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《ハイヴ》攻略 招待観戦 X
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タイガーが俺とダグラスに言った。
「君たちは吹雪を護ろうとしてくれていたな」
「い、いえ……」
「デュールゲリエの映像でも分かっている。《青い剣士》が来た時に、君たちが吹雪の前に立った。感謝する」
「いえ、自分たちは何も出来ませんでした!」
「いや、そうじゃない。君たちが前に出たから、《青い剣士》は一瞬攻撃を躊躇った。君たちの実力が分からなかったからな。その一瞬が吹雪を救ったんだ」
「そんなことは……」
タイガーが笑っていた。
「君たちのことは聞いている。アンソニーとダグラスだったな。少年士官養成学校で吹雪の友達になってくれたのだと」
「自分たちの方こそ、フブキに世話になってます!」
「フブキは最高です!」
「そうか、ありがとう」
「あの、俺たちは本当に何も出来ず……」
俺が言うと、微笑んでタイガーが遮った。
「そうじゃないよ。「虎」の軍というのはな、君たちのような勇気と愛のある人間の集まりなんだ」
「はい?」
「俺たちはそれで戦って来た。大事な人間を、大切なものを守ろうと必死だったんだ。それだけだよ。力はそれについて来ただけだ。俺も他の連中もな。敵はいつだって強く、恐ろしい。狡猾で残酷だ。だけど勇気で戦い、愛で「絶対」と思っていればそれでいい。実際、さっきも言ったように君たちの勇気と愛情で吹雪もみんなも助かったんだ。そういうことだ」
「「はい!」」
本当に嬉しかった。
だから俺もダグラスももっと強くなろうと思えた。
タイガーの言った通りなんだと分かったのだ。
アラスカからの救援隊が到着した。
タイガーと《ホークレディ》が来てくれなければ、俺たちは死んでいたことが分かった。
「タイガーファング」から、大勢のソルジャーやデュールゲリエたちが降りてくる。
すぐにフブキは運ばれていった。
《デスキング》が俺の前に来た。
「吹雪を護ってくれたそうだね」
「いいえ、タイガーと《ホークレディ》のお陰です!」
俺とダグラスは《デスキング》に手を握られ、感謝された。
「あいつが最初の弟なんだ。すぐ後で天狼という弟も出来たけどね。それに吹雪とはアラスカで一時期一緒に過ごした。兄弟の中でも特別な奴なんだ。君たちに礼を言うよ、本当にありがとう」
「「とんでもありません!」」
俺とダグラスは焦った。
まさか「虎」の軍のネームドの方から直接声を掛けられるなんて!
それに《デスキング》はフブキのお兄さんだ!
「本当は吹雪から紹介して欲しかったけどね。あいつからもアンソニーとダグラスのことは聞いている。親友なんだと言っていた」
「フブキからですか!」
タイガーも笑って教えてくれた。
「あいつは誰とでも仲良くなるんだけどな。でも親友って言ったのは君たちとあと何人かだけだ」
「「ありがとうございます!」」
なんでタイガーにお礼を言うのか自分でもおかしいと思ったが、嬉しかったのだ。
ダグラスもそうだった。
「おい、士王、ソフィたちを紹介しろ」
「はい!」
《デスキング》がフランスの陸軍士官学校の生徒たちを連れて来た。
特にソフィさん、マリーさん、ルキアさんをタイガーと俺たちに紹介していた。
三人とも感激していた。
俺とダグラスも終始タイガーに見惚れていた。
タイガーは他の人間にも声を掛けて労わっていた。
「まあ、士王が「虎」の軍のネームドであること、そして俺の息子であることは一応機密だ。それに吹雪と兄弟であることもな。ああ、士王と吹雪は母親が違う。俺は何人も妻を持っているからなぁ!」
みんなが笑った。
倫理的におかしいと言う人間はいなかった。
みんな、タイガーにお会い出来て光栄だと言っていたし、その通りに思っていた。
何しろ、タイガーはとんでもなくカッコイイ!
顔は綺麗だし身体は大きくて逞しい。
それに笑うと優しい!
