スカイアーツ・ヴァルキュリア

月天下の旅人

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sequence:36『食卓』

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 翌朝、涼が目を覚ますとご飯と肉じゃがが用意されていた。

「ちょうどこの時間に起きると思って準備していたの」

「ありがとう、律」

 何だかんだで律も気が利くようであるが、彼はまずうがい手洗いをしてから食卓に着く。

 そして彼はこういう。

「いただきます」

 それに合わせて律もそういい、二人は肉じゃがを食べ始める。

「お茶もあるわよ」

 そういって律はお茶を出す。

 肉じゃがを食べた涼はその感想をいう。

「作り置きでも美味しいね。味が良く染みてるよ」

「前に涼が作ったのを参考にしたのもあるかな」

 謙遜する律。彼女の腕は涼に劣るものの和風の家庭料理が得意なので、それに関しては涼と互角である。

 とはいえ仕事で疲れている時に料理を作るのは大変なのだ。

 それに洋風料理や中華料理では涼に軍配が挙がるため、律は涼が居る時は基本彼に作ってもらう。

 涼が居て律が作る時は今回が初めて、というわけでもない。

 朝早くから新幹線で来た上で昼ご飯を食べずに家へとやって来る涼のために、律がご飯を作っておくということもあった。

 もっとも涼が律に期待して昼食を抜いているのではなく、食費を浮かすために律から提案してそうしているのだが。

 とはいえ、涼が律に料理を作った回数と比べれば少ないのである。

 彼も律と一緒に東京を色々巡って遊ぶことができるなら悪くないと考えていた。

 ちなみに涼の出身は東京だが、彼は物心つく頃に親の出張で名古屋へと転居した。

 そのため自分は東京出身だという思いがあり、尚更東京への思いは強い。

 ただ、こんな形で東京暮らしをすることは彼も流石に予想外であったが。

 話を二人に戻すと、彼らは朝食を食べ終えていた。

 食器洗いを律に任せ、涼はメイクを自分でやっていた。

 やり方は教えて貰っていたのと、学校だと一人で整える必要があるのでその練習も兼ねてである。

 ともかく、彼がメイクを終えると律が着替えを用意していた。

 パットと補正下着を付けるため、一人では中々難しい。

 一応、これも一人でやれるよう涼は練習していた。

 だが、あまり朝の支度に時間も掛けられないのでそこは律にやってもらうことにしていた。

 彼は制服に身を包み、パイロットスーツと教材の入ったカバンを持って外へと出ようとする。

 すると律がこんなことをいってくる。

「そうだ。学生証にお金をチャージしておけるのは知ってる?」

「ああ、ショッピングセンターでそんなこといってたね。ついでだからして来ていたよ」

 涼はそういった後、『いってきます』といってドアを開けるのだった。
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