スカイアーツ・ヴァルキュリア

月天下の旅人

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sequence:22『歴史』

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「そういや、今日の一時間目はスカイアーツの歴史についてでしたね」

 そんな涼に、愛はこう頷いた。

「スカイアーツは元々、折谷明日夢が兵器として作った。だっけ?」

「とはいってもあくまで目的は国防のため……非核三原則のある日本が核の脅威から生き残るために作られた物です」

 教科書通りのことをいう涼に、愛はこう問いただす。

「実際、あなたはどう思うの?」

「第二次世界大戦の前は戦艦がとんでもなく作られた、と聞きます。今の時代じゃ役には立ちませんけど」

 そうね、と頷いた上で愛はこういった。

「それと同じよね。冷戦時から米ソの核軍拡が始まり……縮小はされても放棄はされなかった」

「スカイアーツは皮肉にも、そんな状況を一変させてしまった。ですよね?」

 そう問いかける涼に、愛はこういった。

「耳に胼胝ができるくらいはいわれる言葉よ」

「国防を他国に頼ることの危うさを明日夢は考えていた。だから日本を守るためには仕方なかったかもしれません」

 教科書にはそこまで書かれていなかったが、歴史の教科書で日本の現代史について涼は習っていた。

 もちろん涼だけでなく、愛も習ってはいたのだがその見識に少し驚いたようだ。

「それ、律の受け売りじゃないよね?」

「守ることについては自分で考えました。国防っていうのは良く分からない言葉ですが」

 まあ、と愛は涼を見据えながら返す。

「幾ら故郷を愛する心が大切だといっても、小中学生がそんな思想じみたこと考えるのは可笑しいわね」

「そうですね。小中学生は政治的な思想に染まらない、無垢な存在であった方が世の中平和になると思います」

 そんな涼に、愛は頷きながらこう返す。

「過去にやったことが間違っていたのか、正しかったのか。無関係な世代まで引きずるのは良くないわ」

「はい。過去にこの国が過ちを犯していたとしても、無関係な世代にそれを背負わせるのは可笑しいんですよ」

 そんな返しをする涼に、愛はこういった。

「まあ、教科書を読んで学んだことなんだけどね」

「それでいいと思います。結局、過去を踏まえた上でこれから先どうするべきなのかが大切なんですから」

 そんな涼に愛は頷き、こういった。

「ともかく、スカイアーツは兵器として作られた。でも、それをどう使うかは結局私たち次第よ」

「そうですね。武器として作られた物でも、他の使い道だってあると私は信じます」

 武器として作られた物でも、何かしらの使い道はある。

 銃も使い方によっては獰猛な獣から身を守る道具として使えるのだ。
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