年齢はそこそこ行っているはずだけど、見た目は30代前半にしか見えない。
「ああ、斬! 来いよ!」
「ふん!」
《クルエル・ディザスター》だ。
「こいつは《クルエル・ディザスター》、花岡斬だ。士王の曾祖父で、100歳を超えてる。ええと、正確には幾つなんだ?」
「ふん、知らん」
みんなが笑った。
斬さんも相当なお歳らしいが、全然見えない。
40代と言われても通じてしまうだろう。
少なくとも、60代には見えない。
俺たちはアラスカへ運ばれた。
フランスの陸軍士官学校の生徒たちも一緒だ。
あれほどの緊張がほぐれ、「タイガーファング」の中でみんな大笑いしていた。
アラスカへ着くと、美しい女性が待っていた。
タイガーから《デスキング》のお母さんであり《マザー・シオウリ》と紹介された。
その名前ももちろん知っている。
ヨーロッパで「虎」の軍の統括をしている方で、やはり恐ろしくお強い。
そうか、《デスキング》のお母さんだったのか。
「母さん、何とか生きてるぜ」
「士王……」
《マザー・シオウリ》が《デスキング》を優しく抱き締めた。
《タイガーレディ》は残念ながらフブキに付き添っているらしく、今日はお会い出来なかった。
みんなも残念がったが仕方がない。
俺たちは「ヘッジホッグ」の中の大広間で食事をいただいた。
そう言えば、もうしばらく何も口にしていないことに気付いた。
仲良くなったフランスの陸軍士官学校の生徒たちと楽しく話しながら食べていると、《タイガーレディ》がいらした。
俺とダグラス以外は初めてお会いするので、全員が驚いていた。
あまりにも美しい方だからだ。
何度か見ている俺とダグラスも言葉が出ないで見惚れていた。
《マザー・シオウリ》も大変に美しい方なのだが、《タイガーレディ》は一層だ。
みんな、フブキがどうしてあれほどに美しいのか理解しただろう。
食事の後で、「虎」の軍の偉い方がいらした。
作戦参謀本部の将校で、ターナー大将と名乗られた。
どういうお立場なのかは知らされない。
ターナー大将は、今回俺たちが知った《デスキング》やフブキのことは機密であると改めて言われた。
決して口外してはならないことと、万一漏らした場合は厳罰に処されるということだった。
「タイガー、タマさんを呼んだ方が良いのではないか?」
「ああ、大丈夫だ」
「タマサン」?
どういう方なのかは分からない。
「ここにいる全員は機密を守る。そうだろう?」
『はい!』
もちろん全員が誓った。
フランスの陸軍士官学校の生徒たちが帰って行った。
俺たちは互いに握手して、再会を誓った。
ソフィさんたちは、卒業したら「虎」の軍に入ると言っていた。
「最初からそのつもりだったの」
「そうだったんですか!」
「そうなのよ。だから今回《ハイヴ》の攻略の観戦を許可された」
「でも陸軍の士官学校なのでは?」
「フランスは「虎」の軍に従っている。だから軍の組織なのは変わらないけど、「虎」の軍に入りたい生徒は一杯いるわ」
「どうせ士官になるのならば、「虎」の軍の方が断然にいいしね!」
マリーさんとルキアさんも笑って同意していた。
「そうですか。じゃあいずれは仲間になるんですね!」
「何言ってるの! もう私たちは「仲間」でしょ?」
「はい、そうでした!」
笑ってお別れした。
翌日、俺たちはフブキを見舞うことを許可された。
9人全員で「虎病院」へ行った。
フブキはもう元気そうで、数日後には学校へ戻れると言っていた。
あれほどの負傷だったのだが。
「あの時のデュールゲリエたちもちゃんと治ったそうだよ!」
「そうなんだ! 是非お礼を言いたいよ!」
「うん。お母さんにも頼んだ」
「そうか!」
良かった。
デュールゲリエが機械で無いとは聞いていたが、本当にそうだった。
一瞬の躊躇なく自分を犠牲にして仲間を護る貴い戦友だ。
今回の《ハイヴ》の攻略の観戦は危ないこともあったが、非常に有意義なものだった。
それは「虎」の軍というものが、どういうものなのかを肌身に感じたことだ。
仲間を大切にし、絶対に諦めない軍隊なのだ。
