小咄小話ちょいと詰めて

ほっかむり

千佳子さん、先に朝ごはん食べてて。お弁当、あとは包むだけだから（父）
ありがとう。凌、用意したのに食べないの？　今日も朝から部活があるんでしょう？（母）
うん。いま終わった。食べるよ（息子）
凌、何かやってたの？（父）
んー、なんだかんだ言って（息子）
出た（娘）
あ。おはよ、姉ちゃん、って朝から髪まで洗ったの？（息子）
シャワーひねったら頭にかかっただけ（娘）
ほっかむりみたいにタオル被るだけじゃなくて、ちゃんと拭きなさい（父）
表面だけだし、これで乾く。いただきます（娘）
乾かない！（父）
うわぁ、食べてるのに頭揺らさないで（娘）
いま拭くよりも、後でドライヤーした方が早いわよ（母）

……なんだかんだ言って、みんな甘いよね（息子）
『みんな』の中には、凌も入ってるの？（母）
そうかもね（息子）
依存的に甘いのは問題だけど、この程度なら大丈夫よ。それに、負担なら放っておけばいいの。結局は佳南のことなんだし（母）
母さんは、甘いのに割とドライだ（息子）