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ミツハナ脱退編
いえで
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「ホノカ、家出どうだった? 楽しかったでしょ」
授業前、サッチが俺たちの席の方に来て帆乃花ちゃんに尋ねた。
「楽しかったでしょって、サッチ、家出したことあるのか?」
「え? 逆にシュウゴはないの? 普通あるよ」
「いや、ないない」
「そう? 私、中学の時に家出してホノカの家に泊まったんだよね」
「サッチったら旅行気分で来るから家族全員、どんな対応したらいいか戸惑ったわ」
「ということで次はトモハの番ね。家出したらうち来ていいよ」
おいおい、友巴ちゃんを家出に誘うな。
「お泊まり会ならいいかなー」
「おお、それいいね。もうすぐクリスマスだし、あけみっちの……」
「ちょっとサッチ、廊下へ行くぞ」
俺はサッチを教室の外に連れ出した。
「やだ、シュウゴ。愛の告白?」
「アホか。みんないる前であけみっちのマンションのことは言っちゃダメだろ。それに帆乃花ちゃんの家出のことも内緒にしとけ」
「えー、家出なんて普通じゃん」
「普通じゃない。とにかくあけみっちのマンションのことも家出のことも言っちゃダメだぞ」
「シュウゴがミツハナに戻ってくるなら考える」
「俺は……勉強第一だ」
「ふーん。勉強第一ね。せっかくケイコを開発中なのに」
「余計に戻れん。藤木さんはヒデキの彼女だろ」
「まあね。あー、つまんない。でもいいや。私には……」
「とりあえず戻るぞ」
明るい小太り男子が何を言うかわからない。
急いで戻ろう。
戻るとやはり、明るい小太りが帆乃花ちゃんに話しかけていた。帆乃花ちゃんは戸惑の表情を見せている。
「なあ佐原、家出ってどこに泊まったんだよ。教えてくれてもいいだろ」
「家出ってなんのことだ?」
俺は無理矢理話に割り込んだ。
「さっき話してただろ」
「家でパーティすることか?」
「いえで、ってそういうことか? 家を出るじゃなくて、場所が家ってこと?」
「そうだ。家でしたお兄さんの誕生パーティが楽しかったかをサッチが聞いたんだ。な、サッチ」
「んーそうだよ」
「なんだよ紛らわしい」
明るい小太り男子はそう言い前を向いた。
「ほら、先生が来るからサッチも戻れ」
「もうちょっといいじゃん。ヒデキとケイコがラブラブでつまんないもん」
そのタイミングで数学の先生が入ってきてサッチは自分の席に戻っていった。
その日の夕方。ココアマンションに向かう道中だ。
「シュウゴくん、ありがとう」
帆乃花ちゃんがニッコリと笑いかけてくる。
「ん? なんだったっけ?」
「家出の件」
「あー、家でパーティって無理矢理ごまかしたけど」
「ははっ、たしかに無理矢理感あったね」
友巴ちゃんが笑う。
「ねえホノカちゃん。あけみっちに教えてもらった?」
「え? 何のこと?」
「何のことって、シュウゴくんを喜ばせること」
「そ、それね。うーん、クリスマスに発表するね」
「クリスマスかあ。あ、そうだ、そうだ。前から言おうと思ってたんだけど、三人でクリスマスパーティしようよ」
「お、いいねー、友巴ちゃん」
イブもクリスマス当日も冬休みだ。こういう時にこそヒデキの名を使わせてもらおう。
『家で』クリスマスパーティではなく、ココアマンションでクリスマスパーティだ!
授業前、サッチが俺たちの席の方に来て帆乃花ちゃんに尋ねた。
「楽しかったでしょって、サッチ、家出したことあるのか?」
「え? 逆にシュウゴはないの? 普通あるよ」
「いや、ないない」
「そう? 私、中学の時に家出してホノカの家に泊まったんだよね」
「サッチったら旅行気分で来るから家族全員、どんな対応したらいいか戸惑ったわ」
「ということで次はトモハの番ね。家出したらうち来ていいよ」
おいおい、友巴ちゃんを家出に誘うな。
「お泊まり会ならいいかなー」
「おお、それいいね。もうすぐクリスマスだし、あけみっちの……」
「ちょっとサッチ、廊下へ行くぞ」
俺はサッチを教室の外に連れ出した。
「やだ、シュウゴ。愛の告白?」
「アホか。みんないる前であけみっちのマンションのことは言っちゃダメだろ。それに帆乃花ちゃんの家出のことも内緒にしとけ」
「えー、家出なんて普通じゃん」
「普通じゃない。とにかくあけみっちのマンションのことも家出のことも言っちゃダメだぞ」
「シュウゴがミツハナに戻ってくるなら考える」
「俺は……勉強第一だ」
「ふーん。勉強第一ね。せっかくケイコを開発中なのに」
「余計に戻れん。藤木さんはヒデキの彼女だろ」
「まあね。あー、つまんない。でもいいや。私には……」
「とりあえず戻るぞ」
明るい小太り男子が何を言うかわからない。
急いで戻ろう。
戻るとやはり、明るい小太りが帆乃花ちゃんに話しかけていた。帆乃花ちゃんは戸惑の表情を見せている。
「なあ佐原、家出ってどこに泊まったんだよ。教えてくれてもいいだろ」
「家出ってなんのことだ?」
俺は無理矢理話に割り込んだ。
「さっき話してただろ」
「家でパーティすることか?」
「いえで、ってそういうことか? 家を出るじゃなくて、場所が家ってこと?」
「そうだ。家でしたお兄さんの誕生パーティが楽しかったかをサッチが聞いたんだ。な、サッチ」
「んーそうだよ」
「なんだよ紛らわしい」
明るい小太り男子はそう言い前を向いた。
「ほら、先生が来るからサッチも戻れ」
「もうちょっといいじゃん。ヒデキとケイコがラブラブでつまんないもん」
そのタイミングで数学の先生が入ってきてサッチは自分の席に戻っていった。
その日の夕方。ココアマンションに向かう道中だ。
「シュウゴくん、ありがとう」
帆乃花ちゃんがニッコリと笑いかけてくる。
「ん? なんだったっけ?」
「家出の件」
「あー、家でパーティって無理矢理ごまかしたけど」
「ははっ、たしかに無理矢理感あったね」
友巴ちゃんが笑う。
「ねえホノカちゃん。あけみっちに教えてもらった?」
「え? 何のこと?」
「何のことって、シュウゴくんを喜ばせること」
「そ、それね。うーん、クリスマスに発表するね」
「クリスマスかあ。あ、そうだ、そうだ。前から言おうと思ってたんだけど、三人でクリスマスパーティしようよ」
「お、いいねー、友巴ちゃん」
イブもクリスマス当日も冬休みだ。こういう時にこそヒデキの名を使わせてもらおう。
『家で』クリスマスパーティではなく、ココアマンションでクリスマスパーティだ!
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