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第16話
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どうやらこのサエという人物は既に10層まで到達している戦闘職らしい。なのでそのままフレンド登録して一緒に10層まで向かうことにした。
「私普段1層から10層まで攻略RTAやってるの。さっきもその途中だったんだけど、せっかく会ったしね。だから私に付いてきて」
そう言って道なき道を彼女に従うまま進んでいく。私もマップを見ながら一直線に進んでは居るものの、実際にその道を通っているわけではないのでそれが最短でない場合もある。
なのでこのように先駆者がいてくれるとありがたい。
「ハルちゃんは女忍者だよね。めずらしい」
「そう。サエは?」
「私は双剣使いだよ」
そう言いながら、シールドを足場にして高い崖をどんどんと登っていく。そのシールドを私も利用しながら登らせて貰う。
シールドを足場にするという方法は、考えつくのは考えつくだろうが、このゲームにおいては非常に難易度が高い。おそらく彼女のプレイスキルの高さが成している技だろう。
「来るよ」
しばらく歩き、そうして到着したボス部屋。入ってすぐに広い空間に出てはそれぞれ武器を構える。
やはりやり込んでいるということはあり、想定よりも相当早くボス部屋には到着した。彼女の足場シールドは非常に優秀で、多少の起伏を無視して進めるし、橋がないところも渡れる。
素直に凄いと感心。
ボス部屋は今までとは少し違って、木々で覆われたフィールドのようなものになっている。部屋と言うよりはボスエリアのような感じだ。
そのフィールドの中央。竜巻のような緑色の風の柱が立ち上がると、ぶわっと辺り一面に強風が吹き荒れる。砂埃が舞い、地面の葉が花吹雪がごとく舞い上がる。
「ここはね、ダークエアリアルが出るの。闇属性でちょっとめんどくさいんだけど、女忍者なら余裕だと思うよ」
女忍者は闇属性と相性が良い。闇属性には闇属性の魔法やスキル攻撃は聞きにくいが、私はあくまでスキルで移動して物理というのが主流だ。つまりは楽勝。
「おっけ~」
立ち上がっていた風柱が散乱すると、中央に真っ黒なエルフのお姫様みたいな美人さんが立っていた。目には光がなく、周囲には真っ黒なオーブが浮いている。そして何より布面積が小さい。
「エッチだ」
「いいから倒して~」
「ごめんごめん」
サエが一気にダークエアリアルへ向けて進んでいく。なので私はそのまま影移動でボスの下へと入り込み、一気に忍者刀で突き上げる。
切れ味の良い忍者刀は非常に攻撃力が高い。
その攻撃を追うようにサエが双剣特有の連鎖攻撃でたたみかける。
うん、相性が良さそうだ。
「ハルちゃん強いね」
「サエもやっぱり強いね」
「私いろんな人とパーティー組んでるけど、そんな中でもトップクラスだね」
8層のボスを倒した後、9層攻略の途中でそんな話が上がる。
9層は面白みのない草原。サエ曰く素材採取がメインの戦闘職にはつまらない層らしい。
強いモンスターも出ないし、ボスもクソ雑魚ナメクジ。
「私も10層まであと一歩でここに来たからさ、がっくしって感じだった」
「うん、言っていることが分かるよ」
そう文句を言いながらほぼ道のない草原を進んでいく。
「話を戻すけどさ、私実は今ギルドメンバー集めてるの」
「あー、フェンテンリオルデみたいな?」
「うーんとね、あそこまで大規模では現状ないんだけど……」
どうやら彼女たちは今前界隈のメンバーとその友人、ゲーム内の強いプレイヤーをスカウトしながらギルド設立に向けて動いているらしい。
その名前は岩下倶楽部と言うそうだ。岩下という名前はギルドマスターの本名らしい。良いのか本名晒して。サエはそこの副ギルドマスターだそうだ。
すでに三嶋商業会と手を組む計画を進めているそうで、本気でゲーム内のトップを取りに行きたいそうだ。
「ほら、一般リリース開始後すぐにギルド対抗戦があるじゃん。それに向けて人を集めてる。プロフィール見たらハルはまだギルド入っていないみたいだし……」
一般リリース開始から1週間後に、すぐギルド対抗戦及び個人ランキング戦が予定されている。それに出場する選手のメインが先行リリース参加者ということもあり、いま上位勢はそのメンバー集めに必死だ。
私もくろね曰く上位勢。出ることを考えた方が良いのだろうが……。
「えーっとね……、こうやってパーティー組んでいるから変に聞こえるかもしれないんだけど、私はあんまり大人数でゲームをしたくないの。話を聞いている限り人数が多いでしょ?」
「そうだね」
「だから遠慮しておこっかなって」
「そかぁ……、まあ気が向いたら声かけてね」
……実の所、別にギルド入ってもいいんだけど、やるってなったら知り合いだけでやりたいなと言うところがある。仲いいみんなだけで設立して、チマチマやりたい。申し訳ないけど断る。
「……でもギルド対抗戦出るにはギルドが必須だよねぇ」
