乙女ゲーには関わらない【休載完結】

青緑 ネトロア

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誤解です

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 食堂でガウェインと別れたディセットは執事長とメイド1名を置いた訓練所へと早足で向かった。

 訓練所が見えてきた時、訓練所の壁より高く舞う砂埃が見え、更に執務室の時よりも弱い殺気を肌で感じてしまった。

 ディセットは最悪の事態も視野に入れて訓練所の入り口に足を踏み入れた時、見えてきたのは4人の騎士が埋められたり、壁にめり込んだ惨状で、立っているセバスの近くには例のメイドが縮こまって怯えていた。

「・・・甘いっ!」

 予想が的中したあまり、確認を後回しに帯剣していた剣を鞘から抜剣して、叫びながらセバスの懐へ飛び込んだ。

 しかし抜剣した剣は真っ二つに折られ、俺は空中を飛んで近くに居た仲間の騎士に当たったことで、骨折せずに済んだが腕を痛めたようで腕が上がらなかった。


「さてディセットは武器を振れんじゃろうから安心するとして。メイドよ。お前にーー」

「あんた、それでも元騎士かよ!いくらお嬢様の為とは言えども、これはーーぐっ!?」

「黙って見ておれ。さて、お前に聞きたいことがある。お前はシェルお嬢様に、実の父を貴族位で言うように仕込んだのか?」

「はい。その・・・他家で行なっている作法をとの領主様の要望でしたので、まずはご自身の親を練習台に貴族位で呼ぶようにお教えいたしました。ただ、なかなか馴染んでもらえず今日やっといってくれたのですが、なんだか邸中が変になってしまわれて困惑しております。」

「それじゃあ答え合わせじゃな。うちのお嬢様は侍従でも執事でも庭師でも関係なく接していただける方だ。ディセット。」

「あ? なんだよ。」

「もし仮に試すとすれば、以前笑いかけてディセットと呼んでもらった時を思い出してみろ。」

 ディセットは大怪我をした際に通り掛かったシェルフォードに手当てをしてもらったことがあった。

 その時は笑いかけられて、初めてディセットの名を覚えてもらった時だった。

「あれは可愛かったな。いつでも読んで良いと言ったら照れてたが・・・。」

「では、その日常の中いきなり情の籠らない挨拶で名前が騎士様になったら?」

「・・・そりゃあ、やばいな。まさか今回の発端が同じことだと?」

 そして想像すればするほど、状況が悪化する光景しか見えなくなった事で視野がある意味広がっていく感覚を覚える。

「ああ。間違いなく、現状それで邸の中で反発しているだろうよ。普段と全く違うシェルお嬢様が接すれば、下手をすればヴェル様も危険だ。暴走という危険だが。」

「やばくね!?」

「だから聞こうとしたら襲って来るお前が悪い!」

「はぁ・・・」

 項垂れるメイドを訓練所に放置して、溜め息を吐くディセットを連れ立って邸へと向かうセバスだった。
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