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第3章
第50話
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「これは……」
あれからまたひたすらに文献を漁りまくった結果、おそらく私が探していたであろう宝に関する文献を発見した。どのくらいの期間この場所に籠もっていたのかはわからない。
右端からすべての書物を読みあさり、3分の2ほどが終わった頃だと思う。食料はまだ多く残ってはいるものの、ここに来て太陽に当たっていないからなのか、体がだるくて頭も痛い。
出来れば早くことを片付けてここから去りたいところだ。
それらしき記述が載っていた文献の名前が『アルセウラント地下共和国建国記』である。
その中の一文を抜き出そう。
『ある日、私は神よりとある宝を賜った。私が使っても良い。誰かに渡しても良い。そう言われて手にしたものであるが、その物を世に出すのは善行ではないと判断した。私が使用するのもまた同様である。
だから私はこの場所に小さな小さなほこらを掘り、この宝を守っていくことにした。これがこの国の始まりである』
この内容は別の文献に書いてあったことと一致する。建国記とあることからもわかるが、おそらくこれはここを作った人の記録のはず。
有力な情報ではあるはず。ただ、私が望んでいるのはこの宝の隠し場所だ。ここを作ることになった経緯などと言う物は望んではいない。
緊張か、期待かで早くなる鼓動をそのままに、私はひたすらにページをめくっていった。
『ある日、どこからかその宝の存在を聞きつけ、賊がやってきた。なんとか宝は守れた物の、小さな小さなほこらは完全に崩れ去った。そこから私は地下深くにさらに大きな穴を掘ったのだ。そしてその中心部に私は宝を封印した』
ついに見つけた。宝の在り処の大ヒントである。
「中心部ねぇ……」
この町、国の中心部には何があっただろうか。しばらくこの図書館から出ていないからわからない。
確か地図があったはずだと立ち上がり、乱雑に積み上げられている書物の中から地図を探す。
「あったあった」
図鑑の下からひょこりと顔を出していた地図を引きずり出し、この町の中心部に何があるかを確認する。
この洞窟は大きな縁になっていて、いくつかの道が中心部にむかって伸びている。その道が集まる部分にある物。
噴水である。
噴水の下。おそらくそこに私が探している宝があるはずだ。別に宝を持ち帰ろうなんて思っていないよ。確かに相当なお宝だったら持って帰るかもしれないけど、お金とかはたくさん持ってるし、完全な興味だよね。
「まあいいや。噴水を壊す……なんていう野蛮なことではないだろうし」
おそらくちゃんとした取り出し方があるはずだ。
もしかしたら使うときが来るかもしれないと言うことで、地図を丁寧にアイテムボックスにしまって再び建国記のページをめくり始める。
『宝の在り処へ向かう方法を記しておこうと思う。ここに記しておけば誰かに盗まれてしまうかもしれないが、記しておかねばいつか必要なときに困るだろう。それに、相当な魔力量がないとそこへ向かうことは出来ない。
まず噴水に水を溜める。そこに自らの血液を数滴流し込み大量の魔力を込める。これだけだ』
思ったより簡単だ。なぜこんなにも簡単な施錠方法にしたのだろうか。
顎に手を当てていろいろ考えてみるが、正直よくわからない。人口が1000人もいるなら誰かが悪い考えを持って勝手したりとかするのではないだろうか。
そう思ったが、町のど真ん中の噴水で変なことをしていたら明らかにおかしいだろう。ここまで探してようやくこの文献が見つかったと言うことから、宝が噴水に隠されていると言うことは大多数に知られていなかったのだと思っている。
ただ、もしかしたらもう既に宝が誰かに持ち出されている可能性もゼロではないだろう。仮定として、もしあの宝をとれば文明が滅びるように設計されてたとしたら遙か昔に文明が滅んだ理由にもなるし、正直残っている可能性は低いと思っているよ。
「あーあ、探して損したかも……。もっと厳重に保管しておいてくれれば良かったんだけどなぁ……」
なんか『ドラゴンを倒せ!』だとか、『謎を解いて地下へ続く道を開けろ』とかそういうのを期待していたが、別にそうでもなかったらしい。
「最後に宝が何かだけでも確認しておこう」
おそらくこの書物に記されているはずだ。
宝に興味を失いかけていた私は、何も考えずにタダひたすらページをパラパラとめくっていく。
そうしてしばらく探していたら、その他からの内容が記されている部分を発見した。どうせ金銀財宝の何かであると考えていた私は想定以上の物、私が今一番欲しいものであったことに言葉を失った。
心臓の鼓動がバクバクと大きく音を立てていく。全感覚が研ぎ澄まされるような感じがした。私の全神経は記されている文字に集中されている。
なぜ神はこんな物を地上に降ろしたのだろうか。戦いになるのも頷けるようなそんな代物。誰もがほしがる本当の宝。
