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sequence:56『理由』
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「まず聞くけど、律のいとこっていうのは本当なの?」
「それで嘘を付く必要はないよね?」
「そういわれてみればそうだったね。それはごめん」
そんな瑞樹に涼は落ち着いて、といわんばかりにこういった。
「まあ、それを聞きたくなる気持ちは分かるよ」
「それじゃあ、これは聞いとくよ。性別を隠すっていいだしたのはどっちなのかな?」
瑞樹の問いに涼は思わずこう返す。
「聞くことはそれ?」
「男性なのに乗れる理由なんて偶然かバグかのどっちかでしかない訳だし、そんなことはどうだっていい」
「まあ、確かにそうかもしれないけど」
そんな涼に瑞樹はこう返す。
「それとも、どっちがいい出したのかいえない理由でもあるのかな?」
「いや、真っ先に聞くことがそれなのかなと思っただけ。いい出したのは律だよ」
「まあ、男性なのにスカイアーツに乗れるって知れたら大騒ぎだろうしね」
そんな瑞樹に、涼はこう返す。
「いや、多分僕はウィラメット以外乗れないと思う。ウィラメットとデータを共有でもしない限りはね」
「今乗ってる機体以外は男性である君を拒否する可能性が高い、ってことかな?」
「まあ、試そうとも思わないから推測でしかないんだけど」
そんな涼に、瑞樹はこう返した。
「とはいえ、それならウィラメット側で何かあったと考えるのが自然なことか」
「かもね。いずれにしても、僕がそれを了承したのはまた別の理由だから」
涼の言葉に、瑞樹はこう問いかける。
「別の理由ってのは何かな?」
「僕はヒーローになりたいんだ。だから、誰かを守れる力があればきっとヒーローになれると思ったんだ」
そんな涼の言葉を受け、瑞樹はこういう。
「まあ、僕達くらいの年齢なら戦う理由はそれでいいと思う。考えすぎても何もできなくなるからね」
「力に溺れたらそれは悪だってことも分かってる。けど僕はそんなに力があるわけじゃなかったから」
涼は同年代の男子の中でいえば、身体能力は悪くない部類に入る。
しかし運動部に入ってる訳でもないためヒーローとしては今一歩といえる。
彼も鍛えてないというわけではないのだが、鍛えるのに割ける時間もそこまであるわけではない。
なので彼は力があるならそれを使えばヒーローになれると、漠然と考えていた。
無論力だけに頼るのは良くないことではあるが、増長しているわけでもないのでまだ青いというくらいで済む。
「まあ、誰かを守れる力があってそれを振るうべきときに振るえないのも良くないことだしね」
「そうだね。それで、話はこれくらいでいいかな?」
「それで嘘を付く必要はないよね?」
「そういわれてみればそうだったね。それはごめん」
そんな瑞樹に涼は落ち着いて、といわんばかりにこういった。
「まあ、それを聞きたくなる気持ちは分かるよ」
「それじゃあ、これは聞いとくよ。性別を隠すっていいだしたのはどっちなのかな?」
瑞樹の問いに涼は思わずこう返す。
「聞くことはそれ?」
「男性なのに乗れる理由なんて偶然かバグかのどっちかでしかない訳だし、そんなことはどうだっていい」
「まあ、確かにそうかもしれないけど」
そんな涼に瑞樹はこう返す。
「それとも、どっちがいい出したのかいえない理由でもあるのかな?」
「いや、真っ先に聞くことがそれなのかなと思っただけ。いい出したのは律だよ」
「まあ、男性なのにスカイアーツに乗れるって知れたら大騒ぎだろうしね」
そんな瑞樹に、涼はこう返す。
「いや、多分僕はウィラメット以外乗れないと思う。ウィラメットとデータを共有でもしない限りはね」
「今乗ってる機体以外は男性である君を拒否する可能性が高い、ってことかな?」
「まあ、試そうとも思わないから推測でしかないんだけど」
そんな涼に、瑞樹はこう返した。
「とはいえ、それならウィラメット側で何かあったと考えるのが自然なことか」
「かもね。いずれにしても、僕がそれを了承したのはまた別の理由だから」
涼の言葉に、瑞樹はこう問いかける。
「別の理由ってのは何かな?」
「僕はヒーローになりたいんだ。だから、誰かを守れる力があればきっとヒーローになれると思ったんだ」
そんな涼の言葉を受け、瑞樹はこういう。
「まあ、僕達くらいの年齢なら戦う理由はそれでいいと思う。考えすぎても何もできなくなるからね」
「力に溺れたらそれは悪だってことも分かってる。けど僕はそんなに力があるわけじゃなかったから」
涼は同年代の男子の中でいえば、身体能力は悪くない部類に入る。
しかし運動部に入ってる訳でもないためヒーローとしては今一歩といえる。
彼も鍛えてないというわけではないのだが、鍛えるのに割ける時間もそこまであるわけではない。
なので彼は力があるならそれを使えばヒーローになれると、漠然と考えていた。
無論力だけに頼るのは良くないことではあるが、増長しているわけでもないのでまだ青いというくらいで済む。
「まあ、誰かを守れる力があってそれを振るうべきときに振るえないのも良くないことだしね」
「そうだね。それで、話はこれくらいでいいかな?」
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