「出たいは出たいんだ」
「うん」
「そうだね~……。でも別にランキング戦だけ出るとかでも良いんじゃない?」
「それもそうだね」
「私普段1層から10層まで攻略RTAやってるの。さっきもその途中だったんだけど、せっかく会ったしね。だから私に付いてきて」
そう言って道なき道を彼女に従うまま進んでいく。私もマップを見ながら一直線に進んでは居るものの、実際にその道を通っているわけではないのでそれが最短でない場合もある。
なのでこのように先駆者がいてくれるとありがたい。
「ハルちゃんは女忍者だよね。めずらしい」
「そう。サエは?」
「私は双剣使いだよ」
そう言いながら、シールドを足場にして高い崖をどんどんと登っていく。そのシールドを私も利用しながら登らせて貰う。
シールドを足場にするという方法は、考えつくのは考えつくだろうが、このゲームにおいては非常に難易度が高い。おそらく彼女のプレイスキルの高さが成している技だろう。
「来るよ」
しばらく歩き、そうして到着したボス部屋。入ってすぐに広い空間に出てはそれぞれ武器を構える。
やはりやり込んでいるということはあり、想定よりも相当早くボス部屋には到着した。彼女の足場シールドは非常に優秀で、多少の起伏を無視して進めるし、橋がないところも渡れる。
素直に凄いと感心。
ボス部屋は今までとは少し違って、木々で覆われたフィールドのようなものになっている。部屋と言うよりはボスエリアのような感じだ。
そのフィールドの中央。竜巻のような緑色の風の柱が立ち上がると、ぶわっと辺り一面に強風が吹き荒れる。砂埃が舞い、地面の葉が花吹雪がごとく舞い上がる。
「ここはね、ダークエアリアルが出るの。闇属性でちょっとめんどくさいんだけど、女忍者なら余裕だと思うよ」
女忍者は闇属性と相性が良い。闇属性には闇属性の魔法やスキル攻撃は聞きにくいが、私はあくまでスキルで移動して物理というのが主流だ。つまりは楽勝。
「おっけ~」
立ち上がっていた風柱が散乱すると、中央に真っ黒なエルフのお姫様みたいな美人さんが立っていた。目には光がなく、周囲には真っ黒なオーブが浮いている。そして何より布面積が小さい。
「エッチだ」
「いいから倒して~」
「ごめんごめん」
サエが一気にダークエアリアルへ向けて進んでいく。なので私はそのまま影移動でボスの下へと入り込み、一気に忍者刀で突き上げる。
切れ味の良い忍者刀は非常に攻撃力が高い。
その攻撃を追うようにサエが双剣特有の連鎖攻撃でたたみかける。
うん、相性が良さそうだ。
「ハルちゃん強いね」
「サエもやっぱり強いね」
「私いろんな人とパーティー組んでるけど、そんな中でもトップクラスだね」
8層のボスを倒した後、9層攻略の途中でそんな話が上がる。
9層は面白みのない草原。サエ曰く素材採取がメインの戦闘職にはつまらない層らしい。
強いモンスターも出ないし、ボスもクソ雑魚ナメクジ。
「私も10層まであと一歩でここに来たからさ、がっくしって感じだった」
「うん、言っていることが分かるよ」
そう文句を言いながらほぼ道のない草原を進んでいく。
「話を戻すけどさ、私実は今ギルドメンバー集めてるの」
「あー、フェンテンリオルデみたいな?」
「うーんとね、あそこまで大規模では現状ないんだけど……」
どうやら彼女たちは今前界隈のメンバーとその友人、ゲーム内の強いプレイヤーをスカウトしながらギルド設立に向けて動いているらしい。
その名前は岩下倶楽部と言うそうだ。岩下という名前はギルドマスターの本名らしい。良いのか本名晒して。サエはそこの副ギルドマスターだそうだ。
すでに三嶋商業会と手を組む計画を進めているそうで、本気でゲーム内のトップを取りに行きたいそうだ。
「ほら、一般リリース開始後すぐにギルド対抗戦があるじゃん。それに向けて人を集めてる。プロフィール見たらハルはまだギルド入っていないみたいだし……」
一般リリース開始から1週間後に、すぐギルド対抗戦及び個人ランキング戦が予定されている。それに出場する選手のメインが先行リリース参加者ということもあり、いま上位勢はそのメンバー集めに必死だ。
私もくろね曰く上位勢。出ることを考えた方が良いのだろうが……。
「えーっとね……、こうやってパーティー組んでいるから変に聞こえるかもしれないんだけど、私はあんまり大人数でゲームをしたくないの。話を聞いている限り人数が多いでしょ?」
「そうだね」
「だから遠慮しておこっかなって」
「そかぁ……、まあ気が向いたら声かけてね」
……実の所、別にギルド入ってもいいんだけど、やるってなったら知り合いだけでやりたいなと言うところがある。仲いいみんなだけで設立して、チマチマやりたい。申し訳ないけど断る。
「……でもギルド対抗戦出るにはギルドが必須だよねぇ」
「出たいは出たいんだ」
「うん」
「そうだね~……。でも別にランキング戦だけ出るとかでも良いんじゃない?」
「それもそうだね」
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