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夏休み合宿編
罪と罰
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ダイニングの窓は開け放たれ、今は清々しい空気で満たされている。
「梅谷くん、ちゃんと説明してくれる? 須藤さんと勉強してるはずが、どうしてこうなったの?」
あけみっちの口調は意外と穏やかである。逆にそれが怖い。
「……。サッチの美味しそうな身体を見て俺が誘ったんです」
「違う。私が誘ったの。シュウゴくんは悪くない。私だってシュウゴくんとしたかったんだもん……」
「はいはい、わかりました。梅谷くんは誰のものでもない。秘蜜の花園クラブのものだもんね」
俺はミツハナのもの?
「だけど、勉強をせずに陰であんなことしていたのは罪ね。それなりの罰を与えないと……」
ば、罰??
「そうね。梅谷くんは毎日お風呂掃除、須藤さんは勉強時間三十分延長ね」
「はい……、カイチョウ……」
カイチョウ?
「ちょっと須藤さん」
「あ、あけみっち。勉強頑張る」
「梅谷くんは?」
「あ、うん。風呂掃除くらいなら……」
罰が風呂掃除程度で良かったのだが、それよりも、サッチの『カイチョウ』という言葉が気になる。
友巴ちゃんだけでなく帆乃花ちゃんですら怪訝な顔をしている。サッチの何かのギャグか?
ちょっと遅めの昼食は、食材買い出し時に購入したサンドウィッチだ。
「サンドウィッチって、略したら私じゃん」などと何事もなかったようにサッチはあけみっちと会話をしているが、友巴ちゃんと帆乃花ちゃんはどこかいつもと違う。それは、俺がサッチとあんなことをしてしまったことに対して、ではないような気がする。
昼食後、あけみっちが講師役となり、ストレッチ教室がリビングで開かれた。女子三人が部屋着でストレッチに参加している間、俺は贖罪だ。
我が家の風呂とは違い、洗い場も檜の湯船自体も広く掃除が大変である。毎日お湯を抜いて、掃除をして乾燥させないといけないらしく、結構な重労働だ。
夕方、温泉の湯を運んでくる業者とやりとりし、備え付けのタンクに湯をためる。湯はタンクの中で常に保温状態で、スイッチを押すとちょうど良い湯加減のお湯が湯船に溜まる。そこまでが俺の仕事だ。
はあ……、あまり広い家も大変だ。やっぱりコンパクトな我が家が一番だな。
リビングに戻ると、あけみっちが一人で掃除機をかけていた。あけみっちと二人でいると何をさせられるかわからない。他の三人の居場所を聞きそっちに逃走した。
女子三人がいたのはキッチンだ。
今日の夕食は、ど定番のカレーだ。ど定番だからと言って、否定はしない。むしろ大歓迎だ。男子の好きな料理は、カレー、ラーメン、焼肉と決まっている。多分。
友巴ちゃんが野菜の皮をむいたり切ったりし、帆乃花ちゃんが隣で炒める役割のようだ。二人とも手際が良い。一方、サッチは……よくわからないものをミキサーで攪拌している。スムージーか?
ここにも居場所がなく、仕方なく自分の部屋にいく。
ベッドに横になり、午前中のサッチとの出来事を考えた。
あの甘い香りは、修学旅行の肝試しの時、小屋で嗅いだにおいだ。それにあけみっちのマンションでも。おそらく香りに興奮作用があり、友巴ちゃんや帆乃花ちゃんがマンションであのように乱れたのだろう。今回は香りの濃度が濃く、記憶が飛んだのだ。
マンションで出された特製ハーブティーも怪しい。
それよりも気がかりは、俺はサッチとどこまでしたのだろうか。サッチの中に出してはいないと思うが……。不安になりベッドから起き上がる。
すると、部屋の隅に見知らぬ荷物が置いてあるのが目に入った。茶色のスーツケースだ。俺の部屋に忘れ物かと思い、中を開けると、赤色のブラが見えた。派手な色からしてサッチの荷物かと思ったが、カップサイズがそれほどデカくない。
ん? と思い広げていると、部屋のドアが開く音がした。誰だよ、俺の部屋にノックもしないで。
振り返ると友巴ちゃんが目の前にいた。
あ! しまった。今日からここは友巴ちゃんの部屋だった。
無言で友巴ちゃんが近づいてきて、さっとブラを取り上げる。
「もう、いくらシュウゴくんでも他人の部屋で他人の荷物を物色するなんてキモい」
いや誤解です……とも言えないか。ああ、また罪が増えた……。
「梅谷くん、ちゃんと説明してくれる? 須藤さんと勉強してるはずが、どうしてこうなったの?」
あけみっちの口調は意外と穏やかである。逆にそれが怖い。
「……。サッチの美味しそうな身体を見て俺が誘ったんです」
「違う。私が誘ったの。シュウゴくんは悪くない。私だってシュウゴくんとしたかったんだもん……」
「はいはい、わかりました。梅谷くんは誰のものでもない。秘蜜の花園クラブのものだもんね」
俺はミツハナのもの?
