銭ゲバ令嬢なまぐさ司祭に溺愛される【R18】

chapter7:become a teacher

古い夢4 その7

「ところでお前エステル様と一緒じゃなかったのか？？？」

サミュエルはエステルの巡礼に一緒にいた筈なのに不思議に思うマキシムはそう尋ねる。

「そのエステル様直々に連れ戻して来いって言われただけっスよ...エステル様に言われた通り直接ここの駅で待ってて正解っスよ～」

エステルの預言の力故かディビッド達がこの列車に乗っていることは結局バレていたようで、その為にわざわざサミュエルがやって来たようだ。

「結局エステル様には何もかもお見通しって事か...逃げるとか無理だよな...」

マキシムは肩を落とす。

「じゃあ2人とも観念して駅に降りるっス！そのままバーレ行きの列車に乗って帰るっスよ！」

「なぁ、ここまで来たんだ...一日だけでもロストックに...」

「それはダメっスね、それこそ坊ちゃんの罰にならないっスから」

マキシムがディビッドに対する同情心からそう頼むもサミュエルは聞き分けないのか承諾しない。

「くっ！」

一瞬の隙をついてディビッドは逃げ出す。

「ディビッド！」

「坊ちゃん！逃げられると思っても無駄っスよ！」

とサミュエルはパッと袖から出てきたチェーンウィップをディビッドの足に向けて投げ、そのままチェーンは足に絡みつくとそのまま転んでしまう。

身を起こし、足に絡まる鎖をガチャガチャ外そうとするディビッド。

「坊ちゃんどう頑張っても外せねぇっスよ！まったくちゃんとエステル様に相談すればロストックくらい巡礼の時にでも連れて行って貰えるでしょうに...なんでこんなバカな事をするっスかねぇ」

「うあっ！」

サミュエルは呆れた顔でディビッドに近づき、首筋の頚動脈を狙って手刀を当てるとディビッドは気絶しその場でぐったりと倒れ込むのだった...