1 / 1
『とりかえばや物語』田辺聖子 文春文庫
しおりを挟む
ベースは古典の名作『とりかへばや物語』
活発で漢学や詩作の才能に長けている男の子のような姫君・春風と内気でおしとかやで女の子のような若君・秋月のきょうだい。
そんな二人を見て
「とりかえばや(とりかえたい)」と嘆く父の左大臣。
出来ればきょうだいを外に出したくないという左大臣の思いも虚しく、帝の命により異なる性で成人の儀を迎えて宮中デビューを果たす。
はじめは男性として能力が認められていく事が面白くて堪らない春風だったが、年頃になるにつれて葛藤が生まれていく。
おまけに春風は、冬日という右大臣の娘と結婚までしてしまったのだから、悩みは更に深まっていく一方。
そして、尚侍として後宮に入り、女東宮に仕えている秋月もまた・・・。
男勝りだった春風と物静かで人見知りの激しい秋月がそれぞれの性に目覚め、それとは対照的な姿に苦悩する姿が田辺聖子さんの美しい現代訳により見事に描かれている。
コメディー要素の強い氷室冴子さん『ざ・ちぇんじ』とは違う魅力がある。
異なる性の姿で生きるきょうだいという古典ならではの着眼点も面白い。
春風と秋月のきょうだいはこれからどうなっていくのだろう?
古典作品はどうも苦手という方も、楽しく読めると思います。
活発で漢学や詩作の才能に長けている男の子のような姫君・春風と内気でおしとかやで女の子のような若君・秋月のきょうだい。
そんな二人を見て
「とりかえばや(とりかえたい)」と嘆く父の左大臣。
出来ればきょうだいを外に出したくないという左大臣の思いも虚しく、帝の命により異なる性で成人の儀を迎えて宮中デビューを果たす。
はじめは男性として能力が認められていく事が面白くて堪らない春風だったが、年頃になるにつれて葛藤が生まれていく。
おまけに春風は、冬日という右大臣の娘と結婚までしてしまったのだから、悩みは更に深まっていく一方。
そして、尚侍として後宮に入り、女東宮に仕えている秋月もまた・・・。
男勝りだった春風と物静かで人見知りの激しい秋月がそれぞれの性に目覚め、それとは対照的な姿に苦悩する姿が田辺聖子さんの美しい現代訳により見事に描かれている。
コメディー要素の強い氷室冴子さん『ざ・ちぇんじ』とは違う魅力がある。
異なる性の姿で生きるきょうだいという古典ならではの着眼点も面白い。
春風と秋月のきょうだいはこれからどうなっていくのだろう?
古典作品はどうも苦手という方も、楽しく読めると思います。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる