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聖母()

Mobius Cross_メビウスクロス徒然:聖告

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『Mobius Cross_メビウスクロス徒然:聖告』



聖母


という言葉をご存知だろうか。


人格の優れた尊崇される人の母に対する称号である他、今日(こんにち)においては“とある人物”を指す言葉として有名だ。


その“聖母”とはどんな人物だったのだろう…?




「おめでとう、恵まれた方。主(しゅ)があなたとともにおられます。」

羽と光輪を有した天の御使いが突然話しかけてきた。


庭で清楚に読書を嗜んでいた少女ヤリマはこの言葉にひどくとまどって、これはいったい何の挨拶かと考え込んだ。


すると御使いが言った。

「こわがることはありません。ヤリマ。あなたは神から恵みをうけたのです。

あなたは妊って、男の子を産みます。」


ヤリマは、鈴を転がすような可憐な声で疑問を投げかけた。

「そ、そのようなことがありえましょうか…。

わたくしそのような粗相は…

わたくしはまだ……“殿方”を知りません…」


「ええ。存じておりますよ。

その子は、人の子にあって人の子にあらず…。聖霊が貴女の上に降り注ぎ降臨した、神の子なのです。」


「…?

…あの…詩的な表現はやめて頂けます…?コショコショ(わたくしさほど教養ございませんの!)」

ヤリマは口の横に手を添えて小声で言った。


御使いは

(…あれ…?庭で優雅に読書なんてしてるのに…?)

と思いつつわかりやすく伝えた。

「混乱しているのですね?大丈夫ですよ。

かみさまが、あなたに赤ちゃんをさずけてくださったのです。

あなたの遠い親戚も、年老いていたのに神様の力でみごもったでしょう?
神に不可能は無いのです。

ご覧なさい…。」

御使いがヤリマに手をかざすと…。



「うぷっ…!?」

一瞬ヤリマをつわりが襲ったかと思うと、お腹がみるみる膨れ、アッという間に安定期に入ってしまった。


「?!おわ!?な、ナニこれ!?ほんとにデキてる…!!!」


「わかりましたか?

その子は救世主となり、世を平和な楽園へと導くでしょう…。」


「ちょッ…まッ…ちょッ…!

処女!!未経験!!!」


「ええ。だからこそ神のみわざだと…」




「……は…?

妄言吐いてんじゃないわよ!

バツイチどころか、マルナシ子持ち?!

俺が?!

じょーーっだんじゃないッ!!

お前!俺にナニした!もとに戻しなさいよ!!」

ヤリマ豹変☆声は可愛いままだ。



「わ、私じゃありません!;

主です、主!

今更どうにもできませんから…;」



「…マジかよ…

知らん間に神に孕まされて人生終了とか…

俺の夢が…


この美貌でイイ男とヤりまくる薔薇色の人生が…!


その為だけに清楚キャラ貫いてきたのに…」



「な…?!///

う、ウソですよね?

神に選ばれた貴女が、そんな不純なかたの筈ないですよね??」


「もういい…お前みてーな変人に振りまく愛想はねーわ!」

「愛想は振りまけません…。振りまくのは愛嬌ですよ…?;」

「余計なお世話!教養無いっつってんでしょ!!」

ヤリマは立ち上がりずんずんと御使いに迫る!


「と、とにかく!;私の役目は終わりです!

奇跡の子ですから、ちゃんと育てるんですよー!」

御使いは慌てて飛び立った!


と、


「ん逃がすかぁっ!!」

ヤリマは本を投げつけた。( 推定時速138km )

本は御使いの脛にヒット!

「ア"ッ…!!!!」


御使いが空中で悶絶していると、ヤリマはなんと大ジャンプで御使いの上を取った!( 推定高度4m:妊娠参考記録 )

翼をキめ地に堕とす!


ドシンッ!!!


そのまま取り押さえられる御使い!

「…ち、力、強っ…!!」

「楽園に住んでるお前は知らないかもしれないけどね、

この世は力と美が全てなのよ…!」


「か、神ッ!!
お助け…」

「黙れっ!」

ヤリマは御使いの首をチョークスリーパーで締め上げた。

「ん……く…ふぅん……」
締め落とされてゆく意識の中、御使いは祈るのだった…


(…oh my God…)





ここの聖母は、白百合が似合う清楚な乙女ではなく、薔薇色脳筋不純生娘だったようです…。



Please don't continue(;^ω^)

⚠注意⚠

※この聖母には独自の解釈が含まれています!!実際にちゃんと敬って尊んでおられる方々にケンカを売る意図は八百万の神に誓ってございません!
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