激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

文字の大きさ
139 / 248
レインボーポット編

第36話「女豹の罠!狙われた一悟とみるくの恋心!!!」②

しおりを挟む
 一悟が食べていたアイスの中には、紫がかった植物の種で、至る所に黄色い小さな棘が付いていた。

「植物の…種?」
「!!!?」
 その種を見た刹那、ボネはこの種が人間界のモノではない事を確信する。その近くで雪斗は瑞希と共に、一悟から受け取ったアイスを調べる。
「モナカの中にもう1粒入ってました…この種は…」
「人間界でお目見えできるシロモノじゃねぇ…コレ、魔界の一部の地域でしかお目にかかれねぇからな。」
 その真横で、雪斗は調べ終わったアイスを誰にも見つからないように食べる。

 一悟のアイスの件で、何かを察したボネは、玉菜とトロールが一悟達の所へ戻って来たと同時に、アミューズランドをあとにし、日光街道にっこうかいどうから急いでカフェへと向かう。その途中で…

「出でよ、カオスイーツ!!!!!」

 突然の女性のような声がした刹那、一悟達の目の前で、コンビニで休んでいたドライバーが煎餅せんべいのカオスイーツに姿を変えられてしまったのである。
「ちっ…行くぜっ!!!」
 人目のつかない物陰に隠れつつ、ボネの掛け声と同時に、一悟達はブレイブスプーンを構え…

「「「「「「「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!」」」」」」」

 しかし、今回は…

「うわっ…」

 一悟が突然ピンクの光から弾かれ、ブレイブスプーンを落としてしまう。
「一悟っ!!!」
「どう…して…」
 瑞希に支えられる一悟の右手が、まるで痙攣けいれんをおこしたかのように、震えだす。その間にみるく、雪斗、玉菜、ボネ、トロール、ここなの6人はマジパティに変身を遂げる。

「「「黄色のマジパティ・プディング!!!」」」
「ブルーのマジパティ・ソルベ!!!」
「「白銀のマジパティ・クリームパフ!!!」」

 名乗りの途中で、マジパティに変身したみるく達は、一悟が変身していない事に気づく。
「どうした、いっちー!!!」
「み、右手が…震え…て…」
「ガトー、今すぐにいっちーとみずきちを僧侶様の所へ連れて行くんだ!!!」
 魔界のプディングは、そんな一悟の様子にガトーを呼び出し、一悟と瑞希を僧侶の所へ連れていくように伝える。
「でも、居場所がわからないと…」
「今はカフェに顔を出す時間だ。カフェに連れて行くといい。」
 僧侶と一緒に暮らしているここながそう言うと、メガネをかけた精霊はぐっと息を呑み、己の力で一悟と瑞希をカフェへと連れていく。

「禍々しい混沌のスイーツ、勇者の愛に酔いしれなっ☆彡」

 魔界のプディングの言葉と同時に、マジパティ達は片側2車線の国道16号線をジャンプひとつで飛び越える。そんなマジパティ達の前に立ちはだかるのは、煎餅のカオスイーツと、10体ほどのカオスジャンク達…


 ………


 その頃、僧侶はカフェでアイスコーヒーを飲んでいた。
「うむ…明日香もコーヒーを入れるのが上手くなったな?」
 その言葉に、明日香は思わず微笑む。
「明日香は覚えるのが早いからねぇ~…スイーツも作りやすい奴をもう覚えちゃったし♪」
「この調子なら、安泰だな。」
 僧侶がそう頷くと…

「カランカラン…」

 突然、カフェのドアが開き、そこから瑞希が一悟を支えながら入ってきた。
「一悟っ!!!どうしたんですか?」
 そのただならぬ様子に、大勇者は何かを察し、僧侶はアイスコーヒーを一気に飲み干した。
杏子きょうこちゃんっ!!!」
「急患の相手は任せろ!!!」
 そう言いながら、僧侶はブラックカードを大勇者に見せる。安定の、クレジットカード決済である。勿論、一括だ。



 僧侶は一悟達と共に住居スペースに入り、リビングで問診を始める。
「何があった…」
「変身しようとしたら、突然光に弾かれて…そしたら、右手の震えが…」
 僧侶は試しに一悟にブレイブスプーンを持たせようとするが、一悟の右手はまるで物を掴む力を失ったかのように、ブレイブスプーンを落としてしまう。
「僧侶様…実は、一悟が買って食べたアイスの中に…」
 瑞希はそう言いながら、ハンカチに包んだ一粒の謎の種を見せる。
「人間界でも、スイーツ界でも見かけない種だな…」
「ボネが言うには、魔界の一部の地域でしか見かけない種だそうです。」
「それで、ボネはどうした?」
「みるく達と一緒に、日光街道沿いのプチストップの駐車場で、煎餅のカオスイーツと戦ってます。」
 ネロはまだ休憩時間ではないため、魔界の植物について話を聞くことができない。僧侶は咄嗟に持ち歩いている保冷バッグからスイーツ界の力が集結した薬品を取り出し、点滴の準備を始める。

「とにかく応急処置だ。レントゲン検査も必要だから、午後イチで彩聖会の整形外科に連れていく!保険証は?」

「確か…リビングの…棚の引き出しに…」
「マレンゴのおやつ入れの引き出しの上ですよね?今すぐ取ってきます!!!」
 一悟から合鍵を受け取った瑞希は、一目散にカフェを飛び出し、一悟の自宅へと走り出す。



「プワゾップルの種…だな。」

 ネロが休憩時間に入ったと同時に、みるく達がカフェにやって来た。煎餅のカオスイーツは無事、元の姿に戻せたようだ。一悟は点滴を受けながら説明を聞いている。
「プワゾップル…?」

「私の故郷の領地で生えている、リンゴと似た果実だ。元々「禁断の果実」ともいわれている…これは、そこから取り出される種…本来ならこの種は私の種族は乾燥させ、粉にしたものを調味料にして使用する代物だ。加工もしないでかじりつくなんて…」

 ネロはみるく達の前で、一悟が口にした種について説明する。プワゾップルは基本的に魔竜族しか口にできない「禁断の果実」で、種は毒を持っているため、魔竜族はこの種を乾燥させて毒を抜き、加工してから使用するという。
「毒に耐性がついているなら話は別だけど、ましてやいっちーは人間界の人間だ。今回は歯形付けた程度だったけどよ…下手すりゃ、命すら危ない所だったぞ…」
 ボネの説明に、みるくの顔は思いっきり青ざめる。
「最も…こいつも、プワゾップルの種に思いっきりかじりついて、一悟と同じ状態に陥ったからな?」
 呆れながら説明するネロに、ボネは苦笑いを浮かべる。
「そう言えば、私も同じアイス食べたけどさぁ…種は入ってなかったし、なんともなかったわ。」
「僕も何ともない…」
 雪斗はそう呟くが、そこでここながスケッチブックを使い…

「雪斗、お前は一悟のアイスをつまみ食いしただけだろ!」

 ここなの辛辣な言葉によって、雪斗に向けて冷たい視線が集中したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

処理中です...