55 / 56
愛する人
54. 王座 〜ヴィンフリート〜
しおりを挟む
クレマチスの現状等を鑑み、その日の夜には国王の任命式を執り行うことが急遽決まった。
任命式に伴う諸々の雑務は既にディルクがほぼ片付けていたが、残りはハンスが自ら買って出た。
退位式や即位式とは異なり、任命式は一般に公開されることはない。国王候補者とその従者、近しい者数名といったごく少人数で執り行われる。
任命式という儀式があることはリングエラでは広く知られているが、そこで実際にどういったことが行われどのように次の王が選ばれるのか、見たことがある者はほとんどいない。
「任命式に? リーゼロッテ様をですか?」
「何か問題あるか」
いえ、と首を振りながらディルクは苦笑した。
「とても大切になさっておいでのようで。安心致しました」
「当然だ」
こんな格好では恥ずかしい、とリゼが主張したので一度部屋に戻って支度するよう伝えると、すぐに慌てて出て行った。特に問題無いように見えたが、リゼ本人としては泣き腫らした目元や軽装だったのが気になるらしい。
ちょうどリゼを迎えに来たユリウスとアンナが「腕の見せ所だー」とやたら張り切ってリゼを追いかけ走り去ったのが少しばかり気になるが。
「ディルクも同行するように。ユリウスとアンナは入り口の見張り、ハンスは……自室待機で良いか。今後の待遇は善処すると伝えてくれ」
「たしかに承りました」
黄昏時、ユリウスとアンナを伴い執務室にやって来たリゼは、今までで一番美しく輝いて見えた。
淡いブルーのフリルがあしらわれたドレスに、きっちりと結われた金髪の後毛が揺らめき何とも言えない色香を放っている。左手には、いつかの青い指輪が慎ましく収まっている。
「まるで女神だな……」
「でしょでしょ。さすがは王子、お目が高い!」
「惚れた欲目抜きにしてもリゼ様ほど美しく気高い女性は他にいませんとも」
当のリゼは何も聞こえていないのか、部屋中をきょろきょろと物珍しそうに見回している。
「ここで普段お仕事をされているんですか?」
「大体はここにいることが多いな。何か気になるものでもあるか?」
「いえ、初めて目にしたので……」
「これからはいつでも好きな時に来れば良い。リゼの席も用意しようか。もちろん仕事をさせる気は毛頭無いが。良いな、ディルク」
「かしこまりました」
「いえそんな、私なんてお邪魔なだけで」
「邪魔なものか」
リゼがぶんぶんと左右に振る手を遮り、そのままそっと握り締めた。反対の手はリゼの腰に回す。こうしてエスコートをするのは、思えばこれが初めてだ。
「さあ、行くか」
両親や俺が使うサロン部屋が並ぶ廊下は、一番奥が行き止まりになっている。
煉瓦造りの壁が一面。それ以外には何もない。煉瓦一つ一つにじっと目を凝らすと、一つだけ材質の異なるものが混ざっている。他と比べて青みを帯びざらりとした感触の煉瓦。それを軽く押し込むと隠し扉が開いた。
先にあるのは、石で造られた下り階段。両脇には等間隔で燭台が備えられている。魔術でそこに火を灯せば、ずっと下まで石段が連なっているのが見て取れる。
「ユリウスとアンナはここで待て」
頷く二人を背にリゼの手を握り直した。
「怖くはないか」
「大丈夫です」
強がっている様子はなく、むしろ興味深そうに階段の下の方を覗き込んでいる。手を離したら先に一人でどんどん下りていってしまいそうな程だ。
ディルクを先頭に、リゼと俺が追いかける形で下って行く。何度か折れ曲がり方向感覚がおかしくなりかけたところで、広い空間に出た。
「ここは……?」
「地下神殿だ」
リングエラの中枢。すべての源となる場所。
何もなく薄暗い空間の中央に、楕円形の黒い水晶がふよふよと浮遊している。
リゼの手を静かに離し、ディルクとここで待っているよう伝えた。そのまま俺は黒水晶へと歩を進める。
間近で見ると若干透き通って見えるものの、黒く闇は深い。ちょうど正面の辺りに立ち、俺は黒水晶に向かって両手をかざした。
天空に浮かぶ都市国家、リングエラの歴史は迫害から始まっている。
遥か昔、地上において魔力を生まれ持った者はそうでない者に忌み嫌われた。元来、魔力を持つ者は争いを好まない。それを良いことに蔑まれ虐げられ、やがては住む場所さえ奪われ行き場を失った。
