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いない日常

空白の夢の人

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(なんだよ張華?またクロワッサンか?太るぞ?)
誰?
(太らないわよ)
誰と会話してるの?
(あ、そう...)
あなたは誰?
(どうしたのよ?)
なんで、泣いているの?
(いや、まぁ頑張れよ)
やめて
こんな夢見たくない。


夢の人は、必ず最後に笑っていた。



















ピピピッと目覚ましの音が部屋中に響く。
「う~ん。」
「おはようございます。お嬢様」
「うん、おはよう莉子。」
「どうしました?顔色がわるいようですが?」
「大丈夫、ちょっと変な夢を見ただけだから。」
「変な夢ですか...」
「えぇ、何か大切な人が、消えるような。」
思えば、変な夢コレは、ここ最近、ずっと見ている。
知らない人が、コレまた知らないわたしと喋っている。
その夢で、私達は毎回違う話をしていた。
彼の知り合いのこと、学校のこと、いろいろな話を...しかし、最後は必ず静かにゆっくりと、悲しげに別れるそんな夢を...
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