『噴水の地下に隠されている財宝は、“不死の薬” 及び “必滅の薬” である』
あれからまたひたすらに文献を漁りまくった結果、おそらく私が探していたであろう宝に関する文献を発見した。どのくらいの期間この場所に籠もっていたのかはわからない。
右端からすべての書物を読みあさり、3分の2ほどが終わった頃だと思う。食料はまだ多く残ってはいるものの、ここに来て太陽に当たっていないからなのか、体がだるくて頭も痛い。
出来れば早くことを片付けてここから去りたいところだ。
それらしき記述が載っていた文献の名前が『アルセウラント地下共和国建国記』である。
その中の一文を抜き出そう。
『ある日、私は神よりとある宝を賜った。私が使っても良い。誰かに渡しても良い。そう言われて手にしたものであるが、その物を世に出すのは善行ではないと判断した。私が使用するのもまた同様である。
だから私はこの場所に小さな小さなほこらを掘り、この宝を守っていくことにした。これがこの国の始まりである』
この内容は別の文献に書いてあったことと一致する。建国記とあることからもわかるが、おそらくこれはここを作った人の記録のはず。
有力な情報ではあるはず。ただ、私が望んでいるのはこの宝の隠し場所だ。ここを作ることになった経緯などと言う物は望んではいない。
緊張か、期待かで早くなる鼓動をそのままに、私はひたすらにページをめくっていった。
『ある日、どこからかその宝の存在を聞きつけ、賊がやってきた。なんとか宝は守れた物の、小さな小さなほこらは完全に崩れ去った。そこから私は地下深くにさらに大きな穴を掘ったのだ。そしてその中心部に私は宝を封印した』
ついに見つけた。宝の在り処の大ヒントである。
「中心部ねぇ……」
この町、国の中心部には何があっただろうか。しばらくこの図書館から出ていないからわからない。
確か地図があったはずだと立ち上がり、乱雑に積み上げられている書物の中から地図を探す。
「あったあった」
図鑑の下からひょこりと顔を出していた地図を引きずり出し、この町の中心部に何があるかを確認する。
この洞窟は大きな縁になっていて、いくつかの道が中心部にむかって伸びている。その道が集まる部分にある物。
噴水である。
噴水の下。おそらくそこに私が探している宝があるはずだ。別に宝を持ち帰ろうなんて思っていないよ。確かに相当なお宝だったら持って帰るかもしれないけど、お金とかはたくさん持ってるし、完全な興味だよね。
「まあいいや。噴水を壊す……なんていう野蛮なことではないだろうし」
おそらくちゃんとした取り出し方があるはずだ。
もしかしたら使うときが来るかもしれないと言うことで、地図を丁寧にアイテムボックスにしまって再び建国記のページをめくり始める。
『宝の在り処へ向かう方法を記しておこうと思う。ここに記しておけば誰かに盗まれてしまうかもしれないが、記しておかねばいつか必要なときに困るだろう。それに、相当な魔力量がないとそこへ向かうことは出来ない。
まず噴水に水を溜める。そこに自らの血液を数滴流し込み大量の魔力を込める。これだけだ』
思ったより簡単だ。なぜこんなにも簡単な施錠方法にしたのだろうか。
顎に手を当てていろいろ考えてみるが、正直よくわからない。人口が1000人もいるなら誰かが悪い考えを持って勝手したりとかするのではないだろうか。
そう思ったが、町のど真ん中の噴水で変なことをしていたら明らかにおかしいだろう。ここまで探してようやくこの文献が見つかったと言うことから、宝が噴水に隠されていると言うことは大多数に知られていなかったのだと思っている。
ただ、もしかしたらもう既に宝が誰かに持ち出されている可能性もゼロではないだろう。仮定として、もしあの宝をとれば文明が滅びるように設計されてたとしたら遙か昔に文明が滅んだ理由にもなるし、正直残っている可能性は低いと思っているよ。
「あーあ、探して損したかも……。もっと厳重に保管しておいてくれれば良かったんだけどなぁ……」
なんか『ドラゴンを倒せ!』だとか、『謎を解いて地下へ続く道を開けろ』とかそういうのを期待していたが、別にそうでもなかったらしい。
「最後に宝が何かだけでも確認しておこう」
おそらくこの書物に記されているはずだ。
宝に興味を失いかけていた私は、何も考えずにタダひたすらページをパラパラとめくっていく。
そうしてしばらく探していたら、その他からの内容が記されている部分を発見した。どうせ金銀財宝の何かであると考えていた私は想定以上の物、私が今一番欲しいものであったことに言葉を失った。
心臓の鼓動がバクバクと大きく音を立てていく。全感覚が研ぎ澄まされるような感じがした。私の全神経は記されている文字に集中されている。
なぜ神はこんな物を地上に降ろしたのだろうか。戦いになるのも頷けるようなそんな代物。誰もがほしがる本当の宝。
『噴水の地下に隠されている財宝は、“不死の薬” 及び “必滅の薬” である』
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