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反撃編
西園寺財閥の令嬢
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「どうやら、状況はあんまり芳しくないらしい」
世羅は先程の通信機から手を放すとリムジンをすぐさま止める。
「おい、放せ小娘」
「うわっ、この子猫ちゃん、見た目と違ってダンディな声だすんやな!!ギャップ萌えやわ~」
ミーは子猫じゃねぇー!とか言いたくなって、ちなみに煙草も吸いたくなったが、今はそんな状況でもないので、とりあえず目の前の状況を解決するために世良に声をかける。
「テロリストか」
「あぁどうやらそうらしい、狙いはどこからの情報かは知らんが、おそらく俺達のところを狙いを定めてるだろうな」
世良はミーの発言に首肯し、黒光りする拳銃を両手に持ち、周りを警戒する。
それに加えてパトカーのサイレンと思わしき音が唸りをあげて、こだましていた。
ミーにとっては憂いを伴う事態で時代は平和とうたうが脅威は消え去らないのが世の常なような気がした。
「ミー、病み上がりで悪いが、西園寺のお嬢さんの警護を頼むがいいか」
そうは言っても、嫌だと言っても、戦わなければいけないのは当然のごときことだったので、ミーははぁとため息をついて
「後で報酬は寿司とかお雑煮とか日本食のうまいもん、たんと食わせろ」
「あぁ考慮する」
そして、世良は返事をすると車のリムジンを降りて、敵を引き付けるかのように走り去っていった。
そして、ミーの後ろの方から友達(仮)がこの状況とは正反対の形で余裕たっぷりな声音で言うのであった。
「おじさん、女の子相手にかっこつけちゃって、ヒューヒュー」
「悪いが俺はおじさんじゃない、というかカッコつけてない」
「いや、もうどっからどう見ても、おじさんでしょ」
「ぐっ」
開始早々の、面子との会話は色々と憂鬱だ、というか、ミーは自身がおじさんと言われる年頃になったというのは知っているが、それを言葉でストレートにしかもよりにもよって生意気なやつに言われたくない。
「まぁ、子猫ちゃんが二匹揃ってじゃれてるなんて可愛いわ~」
西園寺は令嬢特有の場違いなことをいう。
「「じゃれてない!」」
二人揃って同じことをいう。
そして、キャシーもその事に関してはミーと同じ感性でいたから、ミーはとりあえず安心する。
しかし、どこからどう見たら、じゃれてるように見えるのだろうか、頭が少しあれなのだろうか。
ミーは口に出掛けたが止めておくいったら、言ったら、とんでもないことになるからだ。
まして、普通の娘なら、ともかくも財閥の娘、感に触ったら、多分、命はないからだ。
ミーは改めて年の功というものがそうさせていることに感謝した。
年を重ねるのも案外悪くないものだと思う。
しかし、逆接的にその事に黙っていないという反対語も存在する。
「ちょっと、おばさん、猫と猫がじゃれてるように見えてるのって頭どうかしてんのハッ!」
「おい、ボッパソコン娘!」
ミーはすぐさまキャシーを押さえようとしたが、時すでにお寿司じゃなく、遅し………
こんなことを言われて怒らないのは、どうやら、あのはんなり京都の財閥の娘でも、例外ではなかったようだ。
「はぁあ?ウチがわざわざ、本当はぐーたらしたいのを我慢して来てやったちゅーのに、どうして、そんなことを子猫はんっていったくらいで、そないなこと言われんといかんねん、おかしいやろが!」
化けの皮が剥がれたというか、どうやら、本当は行きたくなかったらしい、というか家でぐーたらしたかったとは、もしかしたら、財閥の娘も金には恵まれているが、お家の都合でとか、そういうので休めてないんだなと、ミーはこの子に同情したい気持ちになった。
確かに、説得力があるから何も言えなかった。
「おい、キャシー謝っとけ」
小声でミーはキャシーにいうが、当然のことながら素直に応じるというのが珍しいくらいであるか
「どうして、だっておじさんは子猫って言われた(笑)ものだけど、アタシは子猫って言われるのは馬鹿にされてるようで嫌なんだよ!」
どうやら、謝る気はこの言葉からゼロというのは明確だった。