恐ろしく強い方たちもいるのは当然だが、それだけじゃない。
仲間同士の結び付きが強いのだ。
俺はこの戦争がどういうものなのかを、改めて考えるようになっていた。
「カルマ」という敵を斃す戦いなのではないのだ。
大切な仲間を護るための戦いなのだ。
だからみんな、こんなにも一生懸命に戦うのだ。
俺は最高の場所にいる。
「君たちは吹雪を護ろうとしてくれていたな」
「い、いえ……」
「デュールゲリエの映像でも分かっている。《青い剣士》が来た時に、君たちが吹雪の前に立った。感謝する」
「いえ、自分たちは何も出来ませんでした!」
「いや、そうじゃない。君たちが前に出たから、《青い剣士》は一瞬攻撃を躊躇った。君たちの実力が分からなかったからな。その一瞬が吹雪を救ったんだ」
「そんなことは……」
タイガーが笑っていた。
「君たちのことは聞いている。アンソニーとダグラスだったな。少年士官養成学校で吹雪の友達になってくれたのだと」
「自分たちの方こそ、フブキに世話になってます!」
「フブキは最高です!」
「そうか、ありがとう」
「あの、俺たちは本当に何も出来ず……」
俺が言うと、微笑んでタイガーが遮った。
「そうじゃないよ。「虎」の軍というのはな、君たちのような勇気と愛のある人間の集まりなんだ」
「はい?」
「俺たちはそれで戦って来た。大事な人間を、大切なものを守ろうと必死だったんだ。それだけだよ。力はそれについて来ただけだ。俺も他の連中もな。敵はいつだって強く、恐ろしい。狡猾で残酷だ。だけど勇気で戦い、愛で「絶対」と思っていればそれでいい。実際、さっきも言ったように君たちの勇気と愛情で吹雪もみんなも助かったんだ。そういうことだ」
「「はい!」」
本当に嬉しかった。
だから俺もダグラスももっと強くなろうと思えた。
タイガーの言った通りなんだと分かったのだ。
アラスカからの救援隊が到着した。
タイガーと《ホークレディ》が来てくれなければ、俺たちは死んでいたことが分かった。
「タイガーファング」から、大勢のソルジャーやデュールゲリエたちが降りてくる。
すぐにフブキは運ばれていった。
《デスキング》が俺の前に来た。
「吹雪を護ってくれたそうだね」
「いいえ、タイガーと《ホークレディ》のお陰です!」
俺とダグラスは《デスキング》に手を握られ、感謝された。
「あいつが最初の弟なんだ。すぐ後で天狼という弟も出来たけどね。それに吹雪とはアラスカで一時期一緒に過ごした。兄弟の中でも特別な奴なんだ。君たちに礼を言うよ、本当にありがとう」
「「とんでもありません!」」
俺とダグラスは焦った。
まさか「虎」の軍のネームドの方から直接声を掛けられるなんて!
それに《デスキング》はフブキのお兄さんだ!
「本当は吹雪から紹介して欲しかったけどね。あいつからもアンソニーとダグラスのことは聞いている。親友なんだと言っていた」
「フブキからですか!」
タイガーも笑って教えてくれた。
「あいつは誰とでも仲良くなるんだけどな。でも親友って言ったのは君たちとあと何人かだけだ」
「「ありがとうございます!」」
なんでタイガーにお礼を言うのか自分でもおかしいと思ったが、嬉しかったのだ。
ダグラスもそうだった。
「おい、士王、ソフィたちを紹介しろ」
「はい!」
《デスキング》がフランスの陸軍士官学校の生徒たちを連れて来た。
特にソフィさん、マリーさん、ルキアさんをタイガーと俺たちに紹介していた。
三人とも感激していた。
俺とダグラスも終始タイガーに見惚れていた。
タイガーは他の人間にも声を掛けて労わっていた。
「まあ、士王が「虎」の軍のネームドであること、そして俺の息子であることは一応機密だ。それに吹雪と兄弟であることもな。ああ、士王と吹雪は母親が違う。俺は何人も妻を持っているからなぁ!」
みんなが笑った。
倫理的におかしいと言う人間はいなかった。
みんな、タイガーにお会い出来て光栄だと言っていたし、その通りに思っていた。
何しろ、タイガーはとんでもなくカッコイイ!
顔は綺麗だし身体は大きくて逞しい。
それに笑うと優しい!
