スカイアーツ・ヴァルキュリア

月天下の旅人

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sequence:19『食券』

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 鶏肉の唐揚げのカロリーについて指摘する涼に対し、愛はこういう。

「まあ、私たちは食べ盛りなんだからそこは問題ないわ」

「それもそうですね」

 というわけで、二人は食堂の食券から鶏の唐揚げ定食を選ぶ。

「これをお願いします」

 食堂の職員に涼はそういって食券を渡す。

「そうやってかしこまらなくてもいいのよ」

 そういう職員の言葉を受け、愛は微笑む。

「まあ、涼はこういう食堂に慣れてないだろうしね」

「まあ、めったなことじゃこういう形式の場所には来ないですしね」

 そんな対応をする涼に、愛はこう返す。

「まあ、今日からはこの食堂でお世話になるんだし慣れないとね」

「そうですね。一々驚いていたら話にならないと思います」

 そんな涼に、職員はこういった。

「もしかして、初めてここを使うのかい?」

「そうですね」

「それなら、これからよろしくね」

 職員はそういって食券を切り、涼は食券の切れ端を受け取る。

 そして二人は席に座ると、愛が涼にこういった。

「私の乗ってるペネムIカスタムだけど、ペネムにはもう一つカスタマイズがあるのよ」

「ええ。律もそういっていましたね」

 そんな返しをする涼に、愛はこういった。

「聞いていたんだ。ってことは私が乗っているのも知ってるわよね?」

「話に聞いているのと、実際に見てみるのは違いますからね」

「確かに、それはいえてるわよね」

 愛にペネムのカスタマイズの話をしていた涼はこう切り出す。

「そのもう一つのカスタマイズは確か、Gカスタム……ガンファイトだから銃撃戦特化ですっけ?」

「そうよ。基本機になるペネムの武器はマシンガンとソニックブレード」

「私のスカイアーツ……ウィラメットより凄そうですね」

 そんな涼に、愛はこう返す。

「確かに剣を振動させて切れ味を増してるけど、汎用性と引き換えに落とした切れ味を補強しただからね」

「エネルギーを喰うんですか?」

 そう問いかける涼に、愛はこう返す。

「スカイアーツの動力は核融合だといっても、ナノマシンを使っているからエネルギーは問題になりやすい」

 第一、と愛は続ける。

「Iカスタムではオミットされた装備だから、近接戦装備としてはあまりよろしくないと判断されたみたいよ」

「じゃあ、ペネムセカンドでもオミットされてるんですか?」

 そんな涼の問いに愛はこう答える。

「そうね。いくら専用機が機密に近いといっても、生徒ならどんな武器を使うか分かるしいうけど」

 そう前置きした上で、であるが。

「ペネムセカンドの武器はレールガンとマシンガン、それとショートソードよ」

「レールガンってどっかで……」

 そんな涼に、愛はこう突っ込む。

「確かにそれは有名だけど……それとも別の子かな?ともかく、レールガンは実際にある武器よ」

「そうでしたね。電気で何か飛ばすなら弾丸はコインでも何でもレールガンってことです?」

 ちょっと待って、と愛はスマホを取り出していった。

「何々……調べてみるとレールガンはこんな説明文があったわ」

『電位差のある2本の電気伝導体製のレールの間に電流を通す電気伝導体を弾体として挟み、
この弾体上の電流とレールの電流に発生する磁場の相互作用によって弾体を加速して発射するものである』

「概要はさっぱりですが、要するに凄い武器だってのは分かりました」

 そんな涼に、愛もこう返す。

「正直、中学生には良く分からない武器ね。ともかくレールガンに、銃剣付きライフルがGカスタムの武器よ」

「へえ、じゃあペネムセカンドは両方のカスタム機のいいとこどりってことですね」

 感心する涼に、愛はこう返す。

「実際量産も視野に入れて作ったらしいけど、レールガンとマシンガンが両方左腕で持つ仕様だから切り替え難しいっていわれたみたい」

「確かにタイミングが難しいでしょうが、それよりなんでGカスタムでマシンガンはオミットされたんです?」

 涼は素朴な疑問を愛に問いかけるのだった。
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