しかし、さっきボクといったようないってないような、少しばかり、キャシーは本気で起こってるような感じだった。本心でいってるような、そして、いつもよりは真剣な目で……
すると、そうこうしてるうちに、リムジンから離れた先で機関銃を持った、大柄の男がトラックから派手に出てきて、
「死ねぇぇぇぇぇぇ!」
機関銃の弾丸をリズムを打ちながら弾丸の嵐を降らせるのであった。
このままでは、危ないとミーはいがみ合ってる二人に向かって
「おい、ババァと僕、リムジンから離れるぞ!」
と言うが、一向に動かない、代わりに出てきたのは
「うっさいから、黙ってくれへんか」
「おじさんはこれだから最近のおじさんは」
逆に怒られる始末、しかし、もう、すぐさま迫ってるのにどうして余裕でいられるのかミーには意味不明だった。
しかも、世良には護衛を頼まれたから、身を呈して守らなければならないかと決心する。
病み上がり後の体だから、あまり、自分の能力が発揮される自信はなかったが、何しろミーの能力は無機質に対して、黒い渦を発生させ、無機質のものならば、渦を飲み込む「ブラック」という異名を持っているからだ。
戦闘は無理だが、防御ならとミーはリムジンを背にして弾丸の嵐を前に能力を行使しようとするのだった。
しかし、どうやらその必要はなかったようだ。
というのも
「まぁ、馬鹿にされたのなら、本当なら猫ごときに守ってもらいたかったんやけど、まぁおばさんって馬鹿にする猫がいるさかい、格の違いというもんをみせてやりましょか」
すると、ミーは手で制されて、代わりに西園寺の令嬢は和の美ともいえる扇子を取り出すと……
「科学の力とちょっとばかしの陰陽道で生み出された、私の能力、少しばかり味会わせてやりましょか!食らいなさい桜吹雪『払』」
すると、弾丸は桜が舞って散るように、勢いとは反対に地上にパラパラと桜のように落ちていった。
「くっ何故だ……、お前は西園寺財閥の娘、深窓の令嬢に近しい存在だというのに、何故だ……」
大柄の男は更に醜い顔をして狼狽していた。
「何故か?フフフフ、まぁアンタみたいな庶民どもにはわかりませんやろな、むしろ、深窓の令嬢じゃなくてぐーたらしたい……」
意地の悪い顔の後に、ため息をつく姿に一瞬笑ってしまいそうなミーだったが、やめておいた、笑ったら駄目だ、笑ってはいけない、即アウト、おそらく尻だけではすまないだろう。
「まっ、勝てる確率はほぼというかゼロに近いと思いはるんで帰ったほうがいいんじゃありまへんか?」
男に対して、悪魔の笑みを浮かべながら脅しに掛かる口調はまさに恐ろしいものだった。
正直、この子が敵でなくてよかったとミーはほっとする。
「くっくそー、おっ覚えてろよ~!」
と、大柄の男はでかい機関銃の武器を棄てて逃げるのであった。
しかし、
いつの間にか、男の回りにはパトカーが取り囲み、警官達は一斉に拳銃を向ける。
理由は何故か、それは後ろの猫がカタカタパソコンを自慢げに打ちながら
「まっ西園寺さん、僕の力もなめないことだね」
どうやら、キャシーのおかげでもあったということで決着は引き分けというような感じにはどうやら、
「でも、わてが力を行使しなかったら、そんなこと、できなかったじゃありまへんか?だから、私の勝利ということでええんじゃありまへんか?」
同じく、自慢げにシャッと扇子を広げてどや顔でニヤリと笑う西園寺
しかし、ここで食い下がるキャシーではなかった。
ミーなら食い下がるのだが……
「というか、西園寺さんは僕が後のことまで、考えてなくて危うく逃がすところを警察に位置を知らせたのは僕のおかげですよ、しかも、相手方はどうやらステレス型の機械を使って位置を撹乱してた訳だし、もし、逃がしたら、情報の出所とかわかんなかったじゃないですか!ということで僕の勝ち」
と言って、両者食い下がることがなかった、というわけで、ぐぐぐと歯軋りさせたあと、
「おじさん!」
「ミーはん!」
「あっ……」
ミーはめんどくさくなったなぁと心の中でため息をつくのであった。
そして、
「まっ、どっちも勝ちでよかったと思うよ」
と言ってみるものの、そのあとの二人の間で納得するということはなかった。