彼らは身を寄せ合い、やがて各々の魔力を結集して天空に国を作った。誰にも自由を奪われることのない、魔力を持つ者だけが安心して暮らせる国を。それがリングエラだ。
長い年月の中で次第に魔力が薄れ、今はもう魔力を持たず生まれて来る者もいる。しかし魔力はリングエラの生活に深く根付いている。リングエラのすべては魔力で成り立っているのだから。
この黒水晶はリングエラの創始者達が生み出し、脈々と受け継がれて来たリングエラの動力源。リングエラが天空で維持され、水が湧き草木が生茂り小鳥が歌うのは、すべてこれが常にリングエラの生態系に働きかけているから。
そして国王の最大の職務は、この黒水晶に絶えず自分の魔力を送り続けること。そうすることでリングエラの平和は保たれる。
国王になるということは即ちリングエラという世界と一体化すること。それに相応しい魔力を持ち合わせているかどうかが今、この場で試される。
少しずつ自らの魔力を指先から注いでいく。拒絶されるような感覚は特に無い。
力を吸い取られていくような奇妙な感覚。背筋に悪寒が走るのを必死に耐える。そのうちに吸い取られる感覚が徐々に消え、代わりに何か生温かいものが指先から流れ込んで来た。
(なるほど、こういうことか)
感覚の融合。王として認められた証。
手をかざすのを止めても、体の内に入り込んだ感覚は消えない。
一歩後退る。黒水晶が鈍く光り出した。黒ではなく、烈火のように鮮やかな赤。
「おめでとうございます」
背後から響くディルクの声に無言で頷いた。
今ここに、リングエラと俺の間に契約が成立した。
この地下神殿に来るのは、これが最初で最後だ。
ぼんやりと周りを照らし出す赤い光、その色を目に焼き付ける。
そしてくるりと背を向け、リゼの方に向き直った。リゼは黒水晶が放つ赤い輝きにぼーっと魅入っている。
(これでリゼを、クレマチスを救える)
つかつかと歩み寄り、リゼの正面に立つ。そこで初めてリゼは俺を視界に捉えた。
「リゼが誰を想っていても関係ない。リゼもリゼが守りたい世界も、全部俺が守ろう」
改めて胸の内を直接伝える。声に出したそばから自分にも沁み渡り、必ずやり遂げてみせると決意が固まる。
「ヴィン様……」
リゼは視線をあちこちに向け逡巡してから、やがて意を決したように俺を正面から見つめた。
「お慕いしております。もうずっと前から。私の方こそ、お力になれるようこれから精進致しますので、どうぞおそばに置いてください」
「……は?」
予想だにしない言葉に、俺は一瞬頭が真っ白になった。
「いや待て。リゼは、オリバー殿に心を寄せているんじゃ……?」
「それは……過去の話です。一体どこでそのようなことを?」
「いや、待て、これは……」
理解が追いつかず混乱する俺に、リゼは少し怒ったように眉を吊り上げ畳みかけて来る。
「信じられませんか? けれどどんなに疑われても、私が一緒にいたいのは、心から大切に想うのは、ヴィン様ただお一人です」
本当か?
俄かには信じ難い。が、リゼが嘘を言っているようにも見えない。
じわじわと温かくふわふわしたものが広がっていく。これを幸福と言わずして何と言うのか。
ふっと体の力が抜けた。
愛する人が同じように気持ちを返してくれる、そんな奇跡のようなことが今、自分に起きている。今すぐ叫びながら走り出したい。そんな気分だ。
「リゼ、改めてここで言わせて欲しい」
俺はリゼの手を取り、その場に跪いた。
「リーゼロッテ王女、貴方を心から愛しています。どうか私と結婚して下さい」
白くきめ細やかな手の甲に口付けを落とす。顔を上げれば、にっこり微笑むリゼの顔。まるでリングエラに舞い降りた女神のような。
「はい。ヴィンフリート殿下、喜んでお受け致します。でも……」
「……でも?」
「その、失礼ながら私のどこを気に入って下さったのでしょう? ヴィン様の前で私は、何の教養もなくて頭の弱い娘だったと思うんですが」
「ああ……確かにとんでもない天然王女だったな」
婚約した当初を思い出し、苦笑する。
「しかしそれを言うなら、俺もかなり高圧的かつ冷徹に振る舞っていたように思うが」
一瞬きょとんとした表情を見せてから、リゼはおかしそうに笑った。
「そうでしたね、あの頃は」
「まあお互い様ってことだな」
「ですね」
どちらからともなく吹き出し、笑い声を上げた。
任命式に伴う諸々の雑務は既にディルクがほぼ片付けていたが、残りはハンスが自ら買って出た。
