公爵令嬢の立場を捨てたお嬢様2

羽衣 狐火

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タリス、救助隊を待てないです

アルト~STORY~

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アルトが走っていると、学園の時計塔に付いていた大きな時計を発見した
そしてゆっくりと歩み寄ると、自分の本能が嫌な予感を示している時計の下を灰がついて汚れてしまった顔で恐る恐る覗き込んだ

「いたっ!」

アルトの目線の先にいたのは、頭からダラダラと真っ赤な血を流し、魔族の攻撃を受けた時に作った腹の傷の周りにも真っ赤な血溜まりができていた

「タリス!しっかりして!」

アルトが大声でタリスに向かって声をかけると、タリスの指がピクっと少しだけ反応した

「まだ生きてる!」

アルトはタリスの反応に気づき、急いで周りにいるであろう人を探す

「誰か!誰かいませんか!タリスが……」

だが、アルトとタリスの周りにはもう誰もいなかった

魔族の攻撃で学園が崩れてからもう15分ほど経ってしまっている
このままではタリスが死んでしまう!
そう考えたアルトは芝ちゃんの力を借りてタリスの上にのしかかっている時計塔の瓦礫をどかすことにした

「んしょっ……」

『頑張れっ!頑張れっアールート!』

アルトが瓦礫を一人で一生懸命どかしている時、不意に学園を覆っていたバリアが物凄い勢いで修復されていく

アルトはそれに気づかないのか自分の倍ある瓦礫をどかそうとしている

「なんっで!どかないっっっ!あー!もう嫌だ!タリス以外全部吹っ飛ばす!芝ちゃんお願い!」

『了解!…障害物の総面積をサーチ完了!ロケット弾丸準備開始!……準備完了!発射致します!放てーーー!』

芝ちゃんが叫ぶと同時にロケット弾が発射され、タリスを押しつぶしている時計とその他の大きな瓦礫を綺麗に吹っ飛ばした

「ナイス芝ちゃん!」

『どんなもんだい!』

ドヤ顔している芝ちゃんを置いてアルトはタリスに駆け寄る

「タリス!タリス!大丈夫?すぐに救護室に運ぶね?………タリス?」

アルトがどんなに声をかけようとも、タリスはピクリとも言わない

「タリス……?」

アルトはタリスの心臓の位置に耳を当てて、心音を聞き取る

トクン………トクン……

今にも止まりそうだがタリスの心臓は頑張っている
アルトはタリスの血で服を赤く染めながらも芝ちゃんに力も借りながらもタリスを背負い、1歩、また1歩と歩き始めた









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