敗が始まるに違いない。
 だから冷蔵車が必要だ。
 「石神家会」ではもちろん頂くが、「紅六花」、鷹、虎蘭、柳、真夜と真昼、蓮花研究所、「トラキリー」と「ハイドラ」、ヘッジホッグは「ほんとの虎の穴」に。
 各部隊までは回らんか。
 日本では御堂、盛岡の石神家、道間家、大阪の風花たち、早乙女と「アドヴェロス」、斬、紅市、等々。
 他にもルイーサ、教皇庁、その他各地の拠点。
 今すぐには思い出せないので、一応予備分も取っておく。
 それでも「石神家会」分で30キロ取った。
 海神様の使いとのことだったが、寄生虫が怖かったので調理して食べるように決めた。
 エイダンたちが大包丁の使い方が上手かったので、解体を任せた。
 エンガワや肝など、美味い部分を優先的に切り分けてくれ「石神家会」で頂いた。
 悪いが俺たちは先に宿舎に入り、解体と手配はエイダンたちと「紅六花」に任せた。
 それでも1時間、騒ぎに付き合ったことになった。
 遅めの昼飯を喰いながら、一息ついた。

 「タカさん、びっくりしましたね!」
 「まったくなぁ。クロピョンとかもそうだったけど、いつもいきなり過ぎんだよなぁ」
 「あー、よく庭にヘンな動物来てましたよね!」
 「そうそう」

 みんなで動物の思い出をひとしきり話して大笑いした。

 「海神様って、シロピョンなんですかね?」
 「多分な。ああ、アラスカ一帯の海水温が上昇して魚介類が豊富になったのはクロピョンも関わってんだろうけどな」
 
 ルーが言った。

 「ヒラメってあんまし動かないじゃん。きっと育てやすかったんだよ」
 「あー、じゃあこれからもあるかもですねぇ」
 「おい、ブキミなこと言うんじゃねぇ!」
 「アハハハハハハハ!」
 
 天ぷら蕎麦を喰い終わり、みんなで温泉に入った。
 露天風呂がある。
 もちろん男女に分かれずに、男湯に一緒だ。
 短期間で建てたにしては、随分と立派なものだった。

 「おお! こりゃ凄いな!」
 「でしょ!」

 手配した亜紀ちゃんが嬉しそうだ。
 全体に和風の感じで、床はベージュの大理石が敷かれている。
 洗い場にはちゃんとシャワーが付いていて、幾つかには鏡があった。
 見事なかけ流しもあった。
 湯船は大きな岩に囲まれ、ざっと40人が一度に入れそうだ。
 周囲には松などの木や岩なども配置されている。
 軽く身体を流してみんなで湯船に浸かった。

 「温度も丁度いいな!」
 「39度ですよ! 調整も出来ます!」
 「いいな!」

 軽く楽しんで上がり、3時のお茶でゆったりしてからバーベキューの準備をした。
 俺も手伝う。
 俺と亜紀ちゃん、ハーで食材をカットしていき、皇紀が海鮮スープを作り、ルーがキノコご飯を担当した。

 「タカさん、「おヒラメ様」、ちょっと刺身で食べてみません?」
 
 亜紀ちゃんが「おヒラメ様」のでかい塊に挑みながら俺に言った。

 「そうだなー。まあ、寄生虫も後から処置出来るしな」
 「ですよね!」

 他の奴らも興味を持って賛成した。
 俺にも興味はあった。
 亜紀ちゃんが薄くスライスし、アニサキスを丹念に探して何切れか切った。
 醤油を付けてみんなで食べてみた。

 「「「「「!」」」」」
 「にゃ!」

 美味い!
 こんなヒラメは喰ったことが無い。
 ヒラメは淡白な味で上品な旨味があるものだが、これは清涼感と旨味が何とも言えずに合わさっている。
 ロボも唸っている。
 亜紀ちゃんにもっと寄越せと足に突進していた。

 「亜紀ちゃん、サシミ盛、追加!」
 「はい!」

 ロボには先に「おヒラメ様」とマグロを切って渡した。
 夕食前なので、加減した量だ。 
 皇紀は海鮮鍋に追加し、キノコご飯をセットし終わったルーがムニエル、天ぷらの準備をする。
 5時過ぎに準備が出来て、バーベキューを始めた。
 俺が最初に焼き、子どもたちに配る。
 みんな懐かしくなり、ちょっと涙ぐみながら喜んで食べる。
 ああ、俺たちはまだここにいる。
 俺もそんな感慨に浸りながら、どんどん焼いて行った。
 牛肉はもちろん、ホタテバターや焼きハマグリを作り、伊勢海老を焼いてやる。
 あとは自分で好きなように焼き、いつものバーベキューになる。
 俺が自分の分とロボの分を焼きながら、ゆっくりと食べて行った。
 亜紀ちゃんたちは争いながら、楽しそうに食べて行く。
 それを見ながら、俺はムニエルと天ぷら、フライの準備をした。
 フライにはパセリとオレガノを衣に混ぜた。
 出来上がると、子どもたちを呼んで食べさせた。

 「美味しい!」
 「ほんと!」
 「これは凄いよ!」
 「美味しいね!」
 
 俺も口に入れ、何とも言えない美味さに頬が緩んだ。
 刺身は後で酒を飲み始めてからにしようと、冷蔵庫に入れてある。
 先ほど食べてみたが、やはりムニエルと天ぷら、フライも美味い。
 海鮮鍋でも当然絶品だ。
 いつも通り大量に喰い、バーベキューを堪能した。
 もちろん、食材はほとんど余ってねぇ。
 だから亜紀ちゃんもちゃんと酒の肴用の食材は別に手配している。
 みんなで片付けて一度温泉に浸かった。

 「タカさん、「おヒラメ様」って美味しかったですね!」
 「そうだな。まあ一つの神事だから、有難く頂こう」
 「はい!」

 俺が全員の背中を流してやり、全員で俺の身体を洗ってくれる。

 「タカさん、髪が長いと洗い甲斐がありますね!」
 「そうだな、随分と伸びたよなぁ」
 「もうハゲても隠せますね」
 「やめれ」

 ロボが脱衣所で寂しがって鳴くので、笑ってみんなで上がった。
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