はぁーミーは心の中で異性というものはめんどくさいことを改めて知るのであった。
世羅は先程の通信機から手を放すとリムジンをすぐさま止める。
「おい、放せ小娘」
「うわっ、この子猫ちゃん、見た目と違ってダンディな声だすんやな!!ギャップ萌えやわ~」
ミーは子猫じゃねぇー!とか言いたくなって、ちなみに煙草も吸いたくなったが、今はそんな状況でもないので、とりあえず目の前の状況を解決するために世良に声をかける。
「テロリストか」
「あぁどうやらそうらしい、狙いはどこからの情報かは知らんが、おそらく俺達のところを狙いを定めてるだろうな」
世良はミーの発言に首肯し、黒光りする拳銃を両手に持ち、周りを警戒する。
それに加えてパトカーのサイレンと思わしき音が唸りをあげて、こだましていた。
ミーにとっては憂いを伴う事態で時代は平和とうたうが脅威は消え去らないのが世の常なような気がした。
「ミー、病み上がりで悪いが、西園寺のお嬢さんの警護を頼むがいいか」
そうは言っても、嫌だと言っても、戦わなければいけないのは当然のごときことだったので、ミーははぁとため息をついて
「後で報酬は寿司とかお雑煮とか日本食のうまいもん、たんと食わせろ」
「あぁ考慮する」
そして、世良は返事をすると車のリムジンを降りて、敵を引き付けるかのように走り去っていった。
そして、ミーの後ろの方から友達(仮)がこの状況とは正反対の形で余裕たっぷりな声音で言うのであった。
「おじさん、女の子相手にかっこつけちゃって、ヒューヒュー」
「悪いが俺はおじさんじゃない、というかカッコつけてない」
「いや、もうどっからどう見ても、おじさんでしょ」
「ぐっ」
開始早々の、面子との会話は色々と憂鬱だ、というか、ミーは自身がおじさんと言われる年頃になったというのは知っているが、それを言葉でストレートにしかもよりにもよって生意気なやつに言われたくない。
「まぁ、子猫ちゃんが二匹揃ってじゃれてるなんて可愛いわ~」
西園寺は令嬢特有の場違いなことをいう。
「「じゃれてない!」」
二人揃って同じことをいう。
そして、キャシーもその事に関してはミーと同じ感性でいたから、ミーはとりあえず安心する。
しかし、どこからどう見たら、じゃれてるように見えるのだろうか、頭が少しあれなのだろうか。
ミーは口に出掛けたが止めておくいったら、言ったら、とんでもないことになるからだ。
まして、普通の娘なら、ともかくも財閥の娘、感に触ったら、多分、命はないからだ。
ミーは改めて年の功というものがそうさせていることに感謝した。
年を重ねるのも案外悪くないものだと思う。
しかし、逆接的にその事に黙っていないという反対語も存在する。
「ちょっと、おばさん、猫と猫がじゃれてるように見えてるのって頭どうかしてんのハッ!」
「おい、ボッパソコン娘!」
ミーはすぐさまキャシーを押さえようとしたが、時すでにお寿司じゃなく、遅し………
こんなことを言われて怒らないのは、どうやら、あのはんなり京都の財閥の娘でも、例外ではなかったようだ。
「はぁあ?ウチがわざわざ、本当はぐーたらしたいのを我慢して来てやったちゅーのに、どうして、そんなことを子猫はんっていったくらいで、そないなこと言われんといかんねん、おかしいやろが!」
化けの皮が剥がれたというか、どうやら、本当は行きたくなかったらしい、というか家でぐーたらしたかったとは、もしかしたら、財閥の娘も金には恵まれているが、お家の都合でとか、そういうので休めてないんだなと、ミーはこの子に同情したい気持ちになった。
確かに、説得力があるから何も言えなかった。
「おい、キャシー謝っとけ」
小声でミーはキャシーにいうが、当然のことながら素直に応じるというのが珍しいくらいであるか
「どうして、だっておじさんは子猫って言われた(笑)ものだけど、アタシは子猫って言われるのは馬鹿にされてるようで嫌なんだよ!」
どうやら、謝る気はこの言葉からゼロというのは明確だった。
しかし、さっきボクといったようないってないような、少しばかり、キャシーは本気で起こってるような感じだった。本心でいってるような、そして、いつもよりは真剣な目で……
