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本編2
帰還
しおりを挟む書き置きじゃ駄目だろう!!今頃、王宮内が王様がいない~って大騒ぎしとるよ!!
僕は、決めた。この陛下を無理やりにでも還そうと、懐から出した、転移用3回まで使えるスリースクロールを巻いた状態で、陛下の足元に転がして、小さく『レグルス陛下を王宮に転移せよ……』呟くと、スクロールから優しい光が点滅し、やがて、陛下の周りを取り囲む。
「なっ?!」
僕の行動に出遅れた陛下は、そのまま光を纏って姿が薄くなり、見えなくなった。
「陛下、きちんと外出の許可とってから来てくださいねー」
こうして、無事に帰還させたし
良かった。良かった。
それを見ていた、トワ様は、唖然とした顔で僕を見て、反対にノガンは、やれやれ、良かったあるよ~安心した顔をしていた。
マリー様は平然として、お茶を飲んでいた。
「あら、帰しちゃったの?」
「はい、あのまま、こちらに居たら困るので王宮に戻しました。」
コンコンとドアがノックする音に、気付き「はい」返事をした。
入ってきたのは、出来る侍女さん達
そして、一言。
「奥様、若様が眠りからお目覚めになりました。」
うちの天使がお昼寝から目を覚ましたようだ。
◆◆◆
「きゃぁ~っミニローちゃん、可愛い♡」
先にマリー様をお茶でおもてなししたのは、うちの可愛い息子が、眠り始めてしまったので、マリー様が、眠いに時に会うのは、グズちゃうかもしれないからと、起きた時に、ちゃんと会いたいわと言われたので、ちょうど良いタイミングで目を覚ましてくれた。
「お名前は~うふふっ何て、言うのぉ?」
「アトリ・エミューでちゅ、よろちくね☆彡マリーたま♡」
僕が息子たんの代りに答えると、マリー様は、何故か呆れた顔をした。
「ローちゃん、普通に紹介してくれたら良いのよ。アトリくん、あなたのママ、お調子者で困ったでちゅね~」
ええっマリー様だって、最後は赤ちゃん言葉で話しかけてるじゃないですか!
◆◆◆
その後、マリー様も
「お名残惜しいけど、そろそろ、帰るわね~っ」と去っていたー。
そして、僕とトワ様と息子のアトリ3人で、静かになった部屋でまったりしていた。
「……それにしても、陛下をまさか、あんな風に帰還させるなんて、驚きました。スクロールは、開いて使用すると思っていたので」
「あ、陛下をザツに返却した事は、呆れてないんですか?」
「呆れる?なぜですか、むしろ、王宮の方達が要らぬ労力を使わないで済んだのですから?還さなければ、今頃、王宮の臣下達が転移魔法で、こちらに来て大変だったと思いますよ?」
「そう思ってくれるんですね、トワ様は……」
そんな風に受け止めるくれるトワ様に、何だか、こそばゆい気持ちになった。
僕が抱っこしていたアトリが、突然トワ様の顔を見て
「と、とーわ、ぱっぱぱ~っ」
「「えええっは、初じめて、パパって言った!!」」
(む、息子たんが、アトリたんが、喋った!!それも、とーわぱぱって、感動~っ)
福々とした可愛い顔に、僕の事を、ママって呼んで欲しいと声をかけた
「トワ様は、パパだね、じゃあ、アトリた~ん♡僕のことは?」
自分に指差して、聞いてみた。そしたら、アトリは、それまで、ご機嫌な顔から、あ、この人もいたなと顔つきで、そして、何かを諦めた顔で僕の顔を見て
「…………ろーっ」
なぜだ!!ママじゃなくて、それ、名前の一文字だし、その一言いうのに、疲れ果てたよって息子たんを見て泣きそうになった。
一方、トワ様は、すごく嬉しそうにアトリに向けて笑顔で「パパだよ~」って言ってました。
く、悔しくないよ…………ううっ
後日、その事で、ノガンに相談したら
「それは、ロードナさまが、ずぅ~っと、しつこく構うあるから、アトリさま、もう心の扉、今はロックしてあるね、普通は赤ちゃんのお世話してる母親がノイローゼになるのに、ロードナさまは、普通じゃないあるね、アトリさまを構うのホドホドにしないとある。」
その理由を聞いて僕は、また泣きそうになった。ガクッ
数日後ーー
王宮から手紙が届いておりー
僕があの時、無理やり王宮に返却した陛下は、大変だったらしいーー帰った瞬間に、ククルーナーシュさんが産気づいたそうだ。
危なっ あのまま、エミュー領にいたら、出産の立ち会いできない所だった。無理やり転移してよかった。
何々?王宮に転移させたお礼に
えっ王宮のロイヤルコーヒー豆を贈るって!?
やったーーー!!
あ、ククルーナーシュさんの出産祝いにお酒を贈ろう。あと、うちにお酒を求めて来るなら、陛下1人じゃなくて、夫夫で来てくださいと強くメッセージに書いとこう。
そうしないと、また1人で来るよ。あの方は……
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