Relationship site for murders

春織花満零

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Ep.1 血に飢えた淑女と派手好きの男

1-1

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待ち合わせ場所に着く。雨こそ降っていないが空はどんよりと曇っていた。
朽ちたコンクリートの建物ばかりの灰色の景色の中で、鮮やかな紫を身に纏う女がぽつりと立っていた。毒々しいその色に怖気付いていると、女は真っ黒な髪を揺らしながらゆっくりと振り返った。
「貴方がNさんですか?」
微笑みながら尋ねる彼女は、血の気のない真っ白な肌と不似合いな真っ赤な唇が印象的だ。
「……ええ、貴女は竜胆リンドウさんですね」
「ふふ、今から貴方を殺すというのに、随分のんびりとしたご挨拶ですね」
「まあまあ、とりあえずお茶でも飲みませんか?心配しなくとも証拠は残していませんので。」
仮に残していてもされてしまうらしいが。


────誰でもいいから殺したい人と自殺志願なのに勇気のない人のマッチングサービス。見つけたのは、ネットカフェで楽に死ぬ方法を調べていた、そんな時だった。


「まあいいでしょう、最初でのお話になりますし、何か話したいことがあればお聞きしましょう」
殺人鬼キラーとしてサイトに登録していた目の前の女は、そんなことを言う。これから人を殺めようというのに随分と余裕ぶった態度だ。そもそもその華奢な体で人を傷つけることができるというのだろうか?実は自殺を止めるために説得するとか……いや、俺にそこまでの価値はないか。

「うーん、話したいことか……何せ人と話すこと自体久しぶりでね。まずは挨拶代わりに身の上話でも」
半信半疑ながらも、女の持つ異様なオーラに促されてか、俺はぽつぽつと語り出した。
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