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はじまったばかりの夏休み
ヨボヨボのおじいさん先生
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よく朝7時ごろ、エータがカーテンをあけると、太陽のひかりが、いっせいにはいりこんできた。
「ねむいの、ふきとんじゃうね」
ベットからおきあがったマサは、窓の外をみながら目をこすっている。
コテージの広間にあるテーブルには、料理が山もりの大皿がいくつもならんでいた。
マサは、食べたいものをつぎつぎと自分のお皿にのせていった。
「ふぁあ~、おはよう。授業するよ。このあと、ここで」
あくびをしながら、はいってきたエリールは、そういったあと、料理をつぎつぎにお皿にのせていった。
エータとトージといっしょにいるマサのところに、リサたちがやってきた。
「ねちゃうかも~、授業ちゅう」
おおあくびをしたリサは、うでをひろげた。
「ココアのもっと。目がさめるかも」
コズエはねむそうな声でいった。
「ねむくないの?マサたち」
マキはねむい目をこすっている。
「おれもココアのもっと」
マサは、ボーッとした顔で席をたって、ココアをとりにいった。
マサがココアをいれていると、ヨボヨボの、メガネのおじいさんが、かた手にカバンをもって広間にはいってきた。
テーブルについたそのおじいさんは、エリールが用意してくれたコーヒーをのみながら、ほほえむと、神話についての話をはじめた。
「おお昔にいた、魔法使いは、宇宙の外へワープして、シェアルたちから、ウソみたいな話をきいたそうだよ」
子どもたちは、きょとんとしている。
おじいさんは、自分のむねに手をあてた。そして話つづけた。
「宇宙のどこかに、魔法のおおもとのエネルギーをつくりつづけている、おおきな木があるんだ。わたしたちは、〈イデア〉とよんでいるよ。心をもっている木だから〈イデヤさん〉とよぶ人もいるよ。かれは宇宙にフワフワうかびつづけているよ」
気もちよさそうにウトウトねむっている子もいる。
「つぎはいまの時代の話をしよう。人とシェアルがちからをあわせたから、ゆめいっぱいの時代が花ひらいたんだ。脳にビビビッと、カミナリのような魔法をおくられて、頭がよくなった人もいるよ。たとえば、ぼくとか。浜べから、ずっと遠くの国がみえてしまうような気もちになったんだ」
先生は、おいしそうにコーヒーをグビグビのんだ。
「おかわりあるかな?」
そういわれたエリールは、すぐにコーヒーをそそいだ
すでに、ぐっすりねむってしまっている子もいたけれど、おかまいなしに、話はつづいた。
「あんぜんに生活できるのは、町をパトロールしているヒーローのおかげでもあるよね。ヌイグルミのように、かわいいシェアルが、朝からパトロールしてるのをみたことある?夕方や夜に、ハロウィンのカボチャのオバケみたいなシェアルが、頭だけで夜空を飛んでいるのは?ギョッとするかもしれないけど、かれらもりっぱなヒーローだよ」
先生はすこしうつむいて、すぐに顔をあげた。
「残念なことだけど、魔法を悪いことに使ってる人たちもいる。最後に、おおきなゆめをもっているシェルロという人の曲をみんなにきいてほしいな」
広間のスピーカーから音楽がながれてきた。
「かれは、世界の平和をねがって、歌っているんだ。仲間になってくれる人やシェアルがいると信じて、いまもどかで歌っているよ」
先生は、シェルロの曲を口笛でふきながら、キャンプ場をあとにしていった。家につくと、はあ、くたびれた、といいながら、コーヒーをいれて、ソファにすわった。
――子どもたちの未来に、幸せがありますように。
先生はそう願いながら、ほほえむと、うとうと、ねむってしまった。
「ねむいの、ふきとんじゃうね」
ベットからおきあがったマサは、窓の外をみながら目をこすっている。
コテージの広間にあるテーブルには、料理が山もりの大皿がいくつもならんでいた。
マサは、食べたいものをつぎつぎと自分のお皿にのせていった。
「ふぁあ~、おはよう。授業するよ。このあと、ここで」
あくびをしながら、はいってきたエリールは、そういったあと、料理をつぎつぎにお皿にのせていった。
エータとトージといっしょにいるマサのところに、リサたちがやってきた。
「ねちゃうかも~、授業ちゅう」
おおあくびをしたリサは、うでをひろげた。
「ココアのもっと。目がさめるかも」
コズエはねむそうな声でいった。
「ねむくないの?マサたち」
マキはねむい目をこすっている。
「おれもココアのもっと」
マサは、ボーッとした顔で席をたって、ココアをとりにいった。
マサがココアをいれていると、ヨボヨボの、メガネのおじいさんが、かた手にカバンをもって広間にはいってきた。
テーブルについたそのおじいさんは、エリールが用意してくれたコーヒーをのみながら、ほほえむと、神話についての話をはじめた。
「おお昔にいた、魔法使いは、宇宙の外へワープして、シェアルたちから、ウソみたいな話をきいたそうだよ」
子どもたちは、きょとんとしている。
おじいさんは、自分のむねに手をあてた。そして話つづけた。
「宇宙のどこかに、魔法のおおもとのエネルギーをつくりつづけている、おおきな木があるんだ。わたしたちは、〈イデア〉とよんでいるよ。心をもっている木だから〈イデヤさん〉とよぶ人もいるよ。かれは宇宙にフワフワうかびつづけているよ」
気もちよさそうにウトウトねむっている子もいる。
「つぎはいまの時代の話をしよう。人とシェアルがちからをあわせたから、ゆめいっぱいの時代が花ひらいたんだ。脳にビビビッと、カミナリのような魔法をおくられて、頭がよくなった人もいるよ。たとえば、ぼくとか。浜べから、ずっと遠くの国がみえてしまうような気もちになったんだ」
先生は、おいしそうにコーヒーをグビグビのんだ。
「おかわりあるかな?」
そういわれたエリールは、すぐにコーヒーをそそいだ
すでに、ぐっすりねむってしまっている子もいたけれど、おかまいなしに、話はつづいた。
「あんぜんに生活できるのは、町をパトロールしているヒーローのおかげでもあるよね。ヌイグルミのように、かわいいシェアルが、朝からパトロールしてるのをみたことある?夕方や夜に、ハロウィンのカボチャのオバケみたいなシェアルが、頭だけで夜空を飛んでいるのは?ギョッとするかもしれないけど、かれらもりっぱなヒーローだよ」
先生はすこしうつむいて、すぐに顔をあげた。
「残念なことだけど、魔法を悪いことに使ってる人たちもいる。最後に、おおきなゆめをもっているシェルロという人の曲をみんなにきいてほしいな」
広間のスピーカーから音楽がながれてきた。
「かれは、世界の平和をねがって、歌っているんだ。仲間になってくれる人やシェアルがいると信じて、いまもどかで歌っているよ」
先生は、シェルロの曲を口笛でふきながら、キャンプ場をあとにしていった。家につくと、はあ、くたびれた、といいながら、コーヒーをいれて、ソファにすわった。
――子どもたちの未来に、幸せがありますように。
先生はそう願いながら、ほほえむと、うとうと、ねむってしまった。
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