「だけど、勉強をせずに陰であんなことしていたのは罪ね。それなりの罰を与えないと……」
ば、罰??
「そうね。梅谷くんは毎日お風呂掃除、須藤さんは勉強時間三十分延長ね」
「はい……、カイチョウ……」
カイチョウ?
「ちょっと須藤さん」
「あ、あけみっち。勉強頑張る」
「梅谷くんは?」
「あ、うん。風呂掃除くらいなら……」
罰が風呂掃除程度で良かったのだが、それよりも、サッチの『カイチョウ』という言葉が気になる。
友巴ちゃんだけでなく帆乃花ちゃんですら怪訝な顔をしている。サッチの何かのギャグか?
ちょっと遅めの昼食は、食材買い出し時に購入したサンドウィッチだ。
「サンドウィッチって、略したら私じゃん」などと何事もなかったようにサッチはあけみっちと会話をしているが、友巴ちゃんと帆乃花ちゃんはどこかいつもと違う。それは、俺がサッチとあんなことをしてしまったことに対して、ではないような気がする。
昼食後、あけみっちが講師役となり、ストレッチ教室がリビングで開かれた。女子三人が部屋着でストレッチに参加している間、俺は贖罪だ。
我が家の風呂とは違い、洗い場も檜の湯船自体も広く掃除が大変である。毎日お湯を抜いて、掃除をして乾燥させないといけないらしく、結構な重労働だ。
夕方、温泉の湯を運んでくる業者とやりとりし、備え付けのタンクに湯をためる。湯はタンクの中で常に保温状態で、スイッチを押すとちょうど良い湯加減のお湯が湯船に溜まる。そこまでが俺の仕事だ。
はあ……、あまり広い家も大変だ。やっぱりコンパクトな我が家が一番だな。
リビングに戻ると、あけみっちが一人で掃除機をかけていた。あけみっちと二人でいると何をさせられるかわからない。他の三人の居場所を聞きそっちに逃走した。
女子三人がいたのはキッチンだ。
今日の夕食は、ど定番のカレーだ。ど定番だからと言って、否定はしない。むしろ大歓迎だ。男子の好きな料理は、カレー、ラーメン、焼肉と決まっている。多分。
友巴ちゃんが野菜の皮をむいたり切ったりし、帆乃花ちゃんが隣で炒める役割のようだ。二人とも手際が良い。一方、サッチは……よくわからないものをミキサーで攪拌している。スムージーか?
ここにも居場所がなく、仕方なく自分の部屋にいく。
ベッドに横になり、午前中のサッチとの出来事を考えた。
あの甘い香りは、修学旅行の肝試しの時、小屋で嗅いだにおいだ。それにあけみっちのマンションでも。おそらく香りに興奮作用があり、友巴ちゃんや帆乃花ちゃんがマンションであのように乱れたのだろう。今回は香りの濃度が濃く、記憶が飛んだのだ。
マンションで出された特製ハーブティーも怪しい。
それよりも気がかりは、俺はサッチとどこまでしたのだろうか。サッチの中に出してはいないと思うが……。不安になりベッドから起き上がる。
すると、部屋の隅に見知らぬ荷物が置いてあるのが目に入った。茶色のスーツケースだ。俺の部屋に忘れ物かと思い、中を開けると、赤色のブラが見えた。派手な色からしてサッチの荷物かと思ったが、カップサイズがそれほどデカくない。
ん? と思い広げていると、部屋のドアが開く音がした。誰だよ、俺の部屋にノックもしないで。
振り返ると友巴ちゃんが目の前にいた。
あ! しまった。今日からここは友巴ちゃんの部屋だった。
無言で友巴ちゃんが近づいてきて、さっとブラを取り上げる。
「もう、いくらシュウゴくんでも他人の部屋で他人の荷物を物色するなんてキモい」
いや誤解です……とも言えないか。ああ、また罪が増えた……。
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