退位式や即位式とは異なり、任命式は一般に公開されることはない。国王候補者とその従者、近しい者数名といったごく少人数で執り行われる。
任命式という儀式があることはリングエラでは広く知られているが、そこで実際にどういったことが行われどのように次の王が選ばれるのか、見たことがある者はほとんどいない。
「任命式に? リーゼロッテ様をですか?」
「何か問題あるか」
いえ、と首を振りながらディルクは苦笑した。
「とても大切になさっておいでのようで。安心致しました」
「当然だ」
こんな格好では恥ずかしい、とリゼが主張したので一度部屋に戻って支度するよう伝えると、すぐに慌てて出て行った。特に問題無いように見えたが、リゼ本人としては泣き腫らした目元や軽装だったのが気になるらしい。
ちょうどリゼを迎えに来たユリウスとアンナが「腕の見せ所だー」とやたら張り切ってリゼを追いかけ走り去ったのが少しばかり気になるが。
「ディルクも同行するように。ユリウスとアンナは入り口の見張り、ハンスは……自室待機で良いか。今後の待遇は善処すると伝えてくれ」
「たしかに承りました」
黄昏時、ユリウスとアンナを伴い執務室にやって来たリゼは、今までで一番美しく輝いて見えた。
淡いブルーのフリルがあしらわれたドレスに、きっちりと結われた金髪の後毛が揺らめき何とも言えない色香を放っている。左手には、いつかの青い指輪が慎ましく収まっている。
「まるで女神だな……」
「でしょでしょ。さすがは王子、お目が高い!」
「惚れた欲目抜きにしてもリゼ様ほど美しく気高い女性は他にいませんとも」
当のリゼは何も聞こえていないのか、部屋中をきょろきょろと物珍しそうに見回している。
「ここで普段お仕事をされているんですか?」
「大体はここにいることが多いな。何か気になるものでもあるか?」
「いえ、初めて目にしたので……」
「これからはいつでも好きな時に来れば良い。リゼの席も用意しようか。もちろん仕事をさせる気は毛頭無いが。良いな、ディルク」
「かしこまりました」
「いえそんな、私なんてお邪魔なだけで」
「邪魔なものか」
リゼがぶんぶんと左右に振る手を遮り、そのままそっと握り締めた。反対の手はリゼの腰に回す。こうしてエスコートをするのは、思えばこれが初めてだ。
「さあ、行くか」
両親や俺が使うサロン部屋が並ぶ廊下は、一番奥が行き止まりになっている。
煉瓦造りの壁が一面。それ以外には何もない。煉瓦一つ一つにじっと目を凝らすと、一つだけ材質の異なるものが混ざっている。他と比べて青みを帯びざらりとした感触の煉瓦。それを軽く押し込むと隠し扉が開いた。
先にあるのは、石で造られた下り階段。両脇には等間隔で燭台が備えられている。魔術でそこに火を灯せば、ずっと下まで石段が連なっているのが見て取れる。
「ユリウスとアンナはここで待て」
頷く二人を背にリゼの手を握り直した。
「怖くはないか」
「大丈夫です」
強がっている様子はなく、むしろ興味深そうに階段の下の方を覗き込んでいる。手を離したら先に一人でどんどん下りていってしまいそうな程だ。
ディルクを先頭に、リゼと俺が追いかける形で下って行く。何度か折れ曲がり方向感覚がおかしくなりかけたところで、広い空間に出た。
「ここは……?」
「地下神殿だ」
リングエラの中枢。すべての源となる場所。
何もなく薄暗い空間の中央に、楕円形の黒い水晶がふよふよと浮遊している。
リゼの手を静かに離し、ディルクとここで待っているよう伝えた。そのまま俺は黒水晶へと歩を進める。
間近で見ると若干透き通って見えるものの、黒く闇は深い。ちょうど正面の辺りに立ち、俺は黒水晶に向かって両手をかざした。
天空に浮かぶ都市国家、リングエラの歴史は迫害から始まっている。
遥か昔、地上において魔力を生まれ持った者はそうでない者に忌み嫌われた。元来、魔力を持つ者は争いを好まない。それを良いことに蔑まれ虐げられ、やがては住む場所さえ奪われ行き場を失った。
彼らは身を寄せ合い、やがて各々の魔力を結集して天空に国を作った。誰にも自由を奪われることのない、魔力を持つ者だけが安心して暮らせる国を。それがリングエラだ。
長い年月の中で次第に魔力が薄れ、今はもう魔力を持たず生まれて来る者もいる。しかし魔力はリングエラの生活に深く根付いている。リングエラのすべては魔力で成り立っているのだから。