年齢はそこそこ行っているはずだけど、見た目は30代前半にしか見えない。
「ああ、斬! 来いよ!」
「ふん!」
《クルエル・ディザスター》だ。
「こいつは《クルエル・ディザスター》、花岡斬だ。士王の曾祖父で、100歳を超えてる。ええと、正確には幾つなんだ?」
「ふん、知らん」
みんなが笑った。
斬さんも相当なお歳らしいが、全然見えない。
40代と言われても通じてしまうだろう。
少なくとも、60代には見えない。
俺たちはアラスカへ運ばれた。
フランスの陸軍士官学校の生徒たちも一緒だ。
あれほどの緊張がほぐれ、「タイガーファング」の中でみんな大笑いしていた。
アラスカへ着くと、美しい女性が待っていた。
タイガーから《デスキング》のお母さんであり《マザー・シオウリ》と紹介された。
その名前ももちろん知っている。
ヨーロッパで「虎」の軍の統括をしている方で、やはり恐ろしくお強い。
そうか、《デスキング》のお母さんだったのか。
「母さん、何とか生きてるぜ」
「士王……」
《マザー・シオウリ》が《デスキング》を優しく抱き締めた。
《タイガーレディ》は残念ながらフブキに付き添っているらしく、今日はお会い出来なかった。
みんなも残念がったが仕方がない。
俺たちは「ヘッジホッグ」の中の大広間で食事をいただいた。
そう言えば、もうしばらく何も口にしていないことに気付いた。
仲良くなったフランスの陸軍士官学校の生徒たちと楽しく話しながら食べていると、《タイガーレディ》がいらした。
俺とダグラス以外は初めてお会いするので、全員が驚いていた。
あまりにも美しい方だからだ。
何度か見ている俺とダグラスも言葉が出ないで見惚れていた。
《マザー・シオウリ》も大変に美しい方なのだが、《タイガーレディ》は一層だ。
みんな、フブキがどうしてあれほどに美しいのか理解しただろう。
食事の後で、「虎」の軍の偉い方がいらした。
作戦参謀本部の将校で、ターナー大将と名乗られた。
どういうお立場なのかは知らされない。
ターナー大将は、今回俺たちが知った《デスキング》やフブキのことは機密であると改めて言われた。
決して口外してはならないことと、万一漏らした場合は厳罰に処されるということだった。
「タイガー、タマさんを呼んだ方が良いのではないか?」
「ああ、大丈夫だ」
「タマサン」?
どういう方なのかは分からない。
「ここにいる全員は機密を守る。そうだろう?」
『はい!』
もちろん全員が誓った。
フランスの陸軍士官学校の生徒たちが帰って行った。
俺たちは互いに握手して、再会を誓った。
ソフィさんたちは、卒業したら「虎」の軍に入ると言っていた。
「最初からそのつもりだったの」
「そうだったんですか!」
「そうなのよ。だから今回《ハイヴ》の攻略の観戦を許可された」
「でも陸軍の士官学校なのでは?」
「フランスは「虎」の軍に従っている。だから軍の組織なのは変わらないけど、「虎」の軍に入りたい生徒は一杯いるわ」
「どうせ士官になるのならば、「虎」の軍の方が断然にいいしね!」
マリーさんとルキアさんも笑って同意していた。
「そうですか。じゃあいずれは仲間になるんですね!」
「何言ってるの! もう私たちは「仲間」でしょ?」
「はい、そうでした!」
笑ってお別れした。
翌日、俺たちはフブキを見舞うことを許可された。
9人全員で「虎病院」へ行った。
フブキはもう元気そうで、数日後には学校へ戻れると言っていた。
あれほどの負傷だったのだが。
「あの時のデュールゲリエたちもちゃんと治ったそうだよ!」
「そうなんだ! 是非お礼を言いたいよ!」
「うん。お母さんにも頼んだ」
「そうか!」
良かった。
デュールゲリエが機械で無いとは聞いていたが、本当にそうだった。
一瞬の躊躇なく自分を犠牲にして仲間を護る貴い戦友だ。
今回の《ハイヴ》の攻略の観戦は危ないこともあったが、非常に有意義なものだった。
それは「虎」の軍というものが、どういうものなのかを肌身に感じたことだ。
仲間を大切にし、絶対に諦めない軍隊なのだ。
恐ろしく強い方たちもいるのは当然だが、それだけじゃない。
仲間同士の結び付きが強いのだ。
俺はこの戦争がどういうものなのかを、改めて考えるようになっていた。
「カルマ」という敵を斃す戦いなのではないのだ。
大切な仲間を護るための戦いなのだ。
だからみんな、こんなにも一生懸命に戦うのだ。
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