すると、そうこうしてるうちに、リムジンから離れた先で機関銃を持った、大柄の男がトラックから派手に出てきて、
「死ねぇぇぇぇぇぇ!」
機関銃の弾丸をリズムを打ちながら弾丸の嵐を降らせるのであった。
このままでは、危ないとミーはいがみ合ってる二人に向かって
「おい、ババァと僕、リムジンから離れるぞ!」
と言うが、一向に動かない、代わりに出てきたのは
「うっさいから、黙ってくれへんか」
「おじさんはこれだから最近のおじさんは」
逆に怒られる始末、しかし、もう、すぐさま迫ってるのにどうして余裕でいられるのかミーには意味不明だった。
しかも、世良には護衛を頼まれたから、身を呈して守らなければならないかと決心する。
病み上がり後の体だから、あまり、自分の能力が発揮される自信はなかったが、何しろミーの能力は無機質に対して、黒い渦を発生させ、無機質のものならば、渦を飲み込む「ブラック」という異名を持っているからだ。
戦闘は無理だが、防御ならとミーはリムジンを背にして弾丸の嵐を前に能力を行使しようとするのだった。
しかし、どうやらその必要はなかったようだ。
というのも
「まぁ、馬鹿にされたのなら、本当なら猫ごときに守ってもらいたかったんやけど、まぁおばさんって馬鹿にする猫がいるさかい、格の違いというもんをみせてやりましょか」
すると、ミーは手で制されて、代わりに西園寺の令嬢は和の美ともいえる扇子を取り出すと……
「科学の力とちょっとばかしの陰陽道で生み出された、私の能力、少しばかり味会わせてやりましょか!食らいなさい桜吹雪『払』」
すると、弾丸は桜が舞って散るように、勢いとは反対に地上にパラパラと桜のように落ちていった。
「くっ何故だ……、お前は西園寺財閥の娘、深窓の令嬢に近しい存在だというのに、何故だ……」
大柄の男は更に醜い顔をして狼狽していた。
「何故か?フフフフ、まぁアンタみたいな庶民どもにはわかりませんやろな、むしろ、深窓の令嬢じゃなくてぐーたらしたい……」
意地の悪い顔の後に、ため息をつく姿に一瞬笑ってしまいそうなミーだったが、やめておいた、笑ったら駄目だ、笑ってはいけない、即アウト、おそらく尻だけではすまないだろう。
「まっ、勝てる確率はほぼというかゼロに近いと思いはるんで帰ったほうがいいんじゃありまへんか?」
男に対して、悪魔の笑みを浮かべながら脅しに掛かる口調はまさに恐ろしいものだった。
正直、この子が敵でなくてよかったとミーはほっとする。
「くっくそー、おっ覚えてろよ~!」
と、大柄の男はでかい機関銃の武器を棄てて逃げるのであった。
しかし、
いつの間にか、男の回りにはパトカーが取り囲み、警官達は一斉に拳銃を向ける。
理由は何故か、それは後ろの猫がカタカタパソコンを自慢げに打ちながら
「まっ西園寺さん、僕の力もなめないことだね」
どうやら、キャシーのおかげでもあったということで決着は引き分けというような感じにはどうやら、
「でも、わてが力を行使しなかったら、そんなこと、できなかったじゃありまへんか?だから、私の勝利ということでええんじゃありまへんか?」
同じく、自慢げにシャッと扇子を広げてどや顔でニヤリと笑う西園寺
しかし、ここで食い下がるキャシーではなかった。
ミーなら食い下がるのだが……
「というか、西園寺さんは僕が後のことまで、考えてなくて危うく逃がすところを警察に位置を知らせたのは僕のおかげですよ、しかも、相手方はどうやらステレス型の機械を使って位置を撹乱してた訳だし、もし、逃がしたら、情報の出所とかわかんなかったじゃないですか!ということで僕の勝ち」
と言って、両者食い下がることがなかった、というわけで、ぐぐぐと歯軋りさせたあと、
「おじさん!」
「ミーはん!」
「あっ……」
ミーはめんどくさくなったなぁと心の中でため息をつくのであった。
そして、
「まっ、どっちも勝ちでよかったと思うよ」
と言ってみるものの、そのあとの二人の間で納得するということはなかった。
はぁーミーは心の中で異性というものはめんどくさいことを改めて知るのであった。
応援ありがとうございます!
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