この黒水晶はリングエラの創始者達が生み出し、脈々と受け継がれて来たリングエラの動力源。リングエラが天空で維持され、水が湧き草木が生茂り小鳥が歌うのは、すべてこれが常にリングエラの生態系に働きかけているから。
そして国王の最大の職務は、この黒水晶に絶えず自分の魔力を送り続けること。そうすることでリングエラの平和は保たれる。
国王になるということは即ちリングエラという世界と一体化すること。それに相応しい魔力を持ち合わせているかどうかが今、この場で試される。
少しずつ自らの魔力を指先から注いでいく。拒絶されるような感覚は特に無い。
力を吸い取られていくような奇妙な感覚。背筋に悪寒が走るのを必死に耐える。そのうちに吸い取られる感覚が徐々に消え、代わりに何か生温かいものが指先から流れ込んで来た。
(なるほど、こういうことか)
感覚の融合。王として認められた証。
手をかざすのを止めても、体の内に入り込んだ感覚は消えない。
一歩後退る。黒水晶が鈍く光り出した。黒ではなく、烈火のように鮮やかな赤。
「おめでとうございます」
背後から響くディルクの声に無言で頷いた。
今ここに、リングエラと俺の間に契約が成立した。
この地下神殿に来るのは、これが最初で最後だ。
ぼんやりと周りを照らし出す赤い光、その色を目に焼き付ける。
そしてくるりと背を向け、リゼの方に向き直った。リゼは黒水晶が放つ赤い輝きにぼーっと魅入っている。
(これでリゼを、クレマチスを救える)
つかつかと歩み寄り、リゼの正面に立つ。そこで初めてリゼは俺を視界に捉えた。
「リゼが誰を想っていても関係ない。リゼもリゼが守りたい世界も、全部俺が守ろう」
改めて胸の内を直接伝える。声に出したそばから自分にも沁み渡り、必ずやり遂げてみせると決意が固まる。
「ヴィン様……」
リゼは視線をあちこちに向け逡巡してから、やがて意を決したように俺を正面から見つめた。
「お慕いしております。もうずっと前から。私の方こそ、お力になれるようこれから精進致しますので、どうぞおそばに置いてください」
「……は?」
予想だにしない言葉に、俺は一瞬頭が真っ白になった。
「いや待て。リゼは、オリバー殿に心を寄せているんじゃ……?」
「それは……過去の話です。一体どこでそのようなことを?」
「いや、待て、これは……」
理解が追いつかず混乱する俺に、リゼは少し怒ったように眉を吊り上げ畳みかけて来る。
「信じられませんか? けれどどんなに疑われても、私が一緒にいたいのは、心から大切に想うのは、ヴィン様ただお一人です」
本当か?
俄かには信じ難い。が、リゼが嘘を言っているようにも見えない。
じわじわと温かくふわふわしたものが広がっていく。これを幸福と言わずして何と言うのか。
ふっと体の力が抜けた。
愛する人が同じように気持ちを返してくれる、そんな奇跡のようなことが今、自分に起きている。今すぐ叫びながら走り出したい。そんな気分だ。
「リゼ、改めてここで言わせて欲しい」
俺はリゼの手を取り、その場に跪いた。
「リーゼロッテ王女、貴方を心から愛しています。どうか私と結婚して下さい」
白くきめ細やかな手の甲に口付けを落とす。顔を上げれば、にっこり微笑むリゼの顔。まるでリングエラに舞い降りた女神のような。
「はい。ヴィンフリート殿下、喜んでお受け致します。でも……」
「……でも?」
「その、失礼ながら私のどこを気に入って下さったのでしょう? ヴィン様の前で私は、何の教養もなくて頭の弱い娘だったと思うんですが」
「ああ……確かにとんでもない天然王女だったな」
婚約した当初を思い出し、苦笑する。
「しかしそれを言うなら、俺もかなり高圧的かつ冷徹に振る舞っていたように思うが」
一瞬きょとんとした表情を見せてから、リゼはおかしそうに笑った。
「そうでしたね、あの頃は」
「まあお互い様ってことだな」
「ですね」
どちらからともなく吹き出し、笑い声を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【書籍化決定】憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新
7月31